域密着系・生活充実系の電子雑誌も考えられる。
たとえば高島平在住のある主婦が『高島平e(イー)ライフ』という電子雑誌を立ち上げた。これは高島平の地域や歴史の紹介、いい店や役立つショップ、おススメのスポットや楽しい行事などを掲載したタウン情報誌である。タウン情報誌は紙の雑誌でもすでにあるが、電子雑誌の場合は大きく異なるのである。あるパスタがおいしいイタリア料理店があるとしよう。紙の情報誌ではその情報が記載されているだけであるが、電子の場合だとそこをクリックするとイタリア料理店の店主が実際に応答に出て来るのである。「マスター。この前のオクラのパスタ、ホントおいしかったよ〜!」「そうお。じゃあ今度は納豆パスタ作って見るから食べに来てね」といったやり取りが起きるのである。店の店主にしてみれば地域の人々に支持されることに自分の店、ひいては自分の人生がかかっているので一生懸命コミュニケーションを取ろうとするだろう。また主婦にしてみれば、この雑誌の売り上げを家のローンに当てることができるし、なにより地域の人々と交流が取れるし、自分の暮らしている町を良くするのに役立つこともできるしと、彼女の高島平ライフを充実させることができるのである。
同じようなことはどこでもできる。生まれも育ちも大阪・尼崎で尼崎を心から愛するヤンキー男性が『尼崎めっちゃ好きやねん!』という電子タウン情報誌を運営することもできる。また同じようなことは特別な地域団体、たとえば中学や高校などの学校でもできるだろう。
『池袋探検団』という電子同人雑誌もあり得る。これは池袋を愛する者たちが結成した雑誌で、池袋の街をディープに楽しむことを目的にし、かつその活動を雑誌で公表することで、より突っ込んだ、より臨場感あふれる池袋のタウン情報誌となろうとするものである。団員たちは様々に知恵を持ち寄り、面白そうなスポットやお題を見つけては毎週集まって池袋ツアーに乗り出して行く。団員たちは緑の探検帽をそろってかぶっている。こうすると池袋の人たちから「あ。あれは池袋探検団だ!」「よう!今日も池袋を楽しんでいるかい」と声をかけられ交流が生じるし、雑誌の宣伝にもなるからである。このような活動を通じて団員たちは池袋の街を満喫し、また池袋の繁栄に一つの貢献をすることができるのである。
ネタ的・企画的同人雑誌も考えられる。
何年か前に、みんなが集まって廃墟ツアーをしたり、文豪の墓巡りをしたりすることがブームとなったが、同じようなことは電子同人雑誌でもできる。(僕も以前僕の漱石崇拝を知っていた『ネバーモア』の同人に招待されて、雑司ケ谷の漱石のお墓を訪れたことがある。漱石の墓の前で同人たちと酒を酌み交わし、なんと深夜まで酒宴をしていた。夜の墓地で酒盛りをするという不思議な体験を今でも懐かしく覚えている)
たとえばこんなのはどうだろう。もんじゃ大好き青年が月島の有名なもんじゃ専門の商店街(50軒くらい軒を連ねているだろう)の食べ尽くしを企画したのである。名付けて『月島もんじゃ商店街完全食べ尽くしガイド』。彼はこのガイド雑誌を作るべく、同人を集め、商店街の端から端までもんじゃ店を食べ尽くしていった。もんじゃのおいしさ、店の雰囲気、店主の人柄まで克明に調査して、雑誌に掲載していった。頻繁にもんじゃ商店街を訪れては食べ尽くしに励んでゆき、脱落する同人も相次いだが、新たに参加する同人たちも多く、それに力を得てがんばっていった。そしてついに月島もんじゃ商店街の完全マップを完成させたのであった。彼のガイド雑誌は月島もんじゃ商店街を訪れる観光客に「完成度が高い」「月島もんじゃの全体像がよく分かる」と評判になり、かなりの売り上げをもたらした。彼は今やもんじゃ評論家という肩書まで持つようになったのである。
(続く)
たとえば高島平在住のある主婦が『高島平e(イー)ライフ』という電子雑誌を立ち上げた。これは高島平の地域や歴史の紹介、いい店や役立つショップ、おススメのスポットや楽しい行事などを掲載したタウン情報誌である。タウン情報誌は紙の雑誌でもすでにあるが、電子雑誌の場合は大きく異なるのである。あるパスタがおいしいイタリア料理店があるとしよう。紙の情報誌ではその情報が記載されているだけであるが、電子の場合だとそこをクリックするとイタリア料理店の店主が実際に応答に出て来るのである。「マスター。この前のオクラのパスタ、ホントおいしかったよ〜!」「そうお。じゃあ今度は納豆パスタ作って見るから食べに来てね」といったやり取りが起きるのである。店の店主にしてみれば地域の人々に支持されることに自分の店、ひいては自分の人生がかかっているので一生懸命コミュニケーションを取ろうとするだろう。また主婦にしてみれば、この雑誌の売り上げを家のローンに当てることができるし、なにより地域の人々と交流が取れるし、自分の暮らしている町を良くするのに役立つこともできるしと、彼女の高島平ライフを充実させることができるのである。
同じようなことはどこでもできる。生まれも育ちも大阪・尼崎で尼崎を心から愛するヤンキー男性が『尼崎めっちゃ好きやねん!』という電子タウン情報誌を運営することもできる。また同じようなことは特別な地域団体、たとえば中学や高校などの学校でもできるだろう。
『池袋探検団』という電子同人雑誌もあり得る。これは池袋を愛する者たちが結成した雑誌で、池袋の街をディープに楽しむことを目的にし、かつその活動を雑誌で公表することで、より突っ込んだ、より臨場感あふれる池袋のタウン情報誌となろうとするものである。団員たちは様々に知恵を持ち寄り、面白そうなスポットやお題を見つけては毎週集まって池袋ツアーに乗り出して行く。団員たちは緑の探検帽をそろってかぶっている。こうすると池袋の人たちから「あ。あれは池袋探検団だ!」「よう!今日も池袋を楽しんでいるかい」と声をかけられ交流が生じるし、雑誌の宣伝にもなるからである。このような活動を通じて団員たちは池袋の街を満喫し、また池袋の繁栄に一つの貢献をすることができるのである。
ネタ的・企画的同人雑誌も考えられる。
何年か前に、みんなが集まって廃墟ツアーをしたり、文豪の墓巡りをしたりすることがブームとなったが、同じようなことは電子同人雑誌でもできる。(僕も以前僕の漱石崇拝を知っていた『ネバーモア』の同人に招待されて、雑司ケ谷の漱石のお墓を訪れたことがある。漱石の墓の前で同人たちと酒を酌み交わし、なんと深夜まで酒宴をしていた。夜の墓地で酒盛りをするという不思議な体験を今でも懐かしく覚えている)
たとえばこんなのはどうだろう。もんじゃ大好き青年が月島の有名なもんじゃ専門の商店街(50軒くらい軒を連ねているだろう)の食べ尽くしを企画したのである。名付けて『月島もんじゃ商店街完全食べ尽くしガイド』。彼はこのガイド雑誌を作るべく、同人を集め、商店街の端から端までもんじゃ店を食べ尽くしていった。もんじゃのおいしさ、店の雰囲気、店主の人柄まで克明に調査して、雑誌に掲載していった。頻繁にもんじゃ商店街を訪れては食べ尽くしに励んでゆき、脱落する同人も相次いだが、新たに参加する同人たちも多く、それに力を得てがんばっていった。そしてついに月島もんじゃ商店街の完全マップを完成させたのであった。彼のガイド雑誌は月島もんじゃ商店街を訪れる観光客に「完成度が高い」「月島もんじゃの全体像がよく分かる」と評判になり、かなりの売り上げをもたらした。彼は今やもんじゃ評論家という肩書まで持つようになったのである。
(続く)