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いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

防衛相の核保有論。 theory of possession of nuclear weapon by a minister of defense

2016-10-06 19:33:12 | 日記
 (1)政治家の理念、主義、信条はそう簡単にコロコロ変わってもらっては、進むべき道を預ける(負託する)国民からすれば困ってしまう問題だ。本来はあってはならずに、仮にやむをえず変節、変更があれば一度国民の審判、判断を受ける必要も考えられる。

 安倍首相は平成17年4月消費税10%引き上げを平成19年10月まで2年半先送りすることを決め、今夏の参院選で国民の信を問うと言ったが、本来は政権の重要政策の変更の信を問うのであれば衆院選というのが通常で、このため衆院解散による同日選相乗効果(synergy)を検討していたともいわれた。

 (2)結局は日本経済動向が下降向きになって、衆参同日選リスクを回避してそれでも自民党を含む参院改憲勢力で3分の2以上の勢力を確保して勝利した。
 今の臨時国会で盛んに野党民進党の質疑の集中砲火を受けているのが、稲田防衛相だ。

 発端は政治信条が安倍首相に近く、これまで毎年8月15日に靖国参拝をくり返してきたが、今回安倍第三次内閣で防衛相に起用されて中国などの反発を考慮して8月15日にはアフリカ訪問日程が組み込まれて、事実上靖国参拝を断念された。報道によると政府が意図的にそういった外交日程を組んだともいわれている。

 (3)当時の報道でも稲田防衛相がこれを非常に無念の表情で語っていたのを憶えているが、国会質疑でもこの変節を野党民進党から取り上げられた。つまり大臣になったからといって従来からの理念、主義、信条を変えたのかと問われた。

 稲田防衛相は答弁で泪を浮かべて(報道)、議員と大臣との立場、配慮の違いを理由に述べて靖国参拝断念をとりつろった。
 
 (4)大臣の答弁としては感情を抑制できない、感情あらわにして適切であったのか、特に核兵器武装、抑止論から相互平和協調外交まで幅の広い政策選択のある安全保障、防衛政策の担当大臣、責任者の防衛相としては、これで沈着冷静で安定した判断、裁定ができるのか不安ものぞかせた。

 稲田防衛相が答弁で泪を浮かべることでもなければ、大臣としての資質がどうのとかどうということもないやり取りの問題であった。

 (5)ところが次に取り上げられた稲田防衛相がかって議員として「日本独自の核保有を『国家戦略として検討すべきだ』」(報道)とした発言だ。
 「今(防衛相として)は非核三原則を守ると言ったが、なぜ変わったのか」(同ー( )は本ブログ注)とただされて「当時の日米同盟はガタガタだったが、安倍政権になってかってないほど強固になった」(同)と国際環境の変化を理由にあげた。

 (6)これはそうは簡単な問題ではない。日本は唯一の戦争被爆国で、今は平和憲法のもと戦力を保持せずに交戦権を有しない、非核三原則のなかで防衛相が国際環境の変化にあわせて核武装を検討することがあると考えられるとすれば、重大な日本のテーゼ(these)に反することになる。

 そういう人物を安全保障、防衛政策の責任者の防衛相に起用した安倍首相の任命責任は大きい。まして、米国大統領選の共和党トランプ候補が自ら主張する日本からの駐留米軍撤退にあわせて日本の核兵器保有を容認する発言までしているのだから、これに信条的に乗りかねない稲田防衛相のかって議員時代の核兵器保有検討発言は潜在的危険性を秘めている。

 (7)泪ながらに訴えられてもこれは困る。

 

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