いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

読みにくい国民心理。 national minds is hard to read

2014-12-11 19:26:50 | 日記
 (1)なかなか読みにくい国民の心理(national minds is hard to read)判断だ。衆院選投票を控えての世論調査で集団的自衛権の行使に46%が反対(賛成35%)し、社会保障の財源とする消費税10%引き上げの先延ばし(18か月後に確実に引き上げ表明)を55%が評価し、一方で衆院選の争点では年金、医療、介護、子育てが31%と高く景気対策の28%を上回り、政治的課題の原発、エネルギー、大震災復興、外交、安全保障、成長戦略として力を入れる地方創生、政治とカネはことごとくヒト桁台の関心の低さだ。
 東日本大震災復興への関心が極めて低いのはどうしたことか。

 (2)安倍政権の集団的自衛権の行使には反対するが選挙の争点としては関心は低く、消費税引き上げの先延ばしは評価するがその財源となる年金、福祉、社会保障は選挙の争点として高く意識するという、ま、いわば国民エゴイズム(social egoism)自分の周りの生活さえよければいいという小市民的国民(the petite bourgeoisie)意識が定着している実態を如実に示している。

 年金ほか社会保障政策には高い関心(31%)を示しながら、財源となる消費税引き上げには関心は極めて低い(5%)というパラドックス(paradox)社会、国民だ。

 (3)安倍政権の大胆な金融緩和策は円安株高効果を生んで企業業績の自然回復、賃上げに結び付いた。その後4月の消費税8%引き上げ、円安物価高が賃上げ効果を上回り、実質賃金はマイナスとなって消費動向を冷え込ませる結果となったが、一時的でも10年以上も続いたデフレ不況下での何もかもが苦しかった時代から、企業業績の回復、賃上げのアベノミクスへの期待感のあらわれが安倍内閣への支持率の安定につながり、特定秘密保護法、集団的自衛権の行使に消費税引き上げの安倍政権の重要政策に国民の過半数がことごとく反対しながら、今回の衆院選でも自民党一強時代を反映して今のところの自民党圧勝ムードをつくりだしている不思議な政治現象だ。

 (4)3年半の民主党政権の政策自己否定の決めれない政治への後遺症で、安倍政権の官邸主導の手法の善し悪しは別にしても強引な政策実現政治が国民には好印象を持って受け取られているのではないのか。

 非常に自己都合のいい国民の関心ワザで、しかし順調に見えた安倍政権の経済、景気対策は貿易収支の赤字続きに予想を大きく上回るGDP3四半期連続マイナス成長、実質賃金のマイナス効果でデータ上も景気実感も厳しい消費社会を迎えている。

 (5)結局は自民党、公明党連立政権に代わる野党の存在感のなさがその国民意識傾向を強烈に後押ししている。
 今回の衆院選で野党で全小選挙区に立候補者を擁立しているのは共産党だけで、自民党でも共産党でもない無党派層(nonpartisan stratum)の行き場のない選挙を演出して、低投票率、票が自民党中心に流れ、野党ではひとり共産党にその票が流れる予測で自民党の圧勝ムードという具合だ。

 (6)安倍政権の重要政策に国民の過半数がことごとく反対して、安倍政権の政治手法にも国民無視が見てとれて自民党ひとり勝ちに不安な国民感情はあるはずで、少しは政権、自民党にも反省を込めたいところがあって当然の政治状況のはずだ。

 なかなか複雑怪奇で読みにくい国民感情、心理である。

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