塚田盛彦のつれづれなるままにサッカー

世界中で親しまれているサッカー。このサッカーをフィルターとして、人間社会の構造に迫っていきたいと思います。

名門クラブの持つ気風

2010-01-27 00:49:23 | 日記
 選手達が名門クラブに憧れる理由は何でしょう?給料の問題もあるでしょうし、優勝に近いクラブの一員になりたいという気持ちもあるでしょう。でも僕が考える理由は他にあって、サッカー選手ならば誰もが、「伝統」と「格式」のあるクラブで一度はプレイしたいと考えるのではと思うんです。

 名門クラブというのは、単にクラブの歴史が長いだけではありません。
 積み重ねてきた勝利の歴史や所有するスタジアムでで繰り広げられてきた名勝負。そしてファンを魅了するプレイを見せ続けてきた名手達。こうした幾つもの要素が重なって、初めて名門クラブの礎が築かれるわけですから、ファンやメディアの視線が厳しくなるのは当然です。
 
 つまり粗野な選手は名門クラブにはそぐわない。でも名門は粗野な選手を模範的な選手に変えられる下地があることも事実です。

 例えばルーニーがそうですね。
 エバートン時代から将来のイングランドを背負うと期待されていましたが、当時のルーニーはいまよりもやんちゃ、言い換えれば粗暴な選手でした。
 しかしユナイテッドというイングランドはもとより、世界を代表するクラブの一員になってからは、かつての粗暴さが徐々になくなり、今ではユナイテッドの顔としてクラブに君臨しています。

 彼の変貌の背景にはファーガソンの指導、そしてスコールズやギグスなど、先輩選手たちの助言もあるはずです。でも一番の理由は、ルーニーがユナイテッドというクラブに受け継がれる「気風」に感化され、真の名手へと変貌しつつあるのだと思います。エバートンとユナイテッドを比べたなら、取材の数も海外遠征の数もユナイテッドの方が多いはずです。ですからルーニー自身が変る必要があったでしょうし、クラブの気風が彼の成長を後押ししたのだと思います。

 もちろん名門クラブに在籍した選手全てが、名手に変貌できるわけではありません。

 混乱時のレアル・マドリーに移籍したカッサーノが、溌剌とプレイするきっかけになったのはサンプドリアという中堅くらぶですし、マテラッティのようにインテルというイタリアを代表するクラブの一員でも、周囲の論議を呼ぶような行動が多い選手もいます。

 ただ選手は心のどこかで、テレビや雑誌で見て想いを寄せるようになった、名門や憧れのクラブの一員になることを夢見ていると思います。その胸のうちは僕たちファンと変りませんし、その違いはピッチの外の住人か、それとも中の住人かの違いしかありません。
 
 本当に些細な違いですが、その持つ意味合いが大きいわけです。

 
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする