いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

休みの経済学。 economics of vacances

2024-08-11 20:35:41 | 日記
 (1)パリ五輪、TV観戦しているとメインの陸上競技スタジアムの3階席まである大スタンドがいつも満員で埋められて、仏人は五輪がこれほどまで好きなのかと驚かされるが、報道によると仏人の義務付けられた年間有給休暇が5週間あり、多くの人が五輪に合わせて大型休暇を取って観戦していることがうかがえる。

 (2)日本の場合は労基法が企業に対して義務付けた年間有給休暇が5日で同じ「5」でも違いが大きく、仏はいつでも満員の五輪スタンドを支えている。仏は世界注目の観光大国だが、その7割が国内客(報道)によるもので5週間の有給休暇を完全取得すれば国内に11.8兆円の経済効果が発生し、国民の長期休暇は仏経済にとってもプラス効果が大きいといわれる。

 (3)国民が休めば休むほどに国内経済は潤沢になるという有給休暇大国でもある。働く人にとってはありがたい話であり、現地で働く日本人の話でも2週間休んでみたら「バカンス明けは仕事が楽しくてうれしかった」(報道)という声もある。
 日本は高度経済成長時代は働くだけ働いて、企業の歯車、労働者は使い捨て消耗品という社会から、社会利益も一巡して行き渡り低成長、安定不況時代になって2日連休制から現在は3日連休制も検討する企業もあり、国、政府も国民休日を増やして国内、国外旅行が取りやすい環境整備につとめている。

 (4)日本文化、食文化への関心、安全、キレイ、親切社会への高い関心が外国人客の増加、インバウンドで日本国内で使う「カネ」も経済効果を生んで、仏流の経済学が定着してきている。少子化は大きな社会問題だが、長寿、高令化は健康、食生活、社会活動への関心の高まりをみせて経済効果も考えられる時代だ。

 (5)少子化対策として岸田首相は全世代型負担社会を打ち出しているが、かって労働力として日本の社会保障を支え、将来生活資金を負担してきて、いざそれを原資として年金生活での老後の生活設計が保障されなくなった政府の少子化対策の取り組みの遅れ、目算違いには問題責任はある。

 (6)パリ五輪を観て、働くだけが国家利益につながるものでもなく、「休む」ことも国家利益につながる重要な要素だと認識させられる。
この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 原爆の日と政治論。the day o... | トップ | カオスの盆。 bomb of chaos »

日記」カテゴリの最新記事