尖閣諸島での中国漁船の衝突事件後に中国は
レアアースの対日輸出規制措置を採ったために
チャイナリスクの痛みを思い知らされた。
約２万７０００トンの年間使用量のうち８０％以上を
中国に頼っていた咎めを受けたのだった。
その反省から日本企業は対日輸出削減に備えた
対応に努めた結果、２０１１年度対日輸出量は
３４％減となり、更に欧米への輸出量減も加わり
中国の２０１２年上半期の輸出量は、４３％と
大幅に減少している。
尖閣諸島の領有問題で、中国国内では、再び
レアアースの対日輸出抑制、甚だしきは輸出
禁止措置を唱える声が沸き上がっている。
だが、輸出制限措置をめぐる日米欧のＷＴＯへの
提訴もあり、レアアースを武器に出来る現状にない。
乱掘、盗掘で乱れた生産状態を規制して、加工、
輸出の管理を強化して、生産の効率化、合理化に
備えたものの、国内在庫は積み上がり、減産や
生産停止に追い込まれる事態になっている。
省エネ車に欠かせないジスプロシウムの価格は
昨年のピークの１/３になり、強力磁石材料の
ネオジムの価格も、９月現在、今年３月の価格から
既に４割も暴落している。
レアアース問題は対日カードどころか、国内の関連
産業の生殺与奪に係る重大な問題を備えている。
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