40歳以上の人、特に50歳以上の人ならタイトルの意味が分かるであろう。
実は一昨年の大学の哲学の試験でテキスト『意識の神経哲学』の中に出てくるこの英文(?)の意味を問うた。
答えはテキストの中に書いてあるのだが、その箇所を探すのは大変である。
そこで学生は自分流に解釈して答案を書いていた。
たとえば直訳調に「存在をあることは十であり、それがあることである」(笑)と解釈していた。
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おそらく年配の人は大笑いしているであろう。
これは昭和期の中学英語の初めのころに教師がもちだす「騙し文」である。
to be to be ten made to be
これはそのまま「飛べ、飛べ、天まで飛べ」を意味する。
つまり、この日本文のローマ字バージョンなのである。
ところが、それを知らない人は英文だと思い、なんとか訳そうとするのである。
「あることはあることは十であることであり、それがあることだ」(笑)
おそらく今の中高ではこの騙し文を使わないのであろう。
冗談が分からないのではなく、外情報(exformation)つまり言外の意味、暗黙の了解事項が分からないのである。
それを諭し、分からせるための例文なのである。