(1)トランプ大統領の日米関税協議の相互関税15%合意はこれまで協議が合意した他国と同じ比率であり、当初からのトランプ大統領の「落としどころ」だったと考えられる。トランプ大統領の関税発動は米国の貿易赤字解消、従来の製造業復活が目的であったから、関税60%、100%、200%は脅しに使われた。
(2)それでも15%関税が一律なのか、上乗せなのかで日米間に齟齬(そご)があり、交渉「口約束」に日米の受け取り方の違いが生じて修正に追われた。関税15%開始時期も明確でなく25%関税のままの自動車産業ではトヨタが通期で1兆4000億円の業績悪化になると発表した。純利益が3兆円以上といわれるトヨタでも関税による1兆4000億円の減収予測の影響は大きい。
(3)トランプ大統領は当初から日本車の米国輸入増を問題として指摘して米国車が日本で売れていないことを貿易政策の問題としており、関税協議では自動車の取扱いが焦点だったので「口約束」ではなくトランプ大統領が「普通の人」でないとして文書確認はないとしても明確な方法で確認すべき事項であった。
(4)普通でない人との実行を急ぐあまり肝心なところが抜けた。トランプ大統領の落としどころに惑わされて一番問題にすべきところが抜けた。事前確約もなく赤沢担当相が訪米を重ねて米国の担当責任者と会えないこともあり、2国間ディールの経験不足、能力に問題はあった。
トランプ大統領の真意は米国の貿易赤字解消なのでトランプ関税発動はむしろ今後の日米貿易経済の行方によって再び波乱は考えられる。
(5)その時に石破政権でいいのか、国民の多数意思を受けた新政権で対応するのかは国益を考えるのなら大事だ。関税協議では日米同盟関係は考慮されずに石破首相が招待した万博期間中のトランプ大統領の来日もないだろう。
(6)石破首相は戦後80年の首相談話にこだわりがあったようだが、広島、長崎の原爆の日出席では核廃絶は訴えたが国連核兵器禁止条約の批准、参加には触れずに、これまでの政府方針を踏襲した。
G7国では仏、英、加でパレスチナ国家承認の表明が続いているが、イランと独自の外交関係のある日本が中東政策に影響力を示す機会でありどうするのか関心はあるところだが、米国追随政策では期待はむずかしい。
(7)日本も大きな判断、選択、問題、課題の時代を迎えており国、社会、国民が全体となって立ち向かわなければならないが、「緊張感」はみられずに結束する様子もないのは不思議だ。