大黒さん

つれづれに、道行く人のながれを眺めている土塀のうえの大黒さん

ムクゲとフヨウ

2008年09月03日 | Weblog


     

今年も暑い夏でしたが、秋の気配が漂い始めて、ムクゲ

の花も元気を取り戻したように、心なしか花数が多く

なったように見えます。

アオイ科のこの花には、Syriacus とシリアの名が

付いていますが、原産は中国から中近東で、必ずしも

シリアが原産地であるわけではありません。

初夏から咲き始めて秋まで、花の命は長く、ここから

無窮花、ムクゲの和名がついたそうです。     

韓国ではこの「ムグンファ」が国花になっています。

万葉時代から日本国内で自生していて、朝顔の名前で

万葉集にも登場していますが、今では、この朝顔は

キキョウ説が有力です。

朝咲いて夕方には萎むムクゲが、夕方になっても

咲いている歌があるからです。

  朝顏は 朝露負ひて 咲くといへど   

     夕影にこそ 咲きまさりけれ (10-2104)

また、万葉集では、木槿、ムクゲの名前で詠われて

いる歌はありません。            

一方、同じアオイ科で外観の良く似た夏の花のフヨウは

中国原産で、日本の南部に自生しています。

朝、咲いたときは白い色で、夕方にはピンク色になる

長寿と美貌を兼ね備えた八重咲きの酔芙蓉があります。

坂上郎女は、この花をの詠っています。

  思はじと 言ひてしものを 朱華(はねず)色の

    変ひやすき わが心かも  (4-0657)

「はねず」は何の花かは不明ですが、フヨウ、ニワウメ、

ニワザクラ、モクレなどが推定されています。

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