川崎重工業(株)は1969年にホンダCB750に対抗して、ハイスピードの大型バイクを発表した。
それがカワサキ マッハⅢの愛称で親しまれ、熱狂的なファンを多数得た500SS・H1である。
このバイクは2スト3気筒500ccで最高出力60hp/7500rpmをたたき出し、最高速度は200kmに達した。
特に加速がものすごく、その荒々しさから「キチガイマッハ」とも呼ばれた。
いまでもマニアの間では大人気で、状態のよい40年物の中古車は150~200万円する。
この人気を引き出したのは、その韋駄天ぶりとともに独特のスタイルである。
まず、初期型H1の画像を見てみよう。
初期型はまだドラムブレーキでリアカウルがない。
しかし、その後次のような洗練されたスタイルに変身した。
これが500SSという称号の最終モデルで、その後KH500と改称される。
ちなみに、このバイクはアラン・ドロン主演の映画『ル・ジタン』にも登場した。
それは真ん中の緑・青のカラーリングのモデルであり、アラン・ドロン自身が運転したが、500ccのものか750ccのものか分からない。
実は、500SS(マッハⅢ)=H1には後発の兄貴分750SS(マッハⅣ)=H2があったのだ。
これが前にも紹介した750SSだが、当時世界最速であった。
500SSと区別する指標は、エンジンの大きさとマフラーの跳ね上がり方である(もちろんサイドカバーの500と750という印字も)。
マニアには一目瞭然だけど。
ちなみに、いまだにこのマッハシリーズ(250cc,350cc,400cc,500cc,750cc)がスタイル的に世界一かっこいいバイクだ、というファンが多数いる。