いささか古い話から始めます。
1998年フランスワールドカップに向けて、ドイツは焦りの色を隠せませんでした。何故なら戦術のキーマン、リベロのマティアス・ザマーが故障のため、出場不可能ということが判明したからです。
苦笑せざるを得ないのは、当時のドイツ代表監督ベルティ・フォックツもそしてファンの多くも、3-5-2のリベロスタイルを放棄し、4-4-2や同じ3バックでもゾーンディフェンスに切り替えるといった、新戦術には何の関心を持たなかったことです。
彼らの頭の中にあるのは、「ザマーの代役が務まる栄リベロは誰か?」ということだけでした。そして代役に抜擢されたのはオラフ・トーン、そして同時にロタール・マティウスもフランス大会に召集されました。
この例をみてもわかるように、1990年代の中ごろまで、リベロというポジションは今の僕たちが考えている以上に、大きな責任を担っていたのです。
ではどうしたらリベロはかつての輝きを取り戻せるのでしょう?
僕が考えたリベロ復活案は以下のようになります。
1・マンマークではないゾーンの3バックの中央に位置する。
例えばサイドバックにケガ人、もしくは出場停止の選手がいて代役がいないのなら、3バックへの布陣変更を迫られます。しかし一見強固に見えるマンマークは、マーカーが相手を見失った瞬間効果を失います。相手の攻撃によってはカバーリングの為、左右のストッパーの後方に下がる必要もありますが、基本は3人横並びで左右のウイングバックと連携をとる形で、攻撃よりも守備重視の形をとれば、リベロの位置付けは可能だと思います。
2・フォックツが試した代替案
ストッパーの後ではなく、ストッパーの前に位置取りをとる。
ベッケンバウアーはその守備能力だけでなく、積極的な攻撃参加でも知られていました。しかし現代サッカーでは、リベロが攻撃の局面に顔を出す事は難しい。ならば最終ラインが攻撃の起点になるように、リベロがストッパーの前に位置取りすることで、相手の攻撃をより前方でカットし、同時に味方へ的確なパスを送る。この方法ならばウイングバックが守備の為自陣深く下がったとしても、攻撃の起点は従来よりも前方にあるため、攻撃への移行の負担は少なくなると思います。
この代替案はフランス大会前、南アフリカとの親善試合でフォックツが試したものでした。フォックツは中盤のそこに、若きディトマー・ハマンとイェンス・イェレーメスを起用し、スコアも3-0で快勝しましたが、フランス大会ではベスト8でした。
3・3バックの前、つまりフォア・リベロとして振舞う。
これは僕の考えです。日本式の3-5-2は3バックの前に2人のMFを起きますが、欧州では1人のことが多いですね。3-3-2-2と表記されることもあります。
3バックの前で守備と攻撃の両方のタスクを担います。かつてのグアルディオラやレドンドのような存在といえます。しかしこのポジションで成果をあげるには、DFよりもMFとしての資質が問われてくるので、これも完璧な代替案とはいえません。それだけリベロの復権は難しいといえます。
ただサッカーの戦術は、ファッション同様流行廃りがあるものなので、近い将来再びリベロが戦術の要に指名される日がくるかと思います。ただしばらくは、4バックが主流の時代は続きそうです。
1998年フランスワールドカップに向けて、ドイツは焦りの色を隠せませんでした。何故なら戦術のキーマン、リベロのマティアス・ザマーが故障のため、出場不可能ということが判明したからです。
苦笑せざるを得ないのは、当時のドイツ代表監督ベルティ・フォックツもそしてファンの多くも、3-5-2のリベロスタイルを放棄し、4-4-2や同じ3バックでもゾーンディフェンスに切り替えるといった、新戦術には何の関心を持たなかったことです。
彼らの頭の中にあるのは、「ザマーの代役が務まる栄リベロは誰か?」ということだけでした。そして代役に抜擢されたのはオラフ・トーン、そして同時にロタール・マティウスもフランス大会に召集されました。
この例をみてもわかるように、1990年代の中ごろまで、リベロというポジションは今の僕たちが考えている以上に、大きな責任を担っていたのです。
ではどうしたらリベロはかつての輝きを取り戻せるのでしょう?
僕が考えたリベロ復活案は以下のようになります。
1・マンマークではないゾーンの3バックの中央に位置する。
例えばサイドバックにケガ人、もしくは出場停止の選手がいて代役がいないのなら、3バックへの布陣変更を迫られます。しかし一見強固に見えるマンマークは、マーカーが相手を見失った瞬間効果を失います。相手の攻撃によってはカバーリングの為、左右のストッパーの後方に下がる必要もありますが、基本は3人横並びで左右のウイングバックと連携をとる形で、攻撃よりも守備重視の形をとれば、リベロの位置付けは可能だと思います。
2・フォックツが試した代替案
ストッパーの後ではなく、ストッパーの前に位置取りをとる。
ベッケンバウアーはその守備能力だけでなく、積極的な攻撃参加でも知られていました。しかし現代サッカーでは、リベロが攻撃の局面に顔を出す事は難しい。ならば最終ラインが攻撃の起点になるように、リベロがストッパーの前に位置取りすることで、相手の攻撃をより前方でカットし、同時に味方へ的確なパスを送る。この方法ならばウイングバックが守備の為自陣深く下がったとしても、攻撃の起点は従来よりも前方にあるため、攻撃への移行の負担は少なくなると思います。
この代替案はフランス大会前、南アフリカとの親善試合でフォックツが試したものでした。フォックツは中盤のそこに、若きディトマー・ハマンとイェンス・イェレーメスを起用し、スコアも3-0で快勝しましたが、フランス大会ではベスト8でした。
3・3バックの前、つまりフォア・リベロとして振舞う。
これは僕の考えです。日本式の3-5-2は3バックの前に2人のMFを起きますが、欧州では1人のことが多いですね。3-3-2-2と表記されることもあります。
3バックの前で守備と攻撃の両方のタスクを担います。かつてのグアルディオラやレドンドのような存在といえます。しかしこのポジションで成果をあげるには、DFよりもMFとしての資質が問われてくるので、これも完璧な代替案とはいえません。それだけリベロの復権は難しいといえます。
ただサッカーの戦術は、ファッション同様流行廃りがあるものなので、近い将来再びリベロが戦術の要に指名される日がくるかと思います。ただしばらくは、4バックが主流の時代は続きそうです。