『心の哲学への誘い』の第5章「クオリアとは何か」には人類進化論の話が出てくる。
そこで、人類の進化について、その概略を述べておこう。
現生人類(homo sapiens sapiens)は今から約10万年前に生まれた。
その祖先は類人猿から進化したアウストラロピテクスであり、その誕生は約700万年前であった。
アウストラロピテクスとは「南方の猿人」という意味で、まだ類人猿の名残があった。
しかし、このアウストラロピテクスが最初の人類(homo属)であると生物学上認められている。
その後、この猿人はホモ・ハビリス(道具を使う原人)、ホモ・エレクトゥス(直立原人)、
ネアンデルタール人(homo sapiens neanderthalensis)と進化し、ついに現生人類となったのである。
ちなみに、人類がそれから進化した類人猿はチンパンジーと共通の祖先である。
また、過去の猿人や原人はすべて絶滅しており、化石人類と呼ばれる。
それに対して猿や類人猿はそのままの形で現在も生息しているのである。
猿やゴリラやチンパンジーについては知っていても、人類進化に関しては意外に知らない人が多い。
そこで教養としてぜひ人類進化の概略を知っておいた方がよい。
そのためにはまず視覚的イメージに訴えた説明が望ましい。
次にupする画像は極めて分かりやすいであろう。
このように人類は、類人猿の四足歩行から直立二足歩行に進化し、それに手の機能の進化と直立二足歩行を堅固ならしめる骨格の進化、
さらには言語機能を高度ならしめる声帯の進化が加わって、現生人類にまで進化・成熟したのである。
それにしても、この画像に描かれた過去の人類が現在もそのまま生きていたら・・・・・・
不気味であると同時に面白いだろうな。
特に現生人類の原型たるホモ・エレクトゥスが野原や街を歩いていたら・・・・・
「北京原人」って映画そのものになるだけかな。
* 画像の出所は、D・ホロビン『天才と人類の進化論』金沢泰子訳、新曜社です。