いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

民主主義の危機説。 crisis opinion against democracy

2019-10-09 20:08:09 | 日記
 (1)民主主義の危機(crisis against democracy)が叫ばれている。米国、ヨーロッパなど世界的な自国第一、保護主義、極右勢力の台頭が著しい。自由、平等、国民主権の民主主義だけが正しく、他の主義、思想、理念が正しくないというのはもちろん正しいものではないが、民主主義の危機は議会制民主主義の発祥の英国で顕著になっている。

 (2)国民投票でEU離脱を決めたのに、議会の反発にあって首相とEUの合意内容が承認されずにEU離脱が実現しない。EU側も簡単に英国の意向通りに従えば、今後もEU離脱国が続いて統制が利かなくなる恐れがあり、それぞれの利益優先で離脱交渉が進まない。

 英国民がEUからの離脱を決めたのだから民主主義の原則、理念からすればEUは離れていくものを引き留めたり、足かせをかけることなく理解を示したらいいものだが、そうはならない。

 (3)その後に起きる様々な問題、課題については英国、国民が責任を持って解消に努めなければならないものであり、英国首相とEUで未来まで取り決めれるものではない。
 民主主義だけが正しいということではないと書いたが、一党独裁共産主義中国が1国2制度として容認する香港では、中国の行政干渉に対して反発して抗議デモが続く。

 彼らは香港の民主主義を守るために駅、空港、道路のインフラを抗議デモで占拠して、最近のデモでは放火、破壊、落書き(報道)など過激化している。

 (4)一党独裁共産主義中国の干渉に対してはこういう抗議デモが民主主義を守る闘いと位置づけているのか、1国2制度(香港が英国植民地から中国に返還されていきなり共産主義支配とはいかずに)からの脱却、独立を目指すならばいざしらず、抗議デモの無差別的な過激化は民主主義とどうかかわるのか、香港全体の意思、理性を示しているものなのかはよくわからない。

 どうも香港市民は一党独裁共産主義中国は嫌いなようではあるが、それこそ国民(市民全体)投票による自由な市民の意思決定にまで持ち込む努力、気構え、決意が民主主義的思考である(簡単なことではないが)。

 (5)「あいちトリエンナーレ2019」の元慰安婦少女像モチーフ出品の企画展が開幕3日で脅迫、脅しで中止となり、今回66日ぶりに残り1週間を残して再開された。
 その間に文科省文化庁の補助金不交付発表があり、関係者、市民から芸術への国の検閲、干渉との批判があった。

 開幕してからほとんど開催していない企画展のある芸術祭に国が国民投資(税負担)から補助金を交付することは適当でないと書いたが、これが芸術への国の不当な干渉になるのか、国の予算の使い道についてはムダのない効率化も求められている。

 (6)企画展再開にあたって反対してきた河村名古屋市長は会場前での座り込み抗議をしたが、「陛下への侮辱を許すのか」(出展映像作品にかかわり)のプラカードでの訴えではこちらの方は芸術への理解、思想、認識が不足して、天皇の政治利用であり民主主義的とはいかない。

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