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旅限無(りょげむ)

歴史・外交・政治・書評・日記・映画

嫌な滑り出し 其の弐

2007-10-01 20:12:50 | 日記・雑学
■地震の直接被害よりも、人的な副次事故の方が心配だという有力な説も有ります。特に走行中の自動車が慌てて急停車したら……。雑踏の中で何人かがスットンキョーな声を出して走り出したら……。何よりもバカ野郎が狂言で混乱を起こしたら……。あとは4月1日に本物の地震が来ないことを祈るばかりです。そして、最も心配な係官が誤報を流さない事であります。お願いしますぞ!!

総務省は、10月1日の郵政民営化4日前の27日、郵便貯金業務をめぐり大量の顧客情報の誤廃棄や大阪の郵便局員による現金詐取が9月上旬までに相次いで発覚したことで、日本郵政公社に対し、コンプライアンス(法令順守)の徹底を図るよう文書で厳重注意した。民営化を直前に控える公社を厳重注意することで、民間会社としての法令順守態勢を強化するよう求めた。今年に入っての厳重注意は、郵貯業務と簡易保険業務を合わせると3回目。

■この種のニュースには大阪という地名が付き物になっているのでしょうか?冗談やお笑いでは済まない話ですぞ。小泉さんが意地になって「国家公務員」の身分を剥奪しようとした反動なのか、単なる個人的な素質の問題なのかは分かりませんが、民営化が責任感の喪失と同義では困ります。今年の年賀状でも廃棄や遅配など大きな問題が起こっていましたなあ。


顧客情報の誤廃棄では、公社は今月10日、全国の貯金事務センターで一斉点検した結果、計約1443万件に上ったと発表。現金詐取は大阪府高槻市の郵便局の主任が、端末機を不正操作して昨年夏から約1年で約1億5000万円を引き出したとされる。総務省は、過去の検査で情報管理や防犯施策の不備が指摘されながら、公社が適切な対策を怠った、として厳重注意に踏み切った。
9月27日 産経ニュース

■年金制度も民営化されて「ネンキン機構」なる民営化組織が生まれるそうですが、民間の保険会社が600億円も不払い保険金を隠しているのがバレたのですから、国営でも民営でもあまり違いは無いような気もしますなあ。それにしても「ユニバーサル・サービス」となると不祥事も桁違いの数になるものです。「1443」の後ろに「万」が付きますぞ。社会保険庁と競走しているわけではないでしょうが……。


厚生労働省九州厚生局の松嶋賢前局長(59)が大阪府の社会福祉法人「枚方療育園」前理事長から高級車や現金を受け取っていた問題で、松嶋前局長は1日までに、同省が懲戒処分に代わる措置として求めていた局長在職中の給与などに相当する1063万円を国庫に返納した。また、受け取った高級車と、自宅をリフォームした際に妻名義で借りていた1500万円についても、前理事長に返したと先週、同省に伝えてきたという。
10月1日 時事通信

■発足したばかりの福田内閣の中でも、税金が還流しているとしか思えない変な寄付金を貰っている閣僚がいて、首相本人も怪しい金の出し入れが有ったそうですなあ。年金問題でも、「弁済したから……」という子供みたいな理由で刑事にならずに済んでいるフザケた話が有りましたなあ。福田総理の所信表明演説でも「法律を守って」という一節があったようですが、法律自体が穴だらけの欠陥品なのですから、立法府の議員が率先して改正しなければならないでしょう。自殺に追い込まれた松岡さんも「何とか還元水」の後は「法律に則って」しか言わなかったのでしたなあ。法律がそのままなら、「返せば良いだろう!」という逆ギレ開き直りが大手を振って罷り通ります。政治家がそれで良いのなら、役人はもっと巧妙に組織的に真似しますぞ。

■法律を守るかどうか以前の問題で、組織を挙げて「隠蔽」してしまえば犯罪が犯罪にならないという恐ろしい日本の断面が露呈しております。


大相撲時津風部屋の序ノ口力士、時太山(当時17=本名・斉藤俊さん)が急死した問題で、05年秋まで同部屋にいた元力士が9月30日、同部屋のあしき体質を「告発」した。この元力士(20)は兄弟子による度重なる暴力に耐え切れず、「このままでは死んでしまう」と計3度部屋を脱走。引退が決まると、時津風親方(57=元小結双津竜)から着物代、食料費などの名目で約100万円の返還請求があったことも明らかにした。大分県出身の元力士は、03年3月に時津風部屋に入門した。時津風親方が、先代から部屋を継承して間もなくで、この元力士は同親方が入門させた「一番弟子」だった。

■「国技」だの「武士道」だのと尤もらしい事を言っている相撲界が、実際は「ごっつぁんです」の非常識な世界だというのは衆知の事実でしょう。親方にとって弟子は「我が子」だという師弟愛伝説も愛用されていますが、単なる「鵜飼制度」なのだと分かってしまいましたなあ。体が大きいというだけの理由で別世界に放り込まれた少年は、手段を選ばずに生き延びねばなりません。一人の横綱が誕生する後ろには死屍累々……。愛国主義教育の教材にはなりそうもない話ですなあ。

嫌な滑り出し 其の壱<

2007-10-01 20:12:11 | 日記・雑学
font color="#000000">■月が改まって郵政民営化が始まり、NHKのアナログ・ハイビジョン放送が終わり、福田新総理が所信表明演説をしました。でも、小泉さんが言っていた「郵政民営化」は改革の本丸で表の国家予算とは別枠の特別会計に流れ込む巨大な裏金の源泉を断つと共に、国家公務員を削減するという一石二鳥の切り札だと宣伝されていましたが、それを実施するに当たっては「ユニバーサル・サービス」を確保するという約束が有ったのでした。ですから、民営化が「分社化」に直結しているというのは話が違っているような気がします。何度も例に引かれたのが「国鉄民営化」ですが、国鉄を分社化して「切符売り」「貨物運送」「旅客運送」などと分けた訳ではありません。地域ごとにざっくりと分けてドル箱新幹線の奪い合いなどをしたのでしたぞ。

■お蔭で田舎の小さな郵便局の中には仕切りが出来たり、人数が少ないから3社に所属を分けたら人間の肉体を切断しなければならないので、泣く泣く郵便業務を隣に譲った変な郵便局が出現しているそうですなあ。民間の宅配業者に対する規制緩和を大規模に進めるのかと思ったらそうでもなく、遠い昔に輸送の中心が鉄道ではなくなったのに大都市の主要駅近くに建てたままの郵政関連の施設や広大な敷地などを売り払うような話も出て来ていないようです。型通りの「テープカット」儀式が執り行われたそうですが、小泉人気が忘れられた事を証明するようにマスコミの扱いは小さなもので、これが本当の「改革の本丸」だったのかいなあ?と真面目に事の成り行きを見守っていた人達は狐につままれたような思いなのではないでしょうか?

■その内、「郵便局難民」が中山間部の過疎地から都市部に大量に流れ込んで来たりしないか心配です。郵政が国営だった時でも、タイム・ラグの不便さに耐えていた地域はたくさん有ったのですから、地域間格差はますます広がるのでしょうなあ。田舎度を測る一つの尺度が「コンビニの有無」でしたが、これからは「郵政3事業が揃っているか?」が加わります。虎の子の郵便貯金を下ろしに馬鹿遠くなった郵便局に行く手段のない高齢者は困るでしょうなあ。始めから小額の年金を高い交通費を払って下ろしに行かねばならない人が増えますが、そこはバス路線から外れた所ですから貯金事業を捨てた郵便屋さんは恐ろしい光景を目撃することになるかも知れませんぞ。あの「郵政解散」は何だったのか、よくよく考えてみる時期が直ぐにやって来そうですなあ。

■あれこれと新しくなる中で、地震・雷・火事・オヤジの筆頭に上がる地震に関しても、何やら無気味が予感がありますぞ。


1日午前2時21分ごろ神奈川県箱根町で震度5強の地震があった。同県小田原市でも震度5弱を観測。気象庁によると、震源地は神奈川県西部。暫定値で、震源の深さ14キロ、地震の規模はマグニチュード(M)4・9と推定される。……震源地は東海地震の想定震源域である静岡県西部とは離れており、直接的な関連はない。一方、大地震の揺れが到達する前に地震の発生を知らせる気象庁の緊急地震速報は、一般向け運用開始が同日午前9時のため、作動しなかった。今回の地震では、一般向け速報の基準となる最大震度5弱を推定したのは初期微動(P波)検知から32・1秒後。箱根町や小田原市ではP波検知とほぼ同時に主要動(S波)が到達しており、運用開始後だったとしても速報が間に合わないケースだった。宇平課長は「震源地が浅い地震では震度の推定は難しい。震度推定の精度では考えていくべき部分はある」と述べた。
10月1日 産経新聞

■「10月1日から運用開始」とマスコミを上げて宣伝していたのに、本当は「10月1日午前9時」だったのですなあ。24時間戦えますか?の狂気のテレビCMが復活している眠らない国ニッポンなのですから、情報は正確に願いたいものです。それにしても、運用したところで「間に合わない」地震が初日に起こるとは、天のお告げか地の戒めか?と考えてしまいます。莫大な予算を投じているはずの新しい地震警報システムなのに……。それに加えてテレビとラジオは警報システムを採用しているのに、多くの地方自治体の有線放送装置にはつながっていないのだそうですぞ。専用受信機も無くテレビもラジオも切っていたら、何も変わらない事になりますなあ。理由は「パニックが心配」なのだそうです。東海沖地震に備えた警報システムを誤作動させた呑気な自治体が有りましたなあ。

リンチと弾圧 其の参

2007-10-01 13:18:29 | 日記・雑学

……軍政の最高意思決定機関である国家平和発展評議会(SPDC)のタン・シュエ議長の娘の豪華絢爛(けんらん)な結婚披露宴が投稿動画サイト「ユーチューブ」を通じて流出し国民の恨みを買ったが、この映像もDVBの衛星テレビでミャンマー国内に伝えられた。軍政当局は反軍政活動を取り締まることに懸命で、長井さんの射殺シーンを撮影した場所も、すでに捜索したという。DVBと密接な関係を持つNCUBはタイに逃れた少数民族組織やNLD急進派、反政府武装勢力のカレン民族同盟(KNU)などにより92年に結成された。NCUBの組織を支える国外在住のミャンマー人は数百万人に及ぶとしており、各国への拠点の拡大を図っている。マウン・ミンニョウ代表は「今回のデモを押さえ込んだとしても、いずれ同じ状況が繰り返されるはずだ」と話している。
9月30日 産経新聞

■ミャンマー政権を「情報」で攻め立てるこのような組織が頑張っているからこそ、あの呆れ果てた結婚披露宴の映像が日本でも報道されたのですなあ。噂によると、日本を筆頭に湯水のように流れ込む援助資金を食い物にしている土木業者がたっぷりと吸った甘い汁のお礼というわけで、ふっくらした御令嬢の婚礼というので、大いに張り切って賄賂の詰め合わせセットを競って送ったのだとか……。今回、長井さんを撃ち殺した鉄砲玉も、ふっくりら花嫁の前身を飾った醜悪な宝石類も、日本の税金が流用されていると思うと、馬鹿馬鹿しい気がして来ますなあ。

■ミャンマー政府と似たような立場に追い込まれているのが日本の相撲協会で、スポーツ新聞や週刊誌が中心となって「生の証言」が次々と掘り起こされて、胸が悪くなるようなリンチ殺人事件が詳細な時系列に沿ったドキュメントになり始めているようです。地獄の特訓をやらせている間に親分(親方)はゆったりと風呂に入っていたとか、口裏合わせしたり緘口令を出したり、神経質な情報操作も行っていたとか……。独裁政権やカルト宗教の親玉と同じですなあ。ミャンマーの軍事政権は、おそらく親分の北京政府からの厳命もあったからでしょうが、国連特使が来るというので、大急ぎで「平穏な状態」を演出するのに必死の模様です。日本相撲協会の方も、いろいろと美味しい特権を与えてくれている文科省に挨拶に出向かねばならなくなった途端に、朝青龍事件でも一切公式の記者会見を開こうともしなかった北の海理事長が記者に囲まれての質疑応答が実現したようです。


国連のガンバリ特別顧問が29日、反政府デモに対する軍事政権の武力弾圧が続くミャンマーに到着した。当地の軍事政権に自制を促すよう国際的な期待がかかっている。シンガポールから旧首都ヤンゴン入りしたガンバリ特別顧問は、記者団にコメントすることなく、そのまま軍政権が拠点とする新首都ネピドーに向かった。シンガポールのジョージ・ヨー外相は、ガンバリ特別顧問が反政府側と軍事政権の両方から信頼を得ており、事態解決に最適の人物だと指摘。その上で「彼でうまくいかなければ、状況は極めてひどくなる可能性がある」と述べた。……シンガポールで、国連事務総長のメッセージを軍政指導部に伝えることが今回のミャンマー訪問の目的だと説明。軟禁中の民主化運動指導者アウン・サン・スー・チーさんと会うかという質問には「面会が必要なすべての人に会うつもりだ」と答えた。
9月30日 ロイター

■民主的な選挙の結果を無視し続けている軍事政権に、どうやって「民主化」を約束させるのか興味が有るところですが、政府としては軍事独裁体制が問題ではなくて、単なる経済問題なのだから、北朝鮮と同様に国際的な経済制裁を早期に撤回して欲しい!と言い続けるでしょうなあ。原爆は持っていませんが、北京政府という後ろ盾があるので言いたい放題の八つ当たりと恥さらしの要求を並べて見せるでしょうし、国連特使の方でも双方の話を聞きに行っただけのようなものですから、スー・チーさんと会った事で満足して帰るでしょう。国際的な支援が増額されて無謀な公共料金の値上げが取り消されれば、当面の反政府運動の大義名文は崩れるという軍事政権側の目論見を追認することにでもなれば、反政府運動は地下に潜って手が着けられない事になる可能性もあり、米国あたりの諜報機関が裏から援助でも始めたら相当に陰惨な事件が起こるでしょう。

■日本政府は「人道支援」の名目で行っている援助は継続するらしいので、強硬派と先送り派とに分裂し始めた国際世論から浮き上がってしまう事になるのが心配ですなあ。ミャンマーよりもひどい独裁体制を維持している北朝鮮とややこしい交渉をしている最中なのですから、煮え切らない対応をしていると、「こっちにも人道支援しろよ!」と強要されたらどうするのでしょう?邦人ジャーナリストが射殺され、僧侶や市民を拉致したミャンマー政府に厳しい態度を見せないと「後ろから撃たれる」おそれがありますぞ。
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リンチと弾圧 其の弐

2007-09-30 18:28:24 | 日記・雑学
また、軍政の治安部隊は屋外で活動を続ける外国人記者を追い払っており、ヤンゴンの中心部には近づけない状態になっている。この2日間でニュースの伝達速度は遅くなっている。軍政の宣伝を紙面に掲載することを拒否したいくつかの新聞が発行禁止処分となった。国民は、衛星放送の海外ニュースを通じてミャンマーの状況を知っており、軍政側はこれについても目を光らせているという。西側外交筋によると軍事クーデターで1000人以上が死亡したとされる1988年にも同じような情報統制が敷かれ、武力弾圧の目撃情報が国外に漏れてきたのはすべてが終わってからだった。このため、同記者団は、ミャンマーが報道の自由を抹殺しないよう国際社会に行動を起こすよう求めている。

■プロパガンダに熱心な国は自分たちが犯した罪は小さめに、受けた被害は最大限に粉飾して宣伝するものです。北京政府も「解放戦争」「大躍進」「文化大革命」の犠牲者数を相当に小さく見積もっているのに、日本軍による犠牲者はどんどん多くなって行くようですなあ。チベット解放戦争における犠牲者数はほとんど言及もされず、人民解放軍の英雄的戦死者だけは姓名や年齢が詳細に記録されているようです。今のところ、ミャンマーでは平和的な抗議デモしか行われていないので、鎮圧部隊には犠牲者は出ていない模様です。これが「抵抗運動」「パルチザン戦」「内戦」と発展して行けば大変な事になりますが、僧侶は殺生戒を守り、抗議運動に参加している人々に対して何処かの国が武器援助をしている様子は無いので、相撲部屋の若者のように国民はやられ放題に弾圧されてしまいますなあ。


同記者団はビルマ(現ミャンマー)報道協会(BMA)と連名で日本人ジャーナリストの長井健司さん(50)が銃撃され死亡したことについて「手に持ったカメラによって長井さんをジャーナリストと識別できたにもかかわらず、兵士が発砲した」と指摘、対ミャンマー制裁に踏み切るよう日本政府に求めた。

■残念ながら日本のジャーナリズムは、特に新聞社やテレビ局のような「企業」になると、この種の運動に冷淡なのが残念です。北京政府に対しても、下手をしたら北朝鮮に対しても「提灯記事」を書いては御機嫌を伺っている所が多く、たまに何処かの新聞社の記者が国外追放になっても、他の会社の記者たちは知らん振りしているようです。欧米のマスコミではジャーナリズムを守った英雄として国外退去処分を受けて帰国する記者を所属する組織を超えて空港に出迎えるとか……。


一方、世界的人権団体「アムネスティ・インターナショナル(本部・ロンドン)」はウェブサイト上で、治安部隊が民主化デモを武力弾圧した26日の様子をとらえた動画を公開している。ヤンゴンにいる協力者が撮影したもので、整然とデモ行進する僧侶たちや混乱する民衆の表情を映しだしている。
9月29日 SankeiWeb

■こうした命懸けで撮影されて流される映像を、日本のマスコミがどこまで扱って報道するかが一つの試金石になります。射殺された長井さんが命懸けで走り回ったイラクやパレスチナなどには、日本のマスコミの特派員はほどんど足を踏み入れない所でしたし、今回のミャンマーにしても圧政の実態を詳細に伝えてくれたマスコミは皆無に等しかったのではないでしょうか?罪滅ぼしに貴重な弾圧映像を「飽きずに」流し続けて欲しいものです。見る側も辛抱強くミャンマーを忘れない事が大切でしょうなあ。


ミャンマーの民主化を訴える亡命市民らのネットワークは世界中に広がっている。「ビルマ民主の声」(DVB)は1988年の民主化要求デモに参加した元学生らが91年に結成し、92年にラジオ短波放送、2005年に衛星テレビ放送をはじめ、ミャンマー国内に民主化情報を伝えている。同様の情報はインターネットでも流す。タイに本部を置き、日米英など世界7カ国に事務所を構える本格的な反軍政組織「ビルマ連邦国民評議会」(NCUB)日本事務所のマウン・ミンニョウ代表(59)によると、DVBやNCUBはこうした映像を現地の記者やタイで訓練して現地に送り込んだメンバーに撮影させ、インターネットを厳しく規制している軍政が摘発できない特別なソフトウエアを使って、外国の拠点にネット送信させている。

■そんな特別製の通信ソフトが本当に存在するのでしょうか?逆に悪用されたら恐ろしいような気もしますが……。情報は発する者と受け取る者の間に、必ず仲介者が必要です。それが血が通っていない機械かも知れませんが、それがメディアというものです。命懸けで危険な場所から生の情報を持ち出して発信するような場合、これをきちんと仲介するか握り潰して無視するかは、それぞれの国や地域の民度に従っているような気がします。ミャンマーの僧侶が酷い目に遇っているというのに、日本の仏教界は動きが鈍いようですなあ。オウム真理教事件の時をちょっと思い出したりもします。

リンチと弾圧 其の壱

2007-09-30 18:23:59 | 日記・雑学
■時津風部屋で起こったリンチ殺人事件は、(酒乱気味の)親方による専制体制の中で行われた随分と陰惨なものだった事が徐々に明らかになって来たようですなあ。直接手を下した兄弟子たちは、大喜びでやったのか嫌嫌ながら親方の命令に従ったのかは分かりませんが、ヤクザ映画そのままにビールの空き瓶で額を殴打した上で、三白眼で周囲に目配せでもしながら言ったのか「かわいがってやれ。お前らもやれ!」などと恐ろしい命令を下していたとか……。入門して3ヶ月の17歳少年はさぞや怖かった事でしょう。「部屋」に就職したつもりだったのに、中に入ってみたら「組」だったようなものですからなあ。いっその事、「部屋」の看板を下ろして大紋入りの「組」看板にでもした方が分かり易いかも?

■無抵抗の相手を圧倒的な権力と武器によって攻めるという点で、時津風部屋もミャンマー政府も似たようなものです。ジャーナリストの長井さんは至近距離から小銃で狙い撃ちされましたが、斉藤君は目の前に座っている親方が握ったビール瓶で……。噂によるとミャンマー国軍の制圧部隊の中には刑務所から引っ張り出された凶悪犯の一団が混ざっているとか……。一生懸命に弾圧を手伝ったら減刑されるという条件だそうです。まるで1945年の夏の満洲ですなあ。降伏寸前の大日本帝国に襲い掛かったソ連兵の多くは、正規軍が欧州戦線で手一杯だったので、相当数の囚人が満洲戦線に送り込まれたとか……。

■囚人を最前線に投入して効果を発揮したのは中越戦争の国境突破作戦も同じだったそうですなあ。刑務所から引っ張って来た囚人に隊列を組ませて地雷原を疾走させたとかで、後ろには人民解放軍の精鋭部隊が隊列を乱して逃亡する者を背中から狙撃することになっていたとも言います。運良く地雷原を生きて通過したら減刑されるという究極のロシンアン・ルーレットを繰り返して、ベトナム軍の予想を遥かに上回る早さで国境線を破って侵攻したのでした。子分のミャンマーはそのような歴史を正しく学んでいるようですなあ。

■お坊さんに対する乱暴な扱い方もラサ暴動の時とそっくりなようですから、拉致された皆さんの生死が非常に心配です。社会主義を名乗る政府は宗教者に対して徹底的に残虐に振舞えるイデオロギーを装備しているので、容赦がありませんからなあ。


世界のジャーナリスト有志が参加する「国境なき記者団」(本部・パリ)は28日、ウェブサイトで、ミャンマーの軍事政権がインターネットを遮断するとともに、新聞の発行を停止、外国人記者を監視下に置くなど、情報統制を敷いたと伝えた。……ミャンマーでは28日午前11時からインターネットが一斉に遮断され、インターネットカフェもすべて閉鎖された。国営のインターネット接続業者は「水中のケーブルに技術上の問題が生じた」と説明している。ロイター通信が電話で接続業者に問い合わせたところ返答がなく、ヤンゴンの市民は接続業者の説明について「ばかげている」と話している。

■情報封鎖は圧政には欠かせない道具ですから、IT技術だろうと最先端の通信機器だろうと無造作に配線を引きちぎったり切断してしまえば機能は一瞬で消失します。ビデオ・カメラを構えていたジャーナリストを至近距離から一発で胸を撃ち抜いて見せたのですから、仮に僅かばかりの通信回線が生き残っても、肝腎のソフトが無いという事になります。第二次天安門事件では、CNNテレビが粘り強く映像を流していましたが、それを許した事を大いに後悔している人民解放軍がミャンマーを指導しているようですから、水も漏らさない情報遮断が行われているのでしょう。

何と言う一日だ! 其の弐

2007-09-13 12:36:32 | 日記・雑学
■このところ、『教育漂流中』というシリーズを掲載中ですが、教育再生を掲げていた安部首相が突如として辞任した日に、ダメ教師追放の実態が明らかになりました。

2006年度に都道府県と政令市の教育委員会から「指導力不足」と認定された後、依願退職などで教壇を去った公立小中高校などの教員は115人で、過去最高だったことが12日、文部科学省のまとめで分かった。教員採用試験に合格したものの、1年間の試用期間中に「不適格」と判断されたり、病気になったりして正式採用に至らなかった人も6年連続で増え、過去最高の295人だった。文科省によると、04、05年度にそれぞれ500人を突破していた指導力不足教員は、06年度は450人(前年度比56人減)で、2年連続で減少した。具体的には、学習指導計画が自分で立てられない教員や、ムダ話が多く教科書に沿った指導ができない教員などのケースが指摘された。
9月12日 読売新聞

■「教員採用試験」を実施している自治体の責任問題が捨象されているのが気になります。コネや情実採用が多いとの噂が絶えない教員採用制度ですから、たった1年で化けの皮が剥がれ落ちる程度の人材を採用しているのが不思議でしょうに!ダメ教師は昔も居たのでしょうが、目に余る困ったセンセイが増えたと言われるのは、公務員の安定した身分を求める若者が増加し、それに応じて無茶な採用を裏から手を回して無茶な人事を続けていた結果なのではないでしょうか?だとすれば、教育再生はダメ教師を排除するだけでは進まない事になります。このまま地方分権の流れが進めば、この問題はどんどん深刻なものになる可能性さえ有りそうですなあ。


オウム真理教の麻原彰晃死刑囚(52)=本名・松本智津夫=の四女(18)の未成年後見人に選任されていたジャーナリストの江川紹子さんが12日、後見人の辞任許可申立書をさいたま家裁に提出した。江川さんによると、4月に後見人になってから、四女に生活費や住居を提供するなどの支援を行ってきたが、四女の麻原死刑囚を「グル」とあがめる気持ちが深まり、7月末に住んでいた場所を飛び出して音信不通になっているという。

■オウム事件は、宗教の問題だけでなく、日本の教育問題と防衛問題でもありました。史上初の都市型テロ事件だったのに、日本の政府も国民もその深刻さを自覚していないようなのが気になります。事件直後に欧米からは大型調査団が続々と来日して綿密な資料を持ち帰ったのですが、日本ではテレビ業界を中心にしてテロ事件が起こる直前まで、テレビの玩具にしてさんざん利用していたので、オウム教団が吉本興業と同業者のような印象が強過ぎて、事の重大さが見えて来なかったのかも知れませんなあ。


江川さんは後見人辞任を申し立てた理由を、「教祖の後継者との自覚で行動している者を支援するわけにはいかない」としている。江川さんは、四女が昨年7月、「家族や教団の束縛から逃れたい」とメールで相談してきたことがきっかけとなり、後見人を引き受けていた。
9月13日 産経新聞

■拙著『チベット語になった「坊っちゃん」』でも、オウム真理教が悪用したチベット密教に関するコメントを書いておきましたが、日本仏教の特殊な歴史的事情から、心の隙を衝かれたら非常に脆(もろ)い面が有るのは、今も変わっていません。公共の電波で占いやら霊視やら、怪しげな話を垂れ流す珍しい国ですから、欧米でカルトとテロに対する厳しい警戒感は他人事なのでしょうなあ。オウム真理教自体は分裂しながらも、麻原教祖がひねり出した奇怪な「救済」話を大切に伝承して守っているようですし、新たな若い信者が徐々に増えているとも言われています。江川さんは、オウムを否定するだけでは問題の解決にはならない、という意見を持っていて、脱会後の援助が必要だと主張し実践もしていたのでしたが、残念な事ですなあ。これも忘れ去ってはいけない話であります。

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何と言う一日だ! 其の壱

2007-09-13 12:35:53 | 日記・雑学
■何という日なのでしょう!日本の総理大臣が遅すぎた辞任をした事など、どうでもよい事ですが……。「美しい国」などは誰も覚えていないのですから問題外として、環境問題で主導権を取ろうとした洞爺湖サミットはどうなるのか?ブッシュの戦争に積極参加した給油支援はどうするの?などなど、対外的な「難問」は残っているし、年金問題への対処、拉致問題など国内向けに約束していた課題も放り出しての辞任ですから、要するに実に皮肉なことながら、安倍さんは「参議院選挙に惨敗するため」に自民党総裁に就任したようなものです。選んだのは誰だったのでしょう?小泉チルドレン議員は、自分達が「使い捨てにされる!」と今更ながらに危機感を募らせて、オトウチャンを担ぎ出そうと右往左往しているのだとか……。当選した瞬間から「使い捨て」だとの自覚が無かったことの方が驚きですなあ。タイゾー君は何をしているのでしょう?

インドネシアのスマトラ島南部のインド洋沖で12日午後6時10分(日本時間同8時10分)ごろ、大きな地震があった。米地質調査所によると、震源地は同島南部の沿岸都市ブンクルから南西130キロの沖合で、震源の深さは30キロと推定される。太平洋津波警報センターによれば、地震の規模はマグニチュード(M)8.2。……同センターはインド洋沿岸の広範な地域に津波警報を発令した。またマレーシア気象局はマレー半島北西部4州に津波警報を出した。インド当局も沿岸全州とアンダマン・ニコバル諸島に津波警報を発令。スリランカ当局も警報を出した。 
9月12日 時事通信

■一夜が明けた本日も、M7・8の特大余震が発生したそうです。度重なるインドネシアの大地震は、世界一の火山集中地帯であるだけに、第二のクラカトウ火山の大噴火が心配です。万が一、本物の大噴火が起こると、異常気象が数年間も続くと言われていますから、地域紛争やテロなどが増加し、何処かで本格的な生存のための戦争が起こる恐れがあります。最大級の火山が爆発したら、膨大な灰が成層圏にまで吹き上がって太陽光線を遮りますから、原子力発電が大好きな人達が騒いでいる「地球温暖化」の問題は瞬時に消滅?寒冷化と食料不足が大問題となることでしょう。「洞爺湖サミット」の議題が京都議定書とはまったく逆の内容になるかも?それに、南方での近く変動が日本の関東と東海で心配されている大地震に影響を与えるのかどうか、早急に調べて欲しいものですなあ。東京直下型が起こったら、総理大臣の5人や10人が辞任するよりも大変な事態になりますぞ。

■国内では秋田県で発生した子殺し裁判が始まった日でもありましたが、同日の新聞紙上では乳幼児の死亡率が地域間で大きく異なっているという恐ろしい話が報道されていましたなあ。その記事によりますと、最悪なのは琵琶湖を抱えた滋賀県で、最良なのが玄界灘を臨む佐賀県なのだそうです。奈良県の妊産婦さん達が酷い目に遭っているという話が出たばかりでしたが、滋賀県にこんな側面があるとは知りませんでしたなあ。やはり、大きな湖を囲む地勢が搬送に障害になっているのでしょうか?報道によると、何処も理由は同じで「医師不足」なのだそうですから、この大問題に関しては厚労省と文科省と法務省がしっかりと連携して対処しなかったツケが廻って来ている事が判明しているのですから、次の内閣にはマトモな仕事をして欲しいものです。

■安部首相が辞任した理由が「対テロ戦争」に参加出来なくなるから、という事だそうですが、米国がアフガニスタンで使っている化け物爆弾がロシアでも造られたのだそうです。米国製は「デジー・カッター」と呼ばれていますが、原爆並の破壊力が自慢だそうで、核兵器でなければ使い易い?と物騒な事を考えている人もいるらしいですぞ。米ソ冷戦時代から、米国が作った物は、何故か数年後にはソ連にも現われることになっていますが、この爆弾もロシア・オリジナルではない可能性が高いのでしょう。


ロシア空軍参謀本部のアレクサンドル・ルクシン次長は11日、露テレビ局「第1チャンネル」の番組で、通常兵器では世界最大の破壊力をもつ「真空爆弾」の投下実験に成功したことを明らかにした。米軍がアフガニスタンのタリバン掃討作戦などで使用した燃料気化爆弾と同型の兵器とみられる。東欧諸国へのミサイル防衛配備計画を進める米国や欧州諸国への対抗措置として、ロシア軍の攻撃能力を誇示する狙いがある。

■レーガン大統領とゴルバチョフ書記長の時代に、欧州を舞台にした核戦争を回避する約束が出来たのは昔の話で、あの時は「中距離核ミサイル」が中心課題でしたが、今度は長距離爆撃機から投下される化け物爆弾が焦点になるかも知れません。歴史的事実として、米国が作ってソ連が真似をした後、必ず中国が同じ物を作るという連鎖が有る事を忘れては行けませんぞ。


テレビでは、戦略爆撃機Tu―160が爆弾を投下し、爆発が起きる模様が放映された。ルクシン次長は、米軍の同型兵器に比べ、「爆薬は少量で、破壊力は4倍」「核兵器を持つような効果がある」と威力や抑止力のメリットを並べた上で、「国家の安全を守り、いかなる状況、場所でも国際テロに対処できる」と実験の目的を説明した。
9月12日 読売新聞

■「国際テロ」に言及しているのですから、最初に使うとしたらチェチェンになるのでしょうか?自軍の兵士が戦死しないように、高空からこの種の爆弾が落とされるようになったら、多数の民間人が巻き添えを食ってしまう危険が増しますなあ。北朝鮮の核爆弾さえも止められなかった国連ですから、この新型爆弾も世界中に拡散して行くのは目に見えています。今のところは米ロ両国は「対テロ戦争」で協調しているようですが、ロシアの巻き返しの速さには要注意であります。

褒められたい! 其の弐

2007-09-11 00:31:12 | 日記・雑学
■やはり、「自分を褒めてあげたい」という表現は、アトラン五輪の思い出に封印しておくべきものだったのではないでしょうか?これが誤用されると、「今、褒められたい!」「自分だけ褒められたい!」と暴走してしまい兼ねませんからなあ。「秘すれば花」という日本文化とは相容れない異質な表現だと考えるべきでしょう。マスコミばかりでなく、政治家も「今度の選挙」だけしか眼中に無い人種ばかりになって、あっちでもこっちでも「今、褒められたい」人だらけになると、社会は殺伐として来るでしょうなあ。

京都府と神奈川県で1月、親類2人を殺害して現金を奪ったとして、強盗殺人罪に問われた無職松村恭造被告(26)の初公判が10日、京都地裁(増田耕児裁判長)で開かれ、同被告は「殺したことは認めるが、金取り目的は全面的に否認します」と述べ、起訴事実を一部否認した。

■戦後の高度成長期に乗り損ねた永山則夫という青年が、奪った拳銃で無差別殺人事件を起こしたことがありましたが、彼は刑務所に収監された後で読書に励んで『無知の涙』というマルクス主義哲学を見事に消化した分析的な著作を発表して印税を被害者家族に提供したのでした。当時の日本は、貧困が学問から若者を遠ざけてしまう悲しい状況があちこちに残っていたのでした。学校に行きたくても行けない子供たちは世界中に山ほどいますが、ほんの半世紀前までは日本も同じでした。やっとそんな状況を抜け出してみたら、目の前に立派な学校が建っていても、「不登校」に陥る生徒が続出するのですから世の中は上手く行きません。

■今回の村松被告が手に掛けたのは親族だけでしたから、縁もゆかりも無い人には小さな救いになったのかも知れません。でも、彼の怒りや悲しみを理解するのは非常に難しいのであります。


松村被告は罪状認否で「罪を重くするために金品を奪った」と陳述。「いやな出来事や理不尽な思いを振り返ると、人殺しくらいやって当然という思いに駆られた。自分で自分を褒めたい」と述べ、約5分間持論を展開した。検察側は冒頭陳述で、被告が伯母の岩井順子さん=当時(57)=に金を無心したが断られ、以前から抱いていた悪感情も重なり、殺害して金品を奪おうと企てたと指摘。岩井さん殺害後、東京都内の風俗店で奪った金を使ったことを明らかにした。祖父の弟だった加藤順一さん=同(72)=殺害についても、金品を奪う目的だったとした。一方、弁護側は被告の罪状は殺人の範囲で、強盗殺人は成立しないと主張した。 
9月10日 時事通信

■山口県光市の母子惨殺事件にしても、法定で争われる内容が余りにも殺伐としていて、弁護士業界では「死刑」になるかならないかが大問題なのでしょうが、犯罪者としての情報収集能力や度胸?の点で大教大付属池田小事件の宅間守(当時37)ほどの徹底的な反社会性も感じられない親戚殺しの悲しい内輪揉めに収まる話のようですなあ。少しばかり、身内という事で甘い顔をしたばかりに逆恨みされてしまった被害者はお気の毒としか言いようが有りませんが、二人目の犠牲者は犯人が自分の命を計算して、親族二人分と割り出した結果の殺害だったとしたら、ますます日本社会は生き難いことになりそうです。両親と折り合いが悪くても、親戚の中に理解者がいて、時間的な猶予を与えてくれるのは実に有り難いことでしょうに!

■人殺しが「功徳」になるとか、ポワの一貫だと言い放ったのは麻原教祖ですが、あのオウム事件に関する報道がどこか中途半端で終わっているのが気になります。「死んだ」はずのTBSは今でも元気ですし、麻原教祖を利用して大儲けした人々が、何事も無かったようにマスコミ界で活躍しているのも解せませんなあ。バブル崩壊後に起こったあの大事件が残した影響力を甘く見ているのではないでしょうか?「人殺しは良い事だ」と言い切った人物を教祖に祭り上げて「自分探し」の終局点にしてしまう若者が消えず、神戸市で親交のあった小学生の首を切断してしまった犯人を新たな教祖にしてしまっている者が残っている間は、「自分で自分を褒める」ための理不尽な殺人事件が続発するのでしょうなあ。

■社会全体を引っくり返す革命運動の根は枯れてしまいましたが、小規模なテロを実行して自己満足するための方法と動機はどんどん増えているのですから、少なくとも、「褒める」主体は他人なのだと再確認すると同時に、世間を学んでいる世代にもしっかり教えた方が良いでしょうなあ。でも、その教材になる手本があまりにも少ない!歴史を学ぶ楽しさは、歴史観が変わって悪役だった人物に新たな評価が与えられたり、誰も知らなかった事実が発掘されて「褒めてあげたい」人物が発券されたりする事です。やはり、もう少し柔軟で懐の深い歴史教育が必要なのかも知れませんなあ。マルクス史観が破綻したのと同時に、皇国史観も改めて否定される時代に入っているのですから、1年に1冊だけ消化する歴史教科書などを材料にして大騒ぎしている場合ではないのかも知れませんぞ。

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褒められたい! 其の壱

2007-09-11 00:27:01 | 日記・雑学
■「自分を褒めてあげたい!」と叫んだのは、アトランタ五輪の女子マラソンに出場して2度目の銀メダルを手にした有森裕子さんでしたなあ。確か、その年の流行語大賞を受賞したのではないでしょうか?ちょっとイジケていた日本人は、「誰も褒めてくれないから……」という枕詞を付けてこのフレーズをパロディに愛用したものでした。これが時代が下ると、「褒めてよ!」と相手に強要するような台詞に変わります。テレビと映画で大人気になった不思議なアニメ作品『エヴァンゲリオン』の主人公だったシンジ君の絶叫でした。

■「自己実現」という意味がよく分からない英語から直訳された変な日本語が氾濫した時代とも重なる奇妙な現象でしたが、この用語は内包する意味を確認する暇も無いままにビジネス会話に定着してしまったようですなあ。サッカー選手の中田君が「自分探しの旅」に出て、その途中で横綱の朝青龍を誘ってチャリティ試合をやって大騒ぎになったのも、この「自己実現」ブームの残滓みたいなものでしょう。仏教的に考えれば、「自己は存在しない」という原点が確認されなければならないのですが、日本には仏教の教理が根付かなかったらしく、西洋から「自己」「個性」「私」が近代的な国づくりの大混乱の中で輸入されると、大急ぎで大発掘を始めたのでした。明治から大正にかけて、「私」を掘り出して文章化しようと大変な努力が払われて、続々と名作文学が生まれたのでしたが……。軍隊が暴走する時代がそれらを「軟弱だ!」と切り捨ててしまったので、ちょっとした空白期が有りました。

■それが、戦後の米軍による占領時代の「民主化」で再燃しまして、欧州とは随分と毛色が違ったアメリカン・テイストの「私」が日本中に広まったようです。若々しく猛々しい米国産の「私」には、未熟な幼児性も多分に混入していた事が、敗戦から60年も経過してから現われた大統領が身を以って証明してくれた次第で、敗戦の動乱の中でアメリカン・ドリームに憧れて過ごした多くの日本人は、今更ながらに「騙されたのかなあ」と思っているのかも知れません。

■日本の茶の間、それも上座を占拠して久しいテレビは、視聴率という褒められた「証拠」を分刻みで争い、毎朝届く新聞も発行部数に手段を選ばない競争を続けています。あれもこれも、結局は弱肉強食の競争だ!と断じた小泉政権が異様な人気を博したのも根は同じで、さっさと勝ちを収めるのならインサイダー取引だろうと、年金積立金のちょろまかしだろうと、早い者勝ち!という話になります。ホリエモン君も、多くの人に「褒められない!」と強く願ったからこそ、薄っぺらな自慢話を並べた本まで出版したのでしょうし、そんな風潮の権化だった竹中平蔵さんも、敵前逃亡をした身で平気な顔をしてテレビに出て来てちょっとした御意見番を演じているようですなあ。爺さん譲りの喧嘩の天才に恵まれた小泉さんは、山のような負の遺産を非力な安部首相に丸投げしておいて、自民党の存亡が懸かった大騒ぎを他人事みたいに衆議員の一番奥の議席から見下ろしているようです。

■小泉さんも「褒められたい!」という強烈な情熱を持った人だったので、政治家にとって最高の「褒められた」証拠である支持率を上げるためなら、何でもやったのでした。「終戦記念日の靖国参拝」という総裁選挙を勝ち抜いた切り札となった公約を破っている事を、見事に国民から責められない工夫を積み重ねて2期務め上げたのは大したものです。でも、逆に言えば、誰がその高支持率を支えたの?という深刻な疑問は残るわけですが……。


昭和を代表する数々の歌謡曲を世に送り、8月1日に70歳で亡くなった作詞家・作家、阿久悠さんをしのぶ「阿久悠を送る会」が10日、東京都千代田区で開かれた。尾崎紀世彦さん、八代亜紀さんら多数の歌手をはじめ、星野哲郎さん、秋元康さんら音楽関係者、一般ファンを含む約1200人が参列した。
9月10日 毎日新聞

■阿久悠さんほど、「褒められたい」などという軟弱で卑怯な台詞と無縁な人は居なかったかも知れません。常に「問題作」を世に問い続けて時代と格闘した人ですから、当面は袋叩きに遇っても、やがて時代が流れすぎたら「ああ、そういう時代だったなあ」と誰でも気が付くさ、という恐るべき度胸と自信が溢れている人だったようです。勿論、そのためには感性を研ぎ澄まして世の中を見て歩き、その情報収集に費やした努力は驚異的なものだったはずです。阿久悠さんを偲んで集まったのは、たかだか1200人の関係者ですが、後々、戦後日本の歌謡史は「美空ひばりと阿久悠」という巨大な区画で語られるに違いありません。御本人が「心の玩具箱を引っくり返した」と言う、一見子供騙しのような作品群も、1970年代後半を象徴する恐るべき武器となることでしょう。

世界陸上という空騒ぎ 

2007-08-21 22:41:57 | 日記・雑学
■「サスケ」とかいう危なっかしい事を素人にやらせる番組を製作しているTBSテレビが大いに宣伝している「世界陸上」イベントが近付きました。報道番組なのか宣伝なのか区別の付かない番組編成をして強引に盛り上げているつもりなのでしょうが、来年は北京五輪なのですから、その前年にサーカス仕立てのスポーツ・イベントを、わざわざ残暑厳しい大阪まで見物に行く人がどれほどいるでしょう?TBSが願って止まない高めの視聴率は期待できるかも知れませんが、開催地の大阪市としては現金収入を当て込んでいるでしょうから、「また借金を増やすのか?」と有権者から突き上げられるのは目に見えていますなあ。

陸上の世界選手権大阪大会の前売り入場券販売が伸び悩んでいる。国際陸連のディアク会長も危機感を募らせて来日を早め、21日には当初予定になかった記者会見を申し入れ、大会組織委員会の河野洋平会長、関淳一大阪市長とともに大会の盛り上げを訴えた。ディアク会長は来日直前、13日付で関市長あてに文書を送っていた。その中で「現時点の売り上げ水準では、市と日本陸連の双方にとって不本意であろう力不足との印象を生みかねない。明らかに否定的影響をもたらし、または大会の成功を危うくする可能性もある」と強い表現で警告した。 
8月21日 時事通信

■何とも愛想の無い「直訳」報道ですが、「力不足」「否定的影響」「大会不成功」などと連打される直截な表現は、直訳の方がディアク会長の怒りがよく伝わっているようです。それにしましても、大会組織委員会長が河野洋平さんだというのは初耳です。一体、どういう人選なのでしょう?まさか、悪評ふんぷんの外務大臣時代の「功績」やら、今の衆議員議長という重責?から選ばれたのでしょうか?生体間肝臓移植で生き延びた方でもありますから、あまり世界のアスリートを迎えるイベントには不向きなのではないでしょうか?医療関係の国際会議なら打って付けかも知れないのに……。その横に大借金を造った関市長の名前が並ぶと、それだけで無駄な公共事業の臭いが漂いますなあ。


25日に開幕する陸上の世界選手権大阪大会を前に、同大会組織委員会の河野洋平会長(日本陸連会長)、国際陸連(IAAF)のラミン・ディアク会長、関淳一大阪市長が21日、大阪市内で記者会見し、準備状況や大会成功への抱負を語った。河野会長は「競技場(長居陸上競技場)のグラウンドは最高の状態。参加選手すべてが自己ベストの記録を出せる可能性がある。必ずや大阪でいい大会ができると確信している」と強調。関市長は「関西圏の小中学校約700校、約5万人の子供たちを無料で招待する。子供たちの心に何かを残すことと、選手に最高の舞台を用意することの2点に集中してやってきた」と話した。前売り入場券の販売が伸び悩むだけに、ディアクIAAF会長は「できるだけ多くの人に競技場へ足を運んでもらいたい」と期待した。8月21日 時事通信

■河野さんの「確信」など、誰が信じるでしょう?皆が忘れている新自由クラブの独立騒動から、自民党総裁選挙の大コケ劇、緊急着陸した台湾の空港で飛行機から一歩の降りずに頑張った「武勇伝」を北京で披瀝する外交センス……。「グラウンド状態」が最高なのは当たり前の話でしょうに?!他の大会ではコンディションが悪いとでも言うのでしょうか?要するに客寄せに役立つネタが何も無い、というだけの話でしょうなあ。同じ与党の大物?を招聘するのなら、跳んだり跳ねたり出来るイキの良い人に頼めば良かったのに!タイゾー君とか……?どうせ吉本興業を宣伝に動員しているようですから、似たようなテイストで……。

■このまま厳しい残暑が続けば、河野会長が「確信」している高成績や世界記録など絶対に無理でしょう。妙な軍隊精神で我慢を強いる朝日新聞主催の甲子園大会とは違いますから、世界のアスリートはコンディションにうるさいはずです。まさか、灼熱の甲子園大会の地獄を世界から呼び集めた名選手にも押し付けようとでも思ったのではないでしょうな?!関市長の「無料で招待」という言い方も笑えます。要するにバッタモンの処分でしょ?もう、入場券はゴミになっているという証拠を自分で表明しては行けませんなあ。足元を見られまっせ!

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不如意を考える 其の伍

2007-08-11 07:26:59 | 日記・雑学
■朝青龍が最高位を極めようとした主な動機は、相撲界で最高の収入を得たかったからでしょう。取り組みでの気迫や勝負に対する執念が、最初は新鮮に見えて拍手を送っていた相撲ファンは、日本人にも同じ根性を求めたはずです。しかし、金銭感覚がまったく違う両者が、同じ気迫で勝負をするはずはありません。懸賞金や報奨金だけを考えても、一方の力士にとっては莫大な投資資金なのに、片方の力士にとっては「お小遣」ならば、勝利に対する執着心はまったく違って来るのは当然です。極端な言い方をすれば、一方は現役ばりばりの事業家として投資資金を土俵で稼いでいて、片方は現役引退後の親方株入手をぼんやりと考えていると想定すると、まったく違う二つの「人生設計」が激突しているようなものです。

64年に一人入門したハワイ出身の東関親方(元関脇・高見山)が、涙を流しながら異国の厳しいけいこや伝統を体に染み込ませたのとは、全く異なっているのが現在の相撲界だ。朝青龍が賞金を受け取る際に左手で手刀を切って注意されたり、先代高砂親方の葬儀を無断欠席するなど「日本流」とそぐわない行為が目立ったのも、教育不足が原因だ。
 
■マナー上の右と左の区別も、恩人の葬儀も、決して「日本流」ではないでしょう。外国人だから、モンゴル人だから、と変なところに線を引いてしまうのは間違いの元でしょうなあ。力士生活がもっと大きな事業の一部でしかないなら、時間の使い方が周囲と違うのは当然でしょうし、稽古や冠婚葬祭よりも大切な「商談」や交渉事が有れば、事業家としてはそちらを優先する場合が有るでしょう。最初のモンゴル力士だった旭鷲山が、下位・中位をうろうろしていた時期に、祖国では地平線の向こうまで広がる土地を購入していたり、家族名義で事業を興していた事を、あまり日本のマスコミは報道しませんでした。その後も旭鷲山はこつこつと相撲で得た収入を祖国に投資して事業をどんどん拡大して行ったのでした。政治家や富裕層との関係も深くなり、投資家や金融機関も寄り集まって、とうとう、新聞社・テレビ局まで傘下に収める巨大な企業を育て上げてしまいます。

■日本人力士の中で、そんな大事業を興している者は居ないでしょうし、似たような計画を心に持っている者も居ないでしょう。両者の人生において相撲が占める割合がどんどん広がって行くのを、相撲協会が看過していた事が問題だったのかも知れません。乱暴な比喩を使えば、嫁不足を解消しようと貧困に苦しむ国から女性を招いた或る農村で、妻となり母となる内に田畑を売り払って祖国に送金してしまったり、最悪の場合は保険金殺人まで起こしてしまう悲劇に似ているような気もします。安易に外国人力士を呼び込む前に、「国技」が衰退して行く真の原因を究明して対応策を考えるべきだったのでしょうなあ。

 
……処分直後、高砂親方は「本当は首根っこを捕まえてでも(朝青龍を)引っ張り出したいが、オレが自宅に行けばまた騒ぎになる」となかなか腰を上げなかった。弟子に遠慮して面会の了解を取り付けるのに時間がかかり、処分を納得させたり、励ましたり、という師匠の役割を果たせていない。
8月10日 毎日新聞

■もう御仕舞いです。高砂親方は一度も朝青龍の「首根っこを捕まえ」た事もないし、既に大実業家に成長してしまった横綱に指一本触れることも出来ませんし、小言の一つさえ聞かせる力も無いはずです。朝青龍にとって相撲部屋は横綱になるための道具か通過点でしかなかったでしょうし、日本も相撲も大金を祖国に持ち帰るための手段でしかなったようです。今回のサッカー不祥事が、中田ヒデ君との交際が発端になっている事を想起しますと、サッカーや野球の有名選手達が手にしている莫大な収入に比べて、横綱の稼ぎはあまりにも少ないのは事実です。裏金疑惑が時々噂にはなっても、皮肉な名前の「長者番付」という高額納税者の上位者が公表されていた頃でさえ、スポーツ選手のリストに関取衆の名前は出た事はなかったはずです。リストに載る可能性が有ったのは、現役力士ではなくて親方株の取り引きをした年寄りだけだったでしょう。

■バブル時代を経験してしまった日本では、20代の若者が100億円だの500億円だのという天文学的な収入を得ても驚かれなくなりました。スポーツ界でも、松井・松坂・イチローなどの有名選手の周りで動く莫大な金額が報道されても、「国技」を支えている力士達の収入と比較する事は有りません。金銭に関する生臭い話を避けて、「伝統」「国技」「武士道」などの精神論とすり替えるのも、もう限界なのではないでしょうか?朝青龍は自分を最も優秀なアスリートの一人だと思っているはずです。彼の本音は「名誉」に見合う「収入」が欲しい!という事ではないでしょうか?それを武士道で説き伏せるのは容易なことではありますまい。それは、少なくなった日本の子供達が、野球やサッカーの選手に憧れても、相撲取りになりたいとは思わないという現実に直結する問題でしょうなあ。

■「人間にはカネよりも大切なものが有る!」と胸を張って断言できない空気が満ち満ちているのが今の日本ならば、あれこれと窮屈な規制が設けられている「国技」には、それ相応の経済的な裏付けが必要だという頃になりそうですなあ。相撲文化が完成を見た江戸時代には、相撲興行は巨大な男達が繰り広げる最も面白い見世物だったようです。その頃、「一年を20日で暮らす良い男」という川柳が出来たのでしょう。春場所10日間と秋場所10日間だけで、ゴッツァン生活が可能だった時代が長く続き、69連勝という大記録を作った双葉山の時代も同じでした。場所の数が増え、今回の大騒動の元となった地方巡業も増え(勧進元の激減で今は減っているそうです)たのに、子供達が憧れるような「良い男」の暮らしが増えているのか?という現実的な問題が有ります。

■本当に「国技」の発展を考えるのなら、朝青龍が身を以って抉(えぐ)り出した相撲界の短所や欠陥を早急に点検して「改革」を決断すべきでしょうなあ。日本の米作りと相撲は、零細企業の職人に続いて「後継者不足」で滅んで行く事は明らかなのですから、次の理事長には親方株など持たない身軽で斬新なアイデアを持っている人を選んで欲しいものであります。朝青龍の時代が終わるのは避けられそうもありませんが、今回の大騒動から何も教訓を得られないのなら、相撲自体が終わる時代がやって来るような気がします。
オシマイ

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不如意を考える 其の四

2007-08-11 07:26:28 | 日記・雑学
……04年に横綱審議委員会から礼儀作法について指摘を受けた後も、陰では「世間からいろいろ言われるが、じゃあ本場所の土俵は誰が支えているんだ。一人横綱の苦労が分かるのか」と本音を漏らした。優勝を重ねるに連れてその態度を注意する者が少なくなると、「強ければ少々度を外しても謝れば何とかなる」という甘えが大きくなった。一方で、繊細な一面も持ち合わせている。横綱になり立ての時には円形脱毛症になった。その後、記者に対して「周囲の声を気にしているんですよ、意外でしょ」と語り、自分に関する新聞記事をインターネットでチェックしていることを明かしたこともある。現在も強気と弱気が胸中で交錯しているようだ。

■朝青龍には、もっと単純な経済問題が関係しているようです。A.S.A.という名前のコンツェルンを作って、観光・ホテル・サーカスなどの事業を傘下に収めて今でも成長している最中だとか……。今回の無断帰国も、サッカー大会に参加や怪我の治療などよりも、やり手のビジネスマンと連れ立って商談やら利権漁りやら、財閥総帥としてスケジュールがいっぱいだったようですぞ。そうなると、親方株がどうしたの、相撲協会に天下るにはどうするだの、ちゃんこ屋を経営するだの、まったくスケール違う実業家・朝青龍の姿が見えて来ますなあ。


引きこもり状態が長引き、周囲には「いったんモンゴルに帰国させては」の同情ムードも出てきたが、日本相撲協会幹部の間には、それを許さない意見が強い。北の湖理事長が近く帰国容認の決断をするとの観測が流れた8日のこと。ある協会幹部が高砂親方に詰め寄り、「(謹慎は)もう理事会で決めたこと。あとは師弟の問題だ」と、理事長への帰国要請をしないようクギを刺した。……処分を決める前日の先月31日にも、複数の巡業部幹部が北の湖理事長に長時間詰め寄り、「このままでは名門・高砂の名が汚れる」などときつい言葉で厳罰を要請した。……

■確かに、理事会の裁定は下っているのですから、その指示に従うのは朝青龍の義務ですし、高砂親方は本人が裁定内容をしっかり理解して反省・謹慎・謝罪など「相撲道発展」のために模範となれるよう、その行動を指導する役割を担わねばなりません。しかし、国民の目に映るのは、部屋と力士・師匠と弟子・協会と親方、それぞれの関係が歪み、捻れ、途切れていることを示すだけの異様なドタバタ劇ばかりです。本人は裁定に納得していないどころか、まったく問題点を理解していないようですし、高砂親方の方も、自分が親方として振舞えなくなっている事を認めたくない様子ですなあ。

 
……現在、外国人出身関取は19人、学生相撲出身は25人。合わせると全関取70人の6割を超える。番付上位は外国人が占め、師匠には高砂親方を含め学生出身者が増えてきた。彼らは入門後の出世が早く、下積みが短い。師弟間に言葉の問題も横たわる。「国技」としての伝統継承が難しく、たたき上げの親方の中には「師匠というより(大学相撲部の)監督の感覚」と評する人も。

■数日間の醜態を見ていると、高砂親方は運動部の「監督」でさえもない事が分かります。高校や大学の運動部には、今でも強い絆で結ばれた師弟関係が行き続けているのではないでしょうか?アマチュア・スポーツですから、露骨な金銭関係は成立してはいませんが、進路相談などで間接的に監督は選手達の生活を心配してくれるでしょう。最近も話題になった「特待生」制度なども、アマチュアである故に生まれた工夫です。しかし、相撲の世界は義務教育期間終了後にプロ、それも一生の仕事となる「道」に入って修行を始める仕来りになっていますから、昔の徒弟制度や戦後の「金の卵」と呼ばれた集団就職組が飛び込んだ「住み込み」型の雇用関係とそっくりなシステムと言えるでしょう。

■「封建的」の一言で、敗戦後の日本は旧制度を廃止して米国民主主義を取り入れた歴史があります。欧州には伝統的な職人文化が生き残っていますが、若い開拓国家のアメリカには自主独立の気風が強くて師匠に絶対服従するような窮屈な文化は根付かなかったようです。従って、戦前と戦後で日本は文化的に分裂してあちこちに大きな矛盾を抱え込んでしまっているわけです。「伝統」「国技」という言葉が遠慮がちに使われるのも、この歴史の断絶を誰もが程度の差こそ有れ、何がしかの理解を持っているからでしょうなあ。

■徒弟制度では、師匠に対しては絶対服従が求められますが、それは修行時代の事で、社会的にも職能の点でも未熟な段階で入門した弟子は、一人前になって独立した生活が可能になるまで耐えねばなりません。プロの世界は互いに別個の技術と仕来りを伝え守っているので、徒弟制度で最も恐ろしいのが「破門」でしょう。修行が途中で終わってしまえば、その世界で独り立ち出来ませんし、かと言って他の世界で修行をやり直すには時間が足りませんからなあ。

■他のアマチュア・スポーツの場合は、怪我や病気でプロへの道を断念しなければならなくなっても、「監督」が新しい道を用意する力は無いでしょうが、相撲部屋の場合は実の親から子供を託された親方は、育ての親となって弟子の生涯に責任を持つ暗黙の約束が有りますから、法律に言う「職業選択の自由」や「基本的人権」に一定の制限が掛かっているようなものです。相撲協会の内規で、現役力士の「副業」が禁止されているのも、全身全霊を相撲修行に打ち込んで引退後の進路選択を有利にするためでしょう。ところが、為替も経済力も弱い発展途上国から「出稼ぎ」を受け入れてしまうと、あらゆる条件が変わってしまいます。日本国内ではちょっとした貯金でしかない修行時代の金銭が、祖国に持ち込めば立派な資本となって事業が興せますし、独立の象徴でもある不動産購入さえも簡単です。

不如意を考える 其の参

2007-08-10 21:24:21 | 日記・雑学
■結果論になりますと、朝青龍と安部首相は一線上に並びます。どちらも横綱やら総理大臣やら、その世界で最高位になど就かなければ、こんなに大騒ぎにはならなかったのに……。ですから、問題を解決する責任は、自分達の都合で二人を押し上げてしまった人達に有ります。どちらも自分が辞意を表明しない限りは、原則としてその地位は不動のものなのですから、そんな夢見がちな規則を作った人達もどうかしています。但し、政界では森総理という人が用も人気も無くなっても辞めそうになかったので、こっそりと引っ張り下ろす切り札となる規則を決めてあるのだそうです。でも、伝統的な最高位だった大関の上に、既に人の領域を超えたような品格を持つ、神にも似た人格に横綱の名を与えようと言い出した人はまだしも、それを常時置いておく習慣にした愚か者が居たらしいですなあ。「チャンピオンの上」などという常人には把握できない地位を決めるのと、そこに誰かが常に座っていなければならないというのは別の話です。

■そもそも、横綱って何だろう?と多くの日本人が考え始めたのは怪我の功名と言えるでしょう。外国人横綱が目立つ昨今の大相撲をよくよく考えて、相撲文化の衰退をよくよく考えてみるべきです。今時、相撲を取った経験の無い男達がわんさと居ます。相撲をする場所が無い、やり方を知らない、教える人が居ない。勿論、「国技」と言われているのに小中学校の体育の授業には取り入れられていないし、課外活動に相撲部を持っている学校が珍しいのですから、これに少子化が重なれば、力士の予備軍は先細りし続けるでしょう。本当に相撲が「国技」ならば、文科省の管轄下で日本相撲協会にすべての役目を負わせてしまったのは大失敗だったのではないでしょうか?これはスポーツ一般と同列の扱いです。

■幼さが残る年頃に親元を離れて部屋に入門するという仕来りが、近代教育制度に抵触しないのか?部屋の親方は公務員でもないし学校の教師でもありません。部活の監督でもないし、トレーナーでもありません。相撲部屋の伝統に従った指導や監視など、文科省に出来るのでしょうか?


……「説得に失敗しました」。9日、朝青龍の自宅を訪ねた師匠の高砂親方は、記者会見の第一声でそう話し、うなだれた。訪問前は「(きょうこそ)何とかします」と決意を見せていただけに、その落胆は大きかった。横綱の知人の医師が「神経衰弱および抑うつ状態」と診断した翌日の6日に面会して以来、この日が2回目の訪問。親方は、謝罪会見と国内での治療を提案した。「会見して、腰やひじも含めて通院、入院して治そう」と諭す親方に、横綱は応じず、「どうしてこんな事態になったのか」と、時に涙ぐむなど感情をあらわにしたという。


■「失敗」したのは今回の説得だけではありません。きっと、横綱になれた技術的な指導の分野でさえも、朝青龍本人は高砂親方のお蔭だとは思ったこともないでのではないでしょうか?数々の不祥事が掘り返されて報道されていて、其の仲には部屋の玄関で暴れてガラスを破損したという事件が含まれていますが、どうやら、この事件は大関昇進を果たして少年時代から心に決めてた女性と結婚出来た直後の事のようで、親方は相撲界の仕来り通りに婚礼のご祝儀を処理しようとしたのを知った新婚の朝青龍が激怒して、親方を玄関先でぶっ飛ばしたというのが真相とか……。それが本当なら、どれほど目出度い時であろうと、破門を含めた厳しい対処をしなかったのは大問題でしょう。

■スポーツ界では指導者に対してあれこれと陰口をたたいて肉体的な苦痛を和らげることも有ります。しかし、面と向かって反抗したり、暴力に訴えるようになっていれば、既に師弟関係など消えて無くなっている証拠です。少なくとも大関から横綱への昇進は、朝青龍個人の戦いだったはずです。師弟の協力によって最高位に就いた訳ではないのなら、日本相撲協会の仕組みからして、横綱が部屋の経営を支えている事になりますから、銭カネに喧しい朝青龍ならば、その搾取構造にも怒りを感じていたでしょうなあ。


親方は「何回も押したんだが、話は繰り返すばかり。自分の気持ちに踏ん切りがついていないようだ」と横綱の様子を語る。大きな騒ぎになってしまったことに戸惑い、重い処分に納得していないようだった。この日の話し合いは1時間半。正味15分で終わった6日の面会に比べるとはるかに長い。「話しているうちにだんだん会話が多くなり、本人の気持ちもぶつけてくれて、いい話ができた。前回と全然違う。もうちょっとで記者会見ができそうだ」と、親方は相応の手応えは得たようだ。

■「会話」だの「いい話」だの、こんな楽観的な表現をそのまま報道するマスコミにも困ったものです。喋っているのは高砂親方ですぞ!この人が朝青龍と、入門以来、一体、何回「会話」を交わしたのでしょう?「前回と全然違う」と能天気な事を口走ったばかりに、自分の立場を決定的に悪くしてしまったのは、自己責任でしょうなあ。


「10日も訪ねる。納得してくれるまで行く」と決意を見せた。しかし、今後の見通しについて聞かれると「分からん」「何とかしたい」と話し、手詰まり感はぬぐえなかった。親方から面会の報告を受けた北の湖理事長は「気持ちとけがの両面で治療と療養に専念してほしい。モンゴルへの帰国は当然ありえない。とにかく師匠が気配りしてあげないといけない」と話しただけ。解決に乗り出す姿勢は見せなかった。

■北の海理事長は、自分の職分を最低限度の範囲に留めている実に保守的で利己的で計算高い人のように見えます。その手下になっている高砂親方は、理事長の身代わりになって親方衆から責められているようにも見えます。「10日」などと妙に期待させるような事を言ったばかりに、高砂親方はウソツキとも呼ばれない無能な人にされてしまったのでした。

不如意を考える 其の弐

2007-08-10 19:38:16 | 日記・雑学
■さてさて朝青龍です。中田ヒデさんとチャリティ・サッカーに参加した事が発端となって「横綱の品格」問題に火が着いたわけですが、あれよあれよと思う間に、日本中の人々が精神医療の専門用語を勉強するような騒ぎになってしまいましたなあ。発端になったのは、本田昌毅という37歳の医師の出現でした。話題の人の素性を知らせてくれるのは『週刊新潮』で、最新号には見開き2頁のモノクロ・グラビアで取り上げています。要は、「売名行為はしない」と言いながら、売名行為を繰り返す人物のようですなあ。スポーツ紙も書き立てたように、ご専門は「包茎治療専門の美容外科」だそうで、朝青龍とは何処でどのようにして知り合ったのか?そちらの方に興味が湧きますなあ。

■日本の医師免許制度では、国家試験を通って開業する時には、診療する科を好きなだけ書き並べられる事になっていますから、「精神科」と「包茎治療」を並べて看板に掲げても問題は無いようです。『週刊新潮』によりますと、この人は宮城県で精神科医をしていた時に、女性患者と深い仲になってしまった前歴が有るそうです。オウム事件の中でも苫米地さんという脳機能学者が、麻原シスターズの一人を治療している内に仲良くなって結婚してしまったことが有りましたなあ。精神療法やら精神分析では、患者に医者が取り込まれてしまう事が起こるそうですし、医師と患者が結婚してしまうのも驚くべき事ではないようです。でも、本田医師の場合は仲良くなってしまった患者さんの治療が終わったかどうか分かりませんが、「別れ話」がもつれて裁判沙汰になっているようです。一方的な別れ話でショックを受けた女性が「摂食障害」になったと訴えたそうですから、一応、治療は成功したのでしょうか?

■この本田医師の名前が全国区になったのは、JR福知山線の惨事が起こった時だそうです。何度も面接を重ねて徐々に患者の心の中を理解して行くのが精神科の医者のはずですが、この人は一面識も無い死亡した運転手の心を解析して見せたのだそうです。曰く「生真面目で鬱病傾向が生じていた」との見立てで、それを何故か国土交通省の中で開かれた記者会見の場で発表したのでした。どうしてそんな所に入り込めたのでしょう?医師と言うよりも占い師に近く、一般な社会常識を飛び越えてしまえる図太い神経を持っている人のようですなあ。簡単に言えば「恥知らずの目立ちたがり屋」のようです。

■トンデモない不良横綱の問題が、一転して「病人」の扱い方の話になってしまったのですから、厳罰処分を言い渡した相撲協会が悪者になってしまう恐れが出て来ました。判官贔屓が大好きな日本人ですから、外国から来て一人で頑張った若者が年寄りに囲まれて虐められている、などという構図になったら相撲協会が立ち往生してしまいます。本田医師が「神経衰弱および抑鬱状態」と素人受けする割には、同業者からは嘲笑されるような診断を下し、あまつさえ、「あと3日か4日で鬱病になる」と、細木センセイでも言えないような「大予言」を披露してしまいました。まるで癌の名医が「余命」を算出するような具合ですが、精神疾患を時間で表現できるとは驚きです。案の定、専門家からは大顰蹙を買ってしまっているようですから、日本にはまともなお医者さんが多いという事でしょうか?

■まったく精神疾患や神経症は、妙に便利で分かり易い面が有るその半面で、ヤブ医者の誤診と強烈な薬剤の濫用によって健康な人が麻薬中毒者になってしまう危険が有るとも言われている時に、包茎と精神を同時に扱うという変わった医学センスを持っている怪しい医者が出て来たのは拙かったですなあ。


大相撲の夏巡業への休場届を出しながら、故郷モンゴルでサッカーに興じていた横綱・朝青龍が、日本相撲協会から厳しい処分を受けた後、自宅に引きこもっている問題は、日本での療養を求める師匠の高砂親方とモンゴルへの帰国を求めているとみられる横綱のせめぎ合いになってきた。同協会は「師弟の問題」と、既に距離を置いている。「指導力」を問われる親方と、問題行動で「品格」を問われてきた横綱。角界トップの処遇を巡り、親方の説得が続く。

■相撲協会と横綱審議会にも責任を取ってもらう条件で、横綱廃業と親方廃業を宣言しないと収まりが付かなくなっているのではないでしょうか?既に、朝青龍を除いた大相撲でも充分に見ごたえが有り、その方が健全で楽しい気分になると言うのですから、横綱として復帰するのはほぼ不可能でしょう。そして、全国民が知ってしまった高砂親方の管理者・教育者・保護者としての無能さ加減も消せませんから、「過ぎた弟子でした」ぐらいの事を言って親方業をさっさと辞めてしまった方が良さそうですなあ。妙に体格が良い案山子同然だった理事長の北の湖も、年明けの選挙まで持ち越さずに、アホな横綱に頼らなければ組織が守れなかった悲劇の理事長として去った方が、傷は小さくて済みそうな気もします。

不如意を考える 其の壱

2007-08-10 18:34:08 | 日記・雑学
■古来、日本には「泣く子と地頭には勝てぬ」という慣用句が有ります。「地頭」は平氏政権末期にも存在したそうですが、全国的に設置したのは鎌倉幕府ですから、この慣用句も800年ほどの伝統が有るのでしょうなあ。この「勝てぬ」というのは、腕力や武力によって打ち倒せないという意味ではありません。実際に、地頭は戦国時代の動乱の中で消滅しましたし、人間が作った統治機関というものは、穏やかな法律改正やら暴力革命やら、いろいろな理由で無くなってしまうものです。かつての「地頭」は、税務署と警察署と裁判所とヤクザ?の機能を併せ持っていたような当該地域では絶対的な権力を独占していたそうですから、逆らわない方が身のためだったのでしょう。
 
■万が一、理屈で勝っても財産権や生存権を犯されては堪りませんから、久間前防衛大臣のように「しょうがない」と諦めて耐えねばならない相手でした。「地頭」よりも遥かに普遍性のあるガキンチョは、何処の国でもいつの時代でも、ピーピー泣き出したら要求事項を満たしてやらない限り泣き止みません。元々、与えることの出来ない要求なら、泣き疲れて寝入ってしまうまで放置しておくしかありません。少しは人間らしくなったら、言葉で説得する方法も有効になります。最近では、「地頭」はともかく、「泣く子」はぼこぼこにして殺害してしまうバカ親が増えているとか……。

■前防衛大臣が「しょうがない」と言い放った原爆ですが、本当に勝てないのか?という大問題を日本人が考えねばならない8月上旬であります。「泣く子と地頭」以外にも、どいうしようもないものがいろいろ有って、白河法皇も「天下の三不如意」という名言を残しました。「鴨川の水と、双六の賽、山法師だけは私の思い通りにならない。」と嘆いたと『平家物語』に書かれています。核兵器の根絶が可能か不可能かは措くとして、最近の日本で話題の「不如意」は、選挙に大敗しても辞めない総理と、日本中を困惑させている出稼ぎ横綱という事になるでしょうなあ。


時事通信社が3日から6日にかけて実施した8月の世論調査結果によると、安倍内閣の支持率は前月比3.1ポイント減の22.6%で、発足以来最低を更新した。不支持は同7.8ポイント増の61.0%。不支持が6割を超えるのは2001年4月に退陣した森内閣以来だ。参院選惨敗にもかかわらず続投を決断した安倍晋三首相への反発や、事務所費問題が指摘された赤城徳彦前農水相の辞任などが響いたとみられる。首相は引き続き厳しい政権運営を強いられそうだ
8月10日 時事通信

■最新号の『週刊現代』によると、安部首相をマインド・コントロールしているのは父親そっくりの風貌を持つ岸信介元総理の長女にして安倍晋三首相の御母堂、安部洋子(79歳)なのだそうです。参議院選挙の前から「仮に負けたっておまえは辞める必要なんかない」と、国政を私物化した暴言を吐いたとか……。とんでもない婆さまとマザコン首相を日本はセットで持ってしまったようですが、「私の責任」「私のお約束」「私の使命」などと内容不明の妄言を並べている安部首相ですが、この人の責任・使命は首相に就任した時から決まっていた参議院選挙に勝つことでした。「美しい国」などという寝言を本気にしていた自民党の議員など一人も居なかった事が、何と広報担当の首相補佐官・世耕弘成議員の口から直接、総理に伝えられたのだそうですなあ。


「街頭演説では、ともて『美しい国』なんて言えませんでした」

■これは歴史に残るかもしれない迷言かも知れません。世耕さんは「美しい国づくり」国民運動担当だったのですから、その人が恥ずかしくて言えない事を、選挙の候補者ばかりか、国民の誰が言えるでしょう?世耕さんは、NTT出身で広報部勤務経験を売り物にしている自称「広報のプロ」なのだそうです。株の「プロ中のプロ」を自称していた村上さんが絵に描いたようなインサイダー犯罪がバレて大恥を晒しているのと似た話ですなあ。さすがの安部首相も、「広報のプロ」の無責任さにはショックを受けたらしく、随分と腹を立てたのだそうですぞ。でも、まだ「任命責任」という意味が分からない鈍感首相ですから、自分が任命した手下を叱責したり制御したりする方法を知らないようです。もしかしたら、「辞め方」が分からないのかも?

■自分の政権末期にどれほど見っともない事になったのかを、けろりと忘れている森元首相のアドバイスなどを受けねばならない立場は可哀想ですが、自分の継承者に安倍さんを指名した時から今日を予感していたらしい小泉さんも悪い人ですなあ。久し振りに、一桁の支持率を間も無く見られそうで、楽しみなような恐ろしいような……。