あなたの家の躯体の木材は何ですか?

2012年01月23日 | 信州の木材
長い間材木を扱ってくると、木材の材種の強度は知識以上に経験でわかる。だからその風土で育った木を使うというのは理由のあることでもある。

 長い間、外国の木に頼ってきた。素晴らしい木もいっぱいあるが、これを使っていいの、と思える木もある。

 日本のJAS規格を通っているからと安心してはならない。

 12月17日付の信濃毎日新聞の「森羅万象の考現学」「植物の謎」で建築史家であり建築家の藤森照信さんのシリーズものから。

 1月もの間、この新聞の切り抜きは私のバックの中で出番を待っていた。

 「植物の謎」として2つのことが書かれている。
 ①日本で芝を植えると、手入れが大変。雑草が次から次にと生えて来る。これをきれいにしておこうとすれば、休日をつぶさなければならない。

 ②ドイツでは戦争中鉄塔の代わりに木材で送電用の木塔を建てているが、なんとこれが最近まで70年近く現役で使われていた。
 高さ30m、各木材の太さは15cm角、ボルト締め、材は松。

 藤森さんは、防腐処理がされていたに違いないと思われていたとのこと。日本だったら10年もしないうちに腐り始めるだろうから。

 ところがドイツで防腐処理の話を聞いても、質問の意味さえわからなかったらしい。それに戦後は木造建築は作られていないらしい。

 お隣のウィーンで純木造の展望台を見たら、屋根もなく防腐処理の跡もない、高さ67m、20cm角の松の柱16本で総重量150tを青空高く支えていたという。戦前のドイツの木造技術は今もオーストリアで健在。これで100年や200年は持つという。

 この①と②がなぜだかを考えた結果、藤森さんが分かった答えはひとつ。

 ヨーロッパの気候は、夏は乾燥が激しく、冬は雨(雪)がよく降る。これが日本との大きな違い。夏温度が高い時は水がなく、冬水がある時は温度が低い。

 雑草の生育は水と温度。木材を腐らせるバクテリアも水と温度がそろわなければ十分な活動はできない。

 日本は、夏、湿度と雨が一緒にやってくる。食物は育ち、バクテリアも繁殖する。

と、結ばれていた。

 日本で結露ができるような作りの家には、使って欲しくない木があることを知ってほしい。もっと断定的に言うならば、結露のできる家は作って欲しくない。

 夏の高温多湿だけでも大変なのに、その上結露と来れば・・・・・。

 どんな保証が付こうが、どんなに長期優良が付こうが、何の意味もないことになってしまうから。

 価格の安さを求めると、知らないままに使われている。おそらく自分の家の躯体に何の木材が使われているか気にしておられるだろうか? そして結露ができない家なのか理解しておられるのだろうか?

                        依田美恵子

軽井沢・佐久で建てる外断熱・省エネ住宅 中島木材の家


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