浴衣の肩上げ・腰上げを覚えた日

2009年08月23日 | 日々のこと
花火大会に行くのに、娘が4歳の孫娘に浴衣を着せたいという。「昔、私が着たので」という。確か捨てがたくとってあったはず。

 背丈をあわせようとしても、当人は嫌がって袖も通さない。それでも気が変ればと思いつつ、「肩上げ」と「腰上げ」をする。

 お裁縫が嫌いとは母が私に言った言葉、その前にもう一言が付いた。本を読む女は・・・・と。否定はしなかったけど、気にはした。

 だから高校卒業から大学の春・夏休みは実家の近くのお針の先生のもとに通った。着物は大好きだったから、自分の物が縫えれば・・・という誇大なる夢を持っていた。

 ところが教えてもらっても、布地の断ちが理解できない。百科辞典みれば、自分で断てるのに、経験から打ち出されたものの教えられ方は、1度や2度では理解ができない。

 それでも、肌着から浴衣まではスムーズだったのに、袷で挫折した。

 仕事を持つようになっても暫くは夜通ったが、自分の能力の限界を感じた。

 学生時代、寮でラジオの野球中継を初めて聞いた。用はテレビが禁止だから。

 巨人の堀内投手が大きな帽子を被り、1球投げるごとに、帽子を落としていた。解説者が「川上監督(だったよね)もちゃんとしたサイズの帽子を買ってあげたら」なんて言っていた。寮生活を思い出すと、私はひたすら運針をしながら聞いていたこの日のことが思い出される。

 初めて東京で夏を過ごした年。実習で帰省もできずに、呉服屋さんで2週間アルバイトをした。

 子供の浴衣が売れると・・・当時の若いお母さんも肩上げ・腰上げができないから・・・裏方でアルバイトの私が教えられたとおりに針を運ぶ。

 この経験がなかったら、絶対できないと自信を持って言える。おまけに今までは母頼みですんだから。

 どんな経験でも無駄にはならないと、今頃になってそう思う。

                   依田 美恵子

    軽井沢・佐久で建てる外断熱・省エネ住宅 中島木材の家


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