心と神経の哲学/あるいは/脳と精神の哲学

心の哲学と美学、その他なんでもあり

星一徹の教育方針

2018-01-29 16:51:11 | 巨人の星

飛雄馬の父・一徹はスパルタおやじの代名詞として日本国民に知れ渡っている。
彼の教育方針は果たして正しかったのであろうか。


星一徹は、戦前の生まれで一代でたたき上げたプロ野球の選手である。
巨人の三塁を守っており、川上哲治と同期であった。
しかし、徴兵され、戦場で肩を負傷してしまう。
その痛めた肩を補うために、彼は魔送球を編み出した。
しかし、川上にそれは邪道であり、王者巨人軍にふさわしくない、と言われ、球界を去っていく。
その後は飲んだくれの大荒れである。
しかし一念発起して、息子の飛雄馬を巨人の星にしようとしてスパルタ教育を開始する。
その後の展開はご存知の通りである。

問題は一徹の教育方針は正しかったのか、彼の強制的訓練は許されるものなのか、ということである。
私は基本的に許されないと思っている。
てゆうか、漫画の世界でなかったら、一徹はそのうち飛雄馬に殴られるか、撲殺されていたであろう。
現実はそれほど甘くないのである。
たとえ実の息子であろうとも、自分の意志を尊重しなければならないのである。
現実は漫画よりも奇なりである。

ちなみに私はボクシングの亀田親子も認めない。
そして、私自身は一代で、自分の意志と努力で、たたき上げた哲学者である。


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早稲田大学における学部の階層

2018-01-28 08:49:50 | 受験・学歴

前に紹介した『徹底比較 ヒミツの東京六大学』において早稲田大学の学部間のヒエラルキーは次のようになっている。

 

1. 政経学部

2. 先進理工学部

3. 法学部

4. 創造理工学部

5. 基幹理工学部

6. 商学部

7. 文学部

8. 国際教養学部

9. 教育学部

10. 文化構想学部

11. 社会科学部

12. 人間科学部

13. スポーツ科学部

 

まず、政経学部が1位なのはうなずける。

理工とどっちが上か迷うところだが、やはり政経とくに政治学科は早稲田の大看板である。

とにかく、早稲田政経は長く私立文系最難関として君臨してきた。

マスコミ、政界、官界に強く、大企業の幹部も多数輩出してきた名門である。

次に、2位と4位と5位を占める三つの理工学部。

このうち、先進理工は物理学科、化学・生命化学科、生命医科学科などが属する理工学部の最難関であり、これが2位となるのは当然だと思われる。

創造理工は建築学科、総合機械工学科などが属すが、先進理工ほどオーラがないのか、文系2位の法学部の後塵を仰いでいる。

しかし、昔から早大理工の建築学科は名門かつ看板であり、物理学科とともに最難関であった。

ところが、物理に生命医科学が加わった先進理工にはやはり及ばないのである。

まぁ、4位が妥当であろう。

基幹理工は数学科、情報工学科、電子光システム学科、社会環境工学科などが属すが、ぱっとしないのか理工の最下位となっている。

それでも全体のうちの5位はさすがである。

そもそも、なぜ早稲田は看板の理工学部を三つの学部に分けたのであろうか。

これを大失敗とみる意見もかなりあるようだし、また建築・土木、物理・数学、機械・電気といった理工学部定番のセットを無視した学科配分も不分明である。

もともと早稲田では、政経と理工がツートップで、その下に法学部が二歩下がって追従する感じだったのだ。

それが、理工を三つに分けたせいで、法に割り込まれてしまった。

建築や社会環境工学(つまり土木)や電気・電子や数学が法より下になるなんて。

やはり失敗だ。

それはともあれ、3位に躍進した法学部には拍手をおくりたい。

もともと、政経の陰に隠れた文系2位の法学部だが、実は政経よりも単位認定が厳しく勉強家が多いらしい。

法学部だけは「遊べる早稲田文系」のイメージから程遠いらしいのだ。

まさに質実剛健であり、中央大法学部と似ている。

また、慶應でもそうだが、最近法学部が全般的に躍進してきており、早稲田でもその傾向が表れたということなのだろう。

次に、6位の商学部だが、まぁ、この位置が妥当だろう。

もともと政経や法にはとうてい及ばないんだし、かつては文にも負けていたのだから、これで大健闘である。

ちなみに、慶應商と早大商だと、後者の方が学内の地位がまだましらしい。

次に、7位の文学部である。

多くの優れた作家を生み出し、露文科などの名門もある文学部だが、いかんせん虚学で就職最悪なので、この順位で我慢するしかない。

残りのうち9位の教育学科は、数十年前からある学部のなかで低い位置にあったので、ここが定位置であろう。

また、前は午後3時から始まる夜間部であった社会科学部は昼間部の仲間入りしてから偏差値を急上昇させたが、しょせん成り上がりなので、この順位が妥当である。

その他は、説明無用で早稲田下流学部である。

ところで、永遠の謎は、政経と理工のどっちが「実質的に」早稲田の1位かということである。

政経は実績とオーラはあるが、「実質」では理工に負け、「内実」でも法に負けているんじゃないのか。

たしかに早稲田のイメージ・リーダーではあるが。


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一橋と慶應 どっちにする

2018-01-27 08:14:19 | 受験・学歴

一橋大学と慶應義塾大学の上下関係は微妙である。

受験難易度や受験者の学力ないし偏差値からすると一橋のほうがやや有利な感じがする。

というより、中身をよく知っている人なら、一橋の優位は揺るがないであろう。

そもそも受験科目数が違う。

一橋にはない理系は置いといて、文系に話を限るなら、一橋はセンター試験と二次の国・社・数・英であるのに対して、慶應は英語と地歴(ほとんど歴史)と小論文である。

ちなみに慶應の経済や商は地歴の代わりに数学を選択できる。

いずれにせよ、一橋は延べ5教科7科目の重量試験、慶應は一応3科目、実質2.5科目(あるいはよく言われるように実質2科目)の軽量試験である。

慶應は英語を重視し試験問題の難度は高い。

一橋は二次の全科目がまんべんなく難易度が高く、特に文系にしては数学(ⅢはなくⅡBまでだが)が鬼だと聞く。

慶應の数学は一橋に比べればかなり簡単らしい。

結果として、受験難易度と入学者の学力は一橋の平均を100とするなら慶應は70~110であろう。

ここで慶應が奇妙なことになっている。

つまり、下は70なのに最上層は110なのだ。

慶應は内部生や推薦やAO入試が多いので下は70まで下がるが、東大ギリ落ちも結構いるし、京大落ちもいるので最上層は一橋を超えるのである。

また、内部生、つまり付属校上がりの中にはいいかげんなのもいるが、ものすごく優秀なのも多々いる。

そこで、こう言える。

一橋は旧帝と同様に粒がそろってみな優秀、慶應は早稲田ほどではないがピンキリが激しく、優秀なのは東大京大並み、ひどいのは日駒以下という感じなのだ。

 

国立市にある一橋大学(上)と港区にある慶應大学(下)

 

入試難易度や入学者の学力は以上のようなものだが、それ以外の指標として資格試験の合格実績と就職実績と出世度がある。

資格試験は両大学とも強い。

司法試験は合格者数、率ともに慶應は日本1~3位に毎年つけている。

他方、一橋は率はいつも1位か2位であるが、学部、ローともに学生数が少ないので数は慶應の半分以下となる。

公認会計士試験は慶應の独断場であり、ずっと合格者数日本一である。

国Ⅰも慶應の方が強い。

ここらへんで慶應が優位に立っているのは前述の最上層の学生のおかげであろう。

一橋はあくまで粒がそろって皆優秀なのである。

就職に関しても超一流企業~準一流企業へと両校は多くの卒業生を送り込んでいる。

ここでも一橋は取りこぼしなく準一流以上に確実に行けるが、慶應は下位層の学生はだめで、中上位層しかそういうところに行けないらしい。

しかし慶應は数にものを言わせて、ランキングでは早稲田とともに常に全国1、2位を争っている。

この点では東大すら抜いていることが多い。

また、入社後の出世でも数的には慶應の方が一橋よりも社長、役員、上位の管理職が多い。

一橋は堅実だが地味な感じで、課長や部長でおちついているのではなかろうか。

慶應は三田会、学閥のおかげで派手に飛び回って、社長や役員の地位を獲得していそう。

しかし、落ちこぼれは三流企業平社員、フリーター、ニートになっていそう(早稲田ほどひどくはないが)。

政界を見ると、早稲田とともに慶應の力は圧倒的で一橋は京大とともに影が薄い。

いったい一橋と慶應はどっちがお買い得なのであろうか。

両方合格した場合、95%以上が一橋を選ぶらしいが、それは果たして完全に賢い選択なのであろうか。

これは再考すべきことである。

なお、慶應には一橋にはない理系の学部があり、特に医学部は威光を放っている。

その附属病院はあまりに有名である。

 

新宿区にある慶應病院 ↓

 

とにかく慶應は総合大学の強み、圧倒的なブランド性、数の優位があり、侮れない。

単純に堅実な秀才性と国立の堅実な教育体制という観点から一橋一択というのは考え物である。

一説によると、慶應は今後文系において一橋どころか京大すら抜いてしまうという予想が出ているらしい。

あまり知られていないことだが東京帝国大学(東大)の初代総長は慶應義塾出身だったのである。

日本人の国立大信仰は根強いが、世界トップのハーバード大は私立であり、一橋のように粒がそろっているというよりは、慶應のように幅があるらしい。


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