心と神経の哲学/あるいは/脳と精神の哲学

心の哲学と美学、その他なんでもあり

これから書きたい本 追加

2024-08-31 23:08:10 | 備忘録

前に数冊、これから書きたい本の題名を明かしたが、一冊追加しておく。

それは、『神経哲学入門』である。

これは英米の心の哲学の中で特に脳科学ないし認知神経科学に親近的なneurophilosophyについての紹介はもちろん含むが、それに関する入門書ではない。

もっと私風にアレンジした神経哲学についての論考なのである。

いちおう入門書としておくが、初心者に懇切丁寧に説明する類のものではない。

脳科学と精神医学の科学基礎論、心の臨床哲学、心の哲学と生命科学の関係などについて触れるのはもちろん、「神経質の臨床哲学」も展開する。

その際、芥川龍之介に触れないわけにはいかない。

それゆえ、この本は「神経質の生命哲学」でもあるわけだ。

そして、「神経衰弱の臨床哲学」でもある。

書き始めたら、完成は早いと思う。

二年以内にはできているであろう。

 


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「叫び」から「フィヨルドに昇る太陽」へ  ムンクにおける自然との和解

2024-08-31 02:39:53 | 哲学

北欧ノルウェーの天才画家エドヴァルド・ムンクは精神を病んでいた。

おそらく幻聴があったものと思われ、それは彼の代名詞ともなっている「叫び」に表れている。

「叫び」は1893年、ムンクが30歳のときに製作され、世界美術史に不滅の金字塔を打ち立てた名作である。

この絵に描かれた場所はフィヨルドのほとりの道であり、ムンクはこのとき「自然を貫く叫び」を聴いたのである。

雲が血のように赤く、畝っているのは、喀血を象徴しているらしい。

ムンクがいかなる精神病に罹っていたかは詳細な記録がないが、幻聴があるとするなら統合失調症が疑われる。

いずれにせよ、ムンクは自己の存在を根底から揺るがすような、強烈な不安を感じたのであり、それは幻聴を伴っていたのである。

そして、この「存在の不安に共鳴する幻聴」に対して耳をふさぐ幽霊のような自画像を、阿鼻叫喚を象徴する血の色を背景にして描いたのである。

ここでは自然と自己は対立している。

自己に救いはなく、自然は脅威の相を呈して威嚇してくるかのようだ。

ムンクはそれをありのままに描いたのだ。

それは心象の風景であった。

しかし、ムンクは16年後の1914年に長年の苦悩から解放され、自然との和解・合一に至る。

それを彼は太陽の光が少ない地域である北欧の生命の源としての太陽の光のみを強調した巨大な壁画として描き出した。

それは「フィヨルドに昇る太陽」としてオスロ大学に寄贈され、現在に至るまで大講堂に装飾されている。

二つの色合いが違う画像でそれを観てみよう。

まさに生命の源たる太陽の光の拡散である。

この光をムンクは自己の苦悩の消滅と自然との和解・合一として描いたのである。

この強烈な光は、一切の対立と否定を止揚し、すべてを肯定する、自然の大生命の弁証法的力を象徴しているのだ!!

私は「君自身にではなく自然に還れ」という思想を創案したとき、ムンクから大きな示唆を受けた。

人生に不安や苦悩は尽きず、人はつい心が折れて、絶望し、悲観し、厭世的になる。

そして自然は敵となる。

これは自己の主観的内面性に囚われ、悪循環にはまったことを意味する。

しかし、我々が自己の内面を脱して、自然へと脱自するなら、不安と苦悩は外界へと放散され、自然の大生命へと吸収されるのである。

これは至福以外のなにものでもない。

それは普通対立するものと考えられている幸福と不幸の彼岸にある自然との合一という至福である。

暗闇と極寒の象徴たるフィヨルドを突き破って上る太陽の強烈な光は、それを象徴しているのである。

 


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名古屋市立大学病院

2024-08-31 02:28:21 | 病院ネタ

これまで多くの大学病院の建物を観てきたが、名古屋市にある公立の名古屋市立大学医学部付属病院の建物は迫力がある。

病床数は808とそれほど多くはないが、その建物は威容を誇っている。

 

 

特に上の画像の左端、下の画像の中央の建物は異様な迫力がある。

17階建てらしいが、ただ巨大というだけではなく、その形態が迫力に満ちているのである。

側面の途中から斜めに折れ曲がっている形態が威圧感を増している。

たとえば、東京医科歯科大病院や慈恵医大病院の高層棟も迫力はあるが、名古屋市立大のこの形態の17階の建物の威圧感にはかなわない。

とかく、旧帝の名大病院の陰に隠れがちな市立大病院だが、建物のユニークさと迫力では勝っている。

名大病院もユニークな形態で綺麗だが。

 


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現在所有している高級スニーカー14足 (永久保存)

2024-08-25 17:57:59 | 美学

ずっと前からニューバランスのスニーカーを愛用してきたが、3年ほど前から他のメーカーのスニーカーも色々買って、履いてみた。

アディダス、プーマ、アシックス、ナイキ・・・・等々。

また、ニューバランスも昔は常備は3~5足だったが、数年前から8足ぐらいに増えていた。

そのうち、いわゆるUSA、UK製の高級なもの(定価25000~40000円)は1~3足であった。

その他は574などの廉価なアジア製(定価10000円前後)で我慢していた。

2022年頃には最多で20足ぐらい所有していたが、遂に意を決して、ほとんどをニューバランスの高級品で占めることにした。

これは長年の夢であったが、他のメーカーのものやニューバランスでもいらないものをメルカリやヤフオクで売って、またメルカリやヤフオクで高級品に買い替えた。

そこで、厳選されて残ったのが、次の12足のニューバランスと3足のナイキである。

これでいちおうニューバランス・スニーカーのマイブームは終わりにした。

今持っているもので今後5年間済ませるつもりである。

つまり、新しいものはまず買わない。

というか、多分絶対買わない。

そして、経年変化を楽しむ。

しかし、それぞれ月平均4回しか履かないし、夏しか履かないものと冬しか履かないものと雨の日に履くものがあるので、劣化の速度は極めて遅いと思う。

その厳選された愛用スニーカーは次の14足である。

 

まず、2023年10月に25000円でヤフオクで買ったオールレザーのM996(USA製)。これは復刻版であり、25000円は奇跡的に安かった。多くは4~7万円で出回っている。

次は2024年2月にメルカリで23000円で買ったオールレザーのM998(USA製)。これは売上金とクーポンを使ったので、実質2000円で買えた。これも多くは4~7万円で出回っている希少品。

次は2023年10月にヤフオクで15000円で買ったオールレザーのM1500(UK製)。これも希少品で、多くは3~6万円である。

とにかく、いいものを安く買うのが私流。

次は2024年6月にメルカリで20000円で買った復刻版のM998(USA製)。これは定価37400円。メルカリで安くなった新品を見つけ、すぐ買った。

パープルのスウェードが美しい。もともと998はスタイリッシュで人気が高い。

次は2024年5月にメルカリで15000円で買ったM1500(UK製)。これは定価32000円ぐらい。新古品で安く手に入れた。

格調高い配色と素材ともともと優れているデザインが最高中の最高!!

次は2024年5月にメルカリで17500円で買ったM990v2(USA製)。定価は34000円ぐらい。それをこの値段でゲットできるのがメルカリ通、ヤフオク通というもの。

落ち着いたブラウンのスゥエードとパープルのメッシュの組み合わせが格好いい。

オレンジも差し込まれており、さらにいい。履き心地も最高。まぁ、二―バランスはどれも履き心地世界一ですがね。

次は2023年11月にヤフオクで15000円で買ったM1500(UK製)。このスティールブルーはニューバランスの象徴カラーなのは、知る人ぞしること。

これも定価は36000円ぐらいだが、新品・箱なしということで15000円で買った。これも希少品。

次は2024年7月にメルカリで8500円で買ったM577(UK製)。この色ずっと前から欲しかったが、楽天で38500円になっていたので、諦めていた。

そしたら、メルカリで新品と変わらない美中古を8500円でゲットできた。奇跡に近い。

次は2024年3月にメルカリで4500円で買ったM577(UK製)。この色も私の好み。定価は32000円か、それ以上。

中古ということだが、かなり綺麗で、新品と大した差はなかった。大儲け。

次は2023年の8月にメルカリで20000円で買ったM920(UK製)。この色も私の好み。メッシュ部分が多くて夏用。履き心地超最高。

定価は40000円。最高。

次は2024年4月にメルカリで9900円で買ったMC1600(中国製)。リミテッド・エディションで配色が最高。アジア製だけど。高級感があり、履き心地は最高クラス。

定価は20000円ぐらいだが、廃番なのでプレミア価格になっているものが多い。9900円で買えたのは超ラッキー。

新品ではないが、大してそれと変わらなかった。ラッキー!!

次は2023年4月にヤフオクで5500円で買ったオールレザーのM576(UK製)。私はこれを2002年から5年ぐらい履いていた。

二度と手に入らないと思っていたが、安い美中古をヤフオクで発見して、うまく落札・購入できた。

これはもう廃番でマニア垂涎のモデルなのでプレミアがついて新品のデッドストックは70000円ぐらいする。

安い中古でも20000円はする。それを5500円でゲットできたのは奇跡。幸運中の幸運!!

以上が12足のニューバランスだが、残りは2足のナイキ。

全部同じモデルで、防水防湿(ゴアテックス)のトレイルランニングシューズ。

しかし、本格的な山登り用、荒れ地用の防水スニーカーに比べると、防水機能が少し落ちる。

しかし、ソールがふかふかふで履き心地は最高。軽い!!

そして、次のようにデザインが秀逸で、超格好いい!!

定価23000円だが、2足ともメルカリ他で12000円前後でゲットできた。もちろん新品。

ナイキ、リアクトペガサス、トレランシューズ4-GTXである。

 

 

もうスニーカーで散財するのはやめて、この15足で最低5年は過す。

他のは絶対買わない。

また、これらも絶対売らない。

履く頻度からすると、加水分解しない限り、10年近くもつだろうが。


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新著『意識・生命・時空 ― 存在の根源に迫る究極の哲学』を出版しました

2024-08-04 22:26:46 | 自著紹介

今日、アマゾンの電子書籍Kindleとして新著『意識・生命・時空 ― 存在の根源に迫る究極の哲学』を出版しました。

 

Amazonのリンク↓

Amazon.co.jp: 意識・生命・時空 : 存在の根源に迫る究極の哲学 eBook : 河村次郎: Kindleストア

 

本書『意識・生命・時空 ― 存在の根源に迫る究極の哲学』は私の長年の思索の集大成であり、新たな存在論の可能性を探った意欲作である。解明目標は「存在の根源」なのだが、最初はそれを直接主題とすることなく、その周縁契機たる意識と生命と時空について深く考察し、それらを渦動的に統合して「存在の根源」を炙り出すという戦略を取った。また、「場」の概念を重視し、根源的存在概念を「自己組織化する<場>」として顕わにした。このことは既に2016年に上梓した『存在と時空』でその原型が述べられているが、今回は意識と生命と時空という三契機と深く絡ませつつ論じたのである。それゆえ、この本には2012年に上梓した『創発する意識の自然学』における思索がふんだんに取り込まれている。そして、この本において新たにスポットを当てたのは人類滅亡の可能性とそれに対する哲学と存在論の意義である。もっと詳しく言えば、生態学ないしトランスパーソナル・エコロジーと存在の根源への問いの関係である。他、精神医学と実存哲学の関係や脳科学と心の哲学の関係も思考の補助線として、付随的に論じられている。総じて、この本は質・量ともに充実した力作だと言える。

大まかな目次は次の通りである。

 

第1章 存在論の再構築

第2章 存在論と生命哲学

第3章 存在論と意識哲学

第4章 存在論と時空論

第5章 人間的実存の意味への問いと科学 ― それは相容れないものなのか

第6章 脳科学と意識科学と哲学的時空論

第7章 意識・生命・時空

第8章 人類の未来と存在論の意義

 

自然の大生命の躍動的前進、つまり生命の大河の中の一滴である我々は、自己を有機的自然に向けて拡散することによって存在の根源へとたどり着くのである。本書には私が長年主張してきた「君自身にではなく自然に還れ」というテーゼが随所に織り込まれている。


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