我が家の松の木にご用心あれ。

2008年02月16日 | 信州の木材
地域の友人たちと温泉祭りに行って来た。別所温泉の七草の湯、とてもきれいなホテルである。女将も素敵だ。その塩田平はマツタケの産地だ。道中赤松の林に白いビニールの小山が痛々しい。松くい虫の被害木を切り倒した後、薬剤散布してビニールシートで包んであるのだ。

 あちこちに茶色く枯れた被害木も数多くみられる。このまま行けば、国産のマツタケは夢のまた夢かと、バスに同乗したみんなの感想だ。私は一人心中、木の存立をも憂いたが。

 以下先日の「原田耕司氏」の著書の中の文面をお借りすると。
 松は元来、日当たりのよいやせた乾燥地を好む木で、人間の生活域が拡大され、森の伐採が進むに従い、その後に広がった明るく乾燥したやせ地にどんどん増えていったと思われる。かって「赤松亡国論」が話題になったこともあったが、こうした赤松の急激な増加が、自然荒廃のバロメーターとしての警鐘を鳴らしたものであった。
 ところがその赤松が今、松くい虫の被害により存亡の危機にたたされているのも皮肉である。(1993年)
つづいてこの年までの11年間に更埴市で赤松の6%強、長野市では8㌫が枯れたと書かれている。・・・・以上引用。

 あれから10数年、その被害は衰えを知らずその範囲は拡大の一途をたどっている。日本人は松が好きだ。庭木の松に寄せる熱意には並々ならぬものがある。
佐久森林組合さん発行の組合員向けの「森のたより」に大事な庭の赤松を松くい虫から守りましょう。と提案が載っていた。

 ①樹幹注入剤を注入することにより、マツノザイセンチュウの侵入・増殖を食い止め松枯れ防止に効果を発揮、1回の注入で約2年間有効。太さにより量は調整。
注入適期11月から2月。 薬剤名グリーンガイド・エイト 220ml 2.625円

 ②液剤を木にくまなく散布することにより、マツノマダラカミキリ成虫への殺虫効果等がある。
発生期前に2回散布・・・・防除作業は森林組合にご相談ください。とのこと。

 自然淘汰といってしまえばそれまでかもしれないが、人間の力の限界をも感じる被害の拡大である。これでもまだ他県に比べれば、被害を食い止めているほうなのである。
 我が家の松の木にご用心あれ。
                           依田美恵子
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