■単なる偶然なのでしょうが、既に国家の体(てい)をなしていないイラクの泥沼内戦状態がますます酷くなる中で、米国カリフォルニア州が炎上中です。シエラネバダ山脈を越えて乾燥し切ったサンタアナの風が、人智と文明の勝利を誇っていたロサンゼルスからサンディエゴ一帯を火の海にしているようです。
米カリフォルニア州南部の大規模な山火事は発生3日目の23日になっても延焼を続け、現地メディアによると、焼失面積は約1620平方キロと、東京都面積の74%相当に達した。避難者数は推定100万人近く、「カリフォルニア史上最悪の災害避難劇」と指摘する声も上がっている。山火事は、ロサンゼルス郊外からメキシコ国境に近いサンディエゴ郡にかけて10カ所以上で同時発生。同郡だけで35万世帯に避難勧告が出され、住民は体育館やホテルに避難した。全体で1300棟以上の住宅や教会などが燃えたという。
■「火事と喧嘩は江戸の華」と意地っ張りの江戸っ子は強がったものですが、大火が起こる度に材木価格と大工さんの賃金が跳ね上がり、特に先手を打って材木投機に走った者は巨万の富を得たとか……。米国は「貸し倒れ」住宅ローンで荒稼ぎした悪い奴らがゲップが出るほど大儲けした後に火事になったようなわけです。ハリウッド映画の有名人が住んでいる地区が燃えた、などという価値が逆立ちした情報が日本でも垂れ流されましたが、建て替え可能な人達の豪邸が焼け落ちても、避難が間に合えば「思い出の品」が消失するくらいで済むでしょう。しかし、「サブ・プライム借金」が焦げ付いて手放したばかりの安売り住宅が、「売り家」の立て看板ごと焼け落ちたら大変なことになりますぞ!
同郡では火事場泥棒で2人が逮捕されたほか、同様の窃盗事件の報告が多数寄せられており、治安悪化も懸念され始めた。また、日本語補習校の教師一家が避難し、ソニーやNEC現地法人が社員の安全確保のため休業するなど、日本人や日本企業の活動にも影響が出ている。
2007年10月24日 時事通信
■中には「放火」の疑いが濃い火事も発生しているとか……。半世紀前の大戦争で、大日本帝国は若い娘さんたちに覚醒剤を飲ませて製造した「風船爆弾」という一種の宇宙兵器?を実際に使いました。米国側では「ファントム・バルーン」と呼んで大騒ぎになったのでした。いわゆる「自虐史観」では、苦し紛れの愚かな作戦という事になるのですが、なかなかどうして、米国側は「生物化学兵器」だったら大変だ!と大いに緊張したと言われています。でも、いろいろと間抜けな作戦を繰り広げた旧日本軍でも、米国相手に毒ガス戦争を仕掛けるほど愚かではなかったようで、その目的は「山火事」だったのでした。日本国内の戦史本の中でも「被害は山火事程度……」と鼻で笑うような表現が多いようですが、物資とエネルギーに余裕のある時期、つまり超長距離爆撃機のB29が実用化される前に、地球規模の風上に位置している利点を活かし「風船爆弾」を大量に放っていたら……。
■これは決して、お手軽な「もしも戦記」とは違います。米国だけでなく、山火事は本当に恐ろしい災害だという話なのです。中南米政府、西欧州征服、太平洋征服、フィリピン征服、日本征服……月面征服、中東征服、と支配圏を広げてきた世界最強の軍事大国米国でさえ、猛烈な山火事を消し止める方法が無いのです。旧日本軍が考案した、和紙と蒟蒻(こんにゃく)芋で製作した「風船爆弾」は、高度計と油を満たした焼夷弾をぶら下げて太平洋上のジェット気流に乗って流れて行きました。本当は大規模な山火事を発生させて人心を動揺させ、消防作業に州兵を引っ張り込み、それでも足りなくなったら太平洋戦線に展開する部隊からも消火作業に人員が抜き取られる……。という皮算用だったようです。でも、勝った勝ったのお祭騒ぎに足元を救われて、作戦の実施がどんどん遅れて愚かしい特攻作戦と同じ時期になってしまったので、心身の限界を越える苦労の末に大和撫子が製造した決戦戦略兵器が笑い話のネタにされた戦後の歴史が有ったことは覚えておいた方が良いでしょう。
■広大な米国は山火事に弱い!これを学んだテロリストが、ジャンボ機を乗っ取るような大掛かりな攻撃を諦めて、あちこちに放火して歩いたら、米国は右往左往してしまいます。勿論、起伏が多く中山間地に農地や村落を持っている日本はもっと山火事には弱いはずです。身近な危険を思い出すべき他国の災害ですから、よくよく我が身を思って学ぶべきでしょうなあ。たまたま、四半世紀ほど前に、カリフォルニア州に滞在した経験がある者としましては、蒼穹(そうきゅう)を覆う灰が太陽を隠してしまう体験を思い出して、ぞっとしてしまいます。あの時はロサンゼルス近郊の山道を、バイクのマフラーを外して爆音を楽しむ馬鹿ライダーが撒き散らした火花が原因だったと判明し、摘発された馬鹿ライダーは極悪人扱いされていたようですが……。今回の放火犯の中に、国際テロリストが含まれていない事を願うばかりです。
米カリフォルニア州南部の大規模な山火事は発生3日目の23日になっても延焼を続け、現地メディアによると、焼失面積は約1620平方キロと、東京都面積の74%相当に達した。避難者数は推定100万人近く、「カリフォルニア史上最悪の災害避難劇」と指摘する声も上がっている。山火事は、ロサンゼルス郊外からメキシコ国境に近いサンディエゴ郡にかけて10カ所以上で同時発生。同郡だけで35万世帯に避難勧告が出され、住民は体育館やホテルに避難した。全体で1300棟以上の住宅や教会などが燃えたという。
■「火事と喧嘩は江戸の華」と意地っ張りの江戸っ子は強がったものですが、大火が起こる度に材木価格と大工さんの賃金が跳ね上がり、特に先手を打って材木投機に走った者は巨万の富を得たとか……。米国は「貸し倒れ」住宅ローンで荒稼ぎした悪い奴らがゲップが出るほど大儲けした後に火事になったようなわけです。ハリウッド映画の有名人が住んでいる地区が燃えた、などという価値が逆立ちした情報が日本でも垂れ流されましたが、建て替え可能な人達の豪邸が焼け落ちても、避難が間に合えば「思い出の品」が消失するくらいで済むでしょう。しかし、「サブ・プライム借金」が焦げ付いて手放したばかりの安売り住宅が、「売り家」の立て看板ごと焼け落ちたら大変なことになりますぞ!
同郡では火事場泥棒で2人が逮捕されたほか、同様の窃盗事件の報告が多数寄せられており、治安悪化も懸念され始めた。また、日本語補習校の教師一家が避難し、ソニーやNEC現地法人が社員の安全確保のため休業するなど、日本人や日本企業の活動にも影響が出ている。
2007年10月24日 時事通信
■中には「放火」の疑いが濃い火事も発生しているとか……。半世紀前の大戦争で、大日本帝国は若い娘さんたちに覚醒剤を飲ませて製造した「風船爆弾」という一種の宇宙兵器?を実際に使いました。米国側では「ファントム・バルーン」と呼んで大騒ぎになったのでした。いわゆる「自虐史観」では、苦し紛れの愚かな作戦という事になるのですが、なかなかどうして、米国側は「生物化学兵器」だったら大変だ!と大いに緊張したと言われています。でも、いろいろと間抜けな作戦を繰り広げた旧日本軍でも、米国相手に毒ガス戦争を仕掛けるほど愚かではなかったようで、その目的は「山火事」だったのでした。日本国内の戦史本の中でも「被害は山火事程度……」と鼻で笑うような表現が多いようですが、物資とエネルギーに余裕のある時期、つまり超長距離爆撃機のB29が実用化される前に、地球規模の風上に位置している利点を活かし「風船爆弾」を大量に放っていたら……。
■これは決して、お手軽な「もしも戦記」とは違います。米国だけでなく、山火事は本当に恐ろしい災害だという話なのです。中南米政府、西欧州征服、太平洋征服、フィリピン征服、日本征服……月面征服、中東征服、と支配圏を広げてきた世界最強の軍事大国米国でさえ、猛烈な山火事を消し止める方法が無いのです。旧日本軍が考案した、和紙と蒟蒻(こんにゃく)芋で製作した「風船爆弾」は、高度計と油を満たした焼夷弾をぶら下げて太平洋上のジェット気流に乗って流れて行きました。本当は大規模な山火事を発生させて人心を動揺させ、消防作業に州兵を引っ張り込み、それでも足りなくなったら太平洋戦線に展開する部隊からも消火作業に人員が抜き取られる……。という皮算用だったようです。でも、勝った勝ったのお祭騒ぎに足元を救われて、作戦の実施がどんどん遅れて愚かしい特攻作戦と同じ時期になってしまったので、心身の限界を越える苦労の末に大和撫子が製造した決戦戦略兵器が笑い話のネタにされた戦後の歴史が有ったことは覚えておいた方が良いでしょう。
■広大な米国は山火事に弱い!これを学んだテロリストが、ジャンボ機を乗っ取るような大掛かりな攻撃を諦めて、あちこちに放火して歩いたら、米国は右往左往してしまいます。勿論、起伏が多く中山間地に農地や村落を持っている日本はもっと山火事には弱いはずです。身近な危険を思い出すべき他国の災害ですから、よくよく我が身を思って学ぶべきでしょうなあ。たまたま、四半世紀ほど前に、カリフォルニア州に滞在した経験がある者としましては、蒼穹(そうきゅう)を覆う灰が太陽を隠してしまう体験を思い出して、ぞっとしてしまいます。あの時はロサンゼルス近郊の山道を、バイクのマフラーを外して爆音を楽しむ馬鹿ライダーが撒き散らした火花が原因だったと判明し、摘発された馬鹿ライダーは極悪人扱いされていたようですが……。今回の放火犯の中に、国際テロリストが含まれていない事を願うばかりです。