『忘却された存在の深みを求めて』ないし『忘れられた存在の深みを求めて』という本が書きたくなった。
どちらも副題は「意識・生命・時間」である。
『失われた存在の深みを求めて』でもよいが、あまりにプルーストに頼りすぎな感じがする。
あるいはもっと単純・率直に『存在の深みを求めて』でもよい。
書きたいことの輪郭ないし概要はすでにできている。
付録として、哲学的心境小説の試み『北上尾にて』を書くことも構想のうちにある。
これは言うまでもなく志賀直哉の『城の崎にて』をモデルにしているが、もっと深いものになるであろう。
ところで「深み」ってなんだろうか。
特に「存在の深み」ってなんだろうか。
この素朴な疑問を、意識と生命と時間の三者関係から炙り出すのが眼目なのだ。