塚田盛彦のつれづれなるままにサッカー

世界中で親しまれているサッカー。このサッカーをフィルターとして、人間社会の構造に迫っていきたいと思います。

いつかリベロは復活する?(2)

2009-10-21 20:07:59 | 日記
 いささか古い話から始めます。
 1998年フランスワールドカップに向けて、ドイツは焦りの色を隠せませんでした。何故なら戦術のキーマン、リベロのマティアス・ザマーが故障のため、出場不可能ということが判明したからです。
 苦笑せざるを得ないのは、当時のドイツ代表監督ベルティ・フォックツもそしてファンの多くも、3-5-2のリベロスタイルを放棄し、4-4-2や同じ3バックでもゾーンディフェンスに切り替えるといった、新戦術には何の関心を持たなかったことです。
 彼らの頭の中にあるのは、「ザマーの代役が務まる栄リベロは誰か?」ということだけでした。そして代役に抜擢されたのはオラフ・トーン、そして同時にロタール・マティウスもフランス大会に召集されました。
 この例をみてもわかるように、1990年代の中ごろまで、リベロというポジションは今の僕たちが考えている以上に、大きな責任を担っていたのです。
 ではどうしたらリベロはかつての輝きを取り戻せるのでしょう?
 僕が考えたリベロ復活案は以下のようになります。
 1・マンマークではないゾーンの3バックの中央に位置する。
 例えばサイドバックにケガ人、もしくは出場停止の選手がいて代役がいないのなら、3バックへの布陣変更を迫られます。しかし一見強固に見えるマンマークは、マーカーが相手を見失った瞬間効果を失います。相手の攻撃によってはカバーリングの為、左右のストッパーの後方に下がる必要もありますが、基本は3人横並びで左右のウイングバックと連携をとる形で、攻撃よりも守備重視の形をとれば、リベロの位置付けは可能だと思います。
 2・フォックツが試した代替案
 ストッパーの後ではなく、ストッパーの前に位置取りをとる。
 ベッケンバウアーはその守備能力だけでなく、積極的な攻撃参加でも知られていました。しかし現代サッカーでは、リベロが攻撃の局面に顔を出す事は難しい。ならば最終ラインが攻撃の起点になるように、リベロがストッパーの前に位置取りすることで、相手の攻撃をより前方でカットし、同時に味方へ的確なパスを送る。この方法ならばウイングバックが守備の為自陣深く下がったとしても、攻撃の起点は従来よりも前方にあるため、攻撃への移行の負担は少なくなると思います。
 この代替案はフランス大会前、南アフリカとの親善試合でフォックツが試したものでした。フォックツは中盤のそこに、若きディトマー・ハマンとイェンス・イェレーメスを起用し、スコアも3-0で快勝しましたが、フランス大会ではベスト8でした。
 3・3バックの前、つまりフォア・リベロとして振舞う。
 これは僕の考えです。日本式の3-5-2は3バックの前に2人のMFを起きますが、欧州では1人のことが多いですね。3-3-2-2と表記されることもあります。  
 3バックの前で守備と攻撃の両方のタスクを担います。かつてのグアルディオラやレドンドのような存在といえます。しかしこのポジションで成果をあげるには、DFよりもMFとしての資質が問われてくるので、これも完璧な代替案とはいえません。それだけリベロの復権は難しいといえます。
 ただサッカーの戦術は、ファッション同様流行廃りがあるものなので、近い将来再びリベロが戦術の要に指名される日がくるかと思います。ただしばらくは、4バックが主流の時代は続きそうです。
 
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いつかリベロは復活する?

2009-10-21 13:58:50 | 日記
 1990年代から2000年代にかけて、「ファンタジスタ」はその存在価値を見失いましたが、まもなく2010年代の突入しようとしている今、「リベロ」というポジションが死滅しようとしています。
 リベロという言葉を世界に認知させた第一人者が、ドイツのフランツ・ベッケンバウアーでした。以後もドイツはロタール・マティウスとマティアス・ザマーという、サッカー史に残るリベロを輩出しています。他にもオランダのロベルト・クーマン、イタリアのフランコ・バレージとガエタノ・シレアが有名ですね。マニアどころではノルウエーのレネ・プラツェットがいます。
 そんなリベロというポジションも、近年では影も形も無くなくなってしまいました。
 ではどうしてリベロは死滅しようとしているのでしょうか。
 理由その1.現代サッカーの主流は4バック
 普通リベロを置いたサッカーで連想されるのは、3-5-2の布陣ですね。3人の最終ラインのうち、2人がストッパー役を、残りのひとりがリベロという形です。
 しかし今では3バック自体、リベロ同様死滅しようとしています。理由としてはクラブ、代表を問わず優勝を狙うチームは、例外なく4バックを採用している点にあります。
4バックはその殆どが、フィールド上に選手をまんべんなく配置できますが、3バックはどうしても「いびつ」な形にまります。
 また最終ラインの左右のオープンスペースをカバーしようとすると、DFにもMFにもカバーリングの役割が求められます。つまり最終ラインの選手が、カバーリングに入るとそれだけ味方ゴール前の守備が手薄になりますし、うまくパスカットできたとしても、味方FWまで距離があるため、効果的な攻撃ができません。
 理由その2・今は1トップのチームが多い。
 3バックは2トップとの相性が抜群です。例えストッパーが防げなくても、リベロが後方にかまえていますし、3人がかりでサンドイッチ、挟み込む形にもっていくこともできます。
 しかし最近の潮流は1トップです。僕は以前、攻撃ひとりに対して守備側は3人なのだから、何が問題なのかよくわかりませんでした。
 1トップとして考えられる布陣は、4ー2ー3ー1に3-4-3、4-1-4-1などがあります。僕の疑問を解決するヒントは、1トップではなく1トップを支えるMFにありました。
 つまり1トップだけでなく、MFが攻撃に絡んできた場合、守備側の数的不利が見てとれます。思い出してください。ドイツワールドカップ、日本代表は3バックで対オーストラリアと戦いましたが、オーストリアの3ー4ー3に押し切られてしまいました。
 つまり3バックとリベロは一心同体であり、残念ながら3バックは、今の時代とマッチしない布陣というわけです。
 しかし近い未来、先に記したような先達と比肩するようなリベロが誕生する可能性もあります。そんなリベロが誕生した場合、指揮官たちはどのようにその選手を指揮するのでしょうか。
 次回も僕なりにリベロについて考えてみたいと思います。
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日本代表エンブレムを変更

2009-10-21 01:30:37 | 日記
 10月20日付けの朝刊で、日本代表がエンブレムを一新するという記事が掲載されました。ご存知の方も多いと思います。ヤタガラスの背景が、現行の赤と白のラインから、日の丸を意識した白と赤のラインに変更になるとのこと。つまり11月10日発売の、日本代表ジャージはこの新エンブレムを纏っているわけで、僕は今からとても楽しみです。
 記事にはエンブレムの変更は1996年以来4回目と書いてあったので、それ以前のデザインはどうだったのか調べてみました。96年以前はヤタガラスの上の「JFA」のロゴが筆記体になっていて、縁取りも盾形の形をしています。正直に言いますと全く気にとめていませんでした。
 よくよく考えてみますと、エンブレムはその国のサッカーの象徴です。その象徴を気にかけないことは芳しくありません。この新聞記事は僕にエンブレムの存在を気付かせてくれた点で、とても価値あるものになりました。
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