いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
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春闘と労使改革。 economic struggle in spring & innovation of management & labor

2014-03-13 19:40:50 | 日記
 (1)「春闘(economic struggle in spring)」も10年以上に及ぶデフレ円高不況の中で、労使(management and labor)双方ともに会社存続が緊要課題となり協調姿勢に迫られて、景気低迷、雇用不安を抱えた労働側の物分かりの良さから近年は相互理解、協力関係が進んで、すっかり色あせて季節の存在感をなくしていた。

 長引く経済不況、企業活力低迷の中で経団連も総評も組織力、存在感、影響力を失ってきている。民主党政権下では自民党長期政権を大企業中心、既得権益共有で支えてきた経団連は意図的に遠ざけられて、いっそう存在感、影響力をなくしていた。

 (2)昨年来の日銀の大胆な金融緩和策、アベノミクスによる円安株高効果で輸出基幹産業中心に企業業績が大幅にアップして、政府はこれを賃上げ効果に結びつける「経済の好循環」に向けて政労使会議を開いて経営者側に業績アップを賃上げに転嫁する異例の要請圧力をかけてきた。

 今年の春闘は、これを受けて今度は経営者側が政府の圧力に物分かりの良さをみせて主要企業では軒並み2千円~3千円の賃金ベースアップで労使妥結した。

 (3)安定不況(stabilization depression)時代では、労使ともに雇用不安、世界的な企業活動の環境悪化からまずは会社存続が第一目標であり、雇用維持による生活保障が優先されて春闘も労使ともに物分かりの良い協調時代を迎えている。

 かっての春闘は、経済成長時代の企業利益を将来の経営安定への留保、設備投資に向ける経営者側と労働対価に見合った賃金への転嫁を期待する労働側とで激しい対立、運動がくり返されてきた。

 (4)その後の10年以上に及ぶデフレ円高不況、不安定な世界経済、金融事情の影響を受けて、日本の労使関係も対立から協調時代に変化を余儀なくされてきた。
 この間に業種ごと企業ごとの経済成長の格差もひろがりをみせて、労使を代表する経団連と総評の団体交渉から業種ごと企業ごとの直接交渉が意味、影響を持つようになってきている。

 (5)先進国ではかってのような高度経済成長時代は望みようもなく、安定不況時代では労使の必要に迫られた協調関係が基本とならざるを得ないが、それは企業経済活力の緊張を奪うもろ刃の効果でもあり、労使の協調時代からあらたな経済活力構造に向けて双方の立場から検討、考察、努力すべき必要がある。

 (6)主要企業の賃上げは出揃ったが、あとは労働者の70%以上を占める中小企業、地方企業、非正規労働者への波及効果があるのか、ないのか、また主要企業の賃上げが下請企業へどう圧力影響を及ぼすのか、4月からの消費税8%引き上げ、15年10月の同10%引き上げ法律施行による経済への影響も含めて、日本経済の労使関係のあらたな構造改革が求められてくる。

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