「日本文学の革命」の日々

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北朝鮮のミサイルと鳩山の再迷走 4

2012-04-15 20:10:22 | 日本文学の革命
次いでアメリカである
とりわけ日本との交渉のテーブルについている担当者たちに対する影響である

まず第一にアメリカがこのイラン訪問ニュースから受け取るメッセージは、日本がアメリカに対して助け舟を出してくれている、というものだろう
最近アメリカとイランの間は激しく緊迫していて、「もしホルムズ海峡をイランが封鎖したら戦争する」と宣言を出すほどだ
アメリカだってもうこれ以上戦争なんかしたくないのである。しかし成り行き上そこまで追い詰められてしまったのだ
そこにこの「友愛」を前面に出した鳩山のイラン訪問である
ちょうどいいガス抜き効果であり、やはり日本は同盟国だな、アメリカの味方なんだな、と思わせたろう
実際その通りで、日本人は基本的にアメリカが好きであり、何か困ったことがあったら喜んで協力したいと思っているのである
ただこれまでのような従属的依存関係、これはもうご破算にしたいと思っているだけなのだ

アメリカに対して、とりわけ交渉のテーブルについている担当者たちに対して、鳩山元首相のイラン訪問のニュースはさらにもう一つのメッセージを与えるものとなっている
実はこれこそが「訪問」の最も重要なメッセージだったのである
それは「脅し」である
かつての「沖縄迷走」と同じようなことを、またやらかすぞ!というアメリカに対する脅しなのである

このイラン訪問が2年前の沖縄迷走を想起させるものであることは前に述べた
あきれるほどのゴタゴタ、二転三転する発言、何がなんだか分からない迷走ぶり、すべて沖縄でのかつての悪夢を思い起こさせるものとなっている(これもやはりかつてと同じように“わざと”演出したものなのだろう)
あの沖縄迷走で一番痛い目に会ったのが他ならぬアメリカである
あれによって日本国民の疑惑と不信と怒りの目を一身に浴びるようになってしまったのが、アメリカなのである
まさにあの迷走はアメリカにとっての悪夢だったのである
その悪夢がふたたび目の前で再現され始めたのだ

それは「脅し」としてアメリカ政府の担当者の目に映っただろう
鳩山元首相からの「もし交渉をぶち壊したら、いつでも沖縄迷走と同じようなことを仕掛けますよ」という脅しである
実際鳩山元首相は政権与党民主党の最高顧問である。また今は外交の最高顧問でもある。また変幻自在の外交手腕も持っている
もし彼の期待を裏切ったら、いくらでもアメリカを苦しめる手を打ってこれるのである

これ以上欲を出して、さらに日米関係を悪化させたいのか
日本を手放すことになって、それで本当にアメリカの国益になるのか
このような「脅し」の文句が、隠れたメッセージとして交渉担当者に突き付けられているのである
これは中国のミサイル恫喝よりも、はるかに強力な恫喝となっていることだろう


中国・北朝鮮によるミサイル恫喝外交に対して、鳩山元首相のイラン訪問は以上のようなメッセージ効果を発揮することになった
一つは北朝鮮人民の結束に風穴を開けたことである
もう一つはアメリカに対する目に見えない恫喝であり、日米基地返還交渉を日本の有利に運ばせようとするものである
そして最後に日本包囲網を画策した中国の策動を粉砕したことである
以上のことが鳩山元首相のイラン訪問によって行われたのである
これもやはり政治的大勝利と言ってもいいものだろう

日米交渉が果たしてどうなるか
今後も注目していきたい

北朝鮮のミサイルと鳩山の再迷走 3

2012-04-15 20:06:55 | 日本文学の革命
イランと北朝鮮は非常によく似た国家的立場にある
どちらも国際社会の問題児であり、国際的に孤立している
どちらも核開発を行っては周辺諸国に恫喝を繰り返している
イランは国際社会とアメリカにとっての悩みの種であり、同様に北朝鮮も国際社会と日本にとっての悩みの種である
このようにイランと北朝鮮はよく似ているのであり、「イラン」というと暗示的に「北朝鮮」を連想させるものを持っているのだ

鳩山元首相はそのイランにわざわざこの時期―北朝鮮のミサイル問題が緊迫した時期―訪問に向かった
これはある意味「北朝鮮」に行ったという暗示的意味を含んでいるのである
しかも鳩山首相特有の「友愛」のイメージで行ったのである
イランの側ももともと親日家が多い上に、今アメリカと戦争も視野に入れた対決状態にあるので、「友愛」友好の大使としてやってきた観がある鳩山元首相をなおさら歓迎しただろう
両国の間で「友愛」友好の交わりがかわされたのである
このときIAEA批判発言があったかどうかが問題となっているが、IAEAを批判するということはイランを擁護するということである
「友愛」友好だけでなく、世界の問題児とされているイランに同情を示している。「われわれはあなたがたの敵ではないんですよ。同情しているんですよ」というメッセージを示すものとなっているのである

この鳩山元首相のイラン訪問は、どのようなメッセージ効果を世界に発揮することになったのか

まずは北朝鮮である
北朝鮮の人民がこのイラン訪問のニュースを見たとき、「イラン」を暗示的に自国「北朝鮮」とダブらせて受け取る者が必ずいるはずである
餓死線上にある北朝鮮の一般民衆にはそんな余裕すらないかもしれない(人民を計画的に大量餓死させ、足腰も立たないような状態に追い込み、それで政権を維持しようとする手口は、毛沢東がよくやっていたものである。ここでも北朝鮮は毛沢東を忠実にものまねしているのだろう)
しかし北朝鮮の上層階級―ピョンヤンで暮らしている市民などには、このメッセージに気づく者も多いだろう
それは鳩山元首相が―日本がと言いかえてもいい―北朝鮮に「友愛」友好を示しているというメッセージなのである
「あなたがたに同情しているんですよ」というメッセージも伝わってくるのである
事実日本人は、キム共産党独裁政権は蛇蝎のごとく嫌っているが、その政権下で苦しんでいる北朝鮮人民には同情していて、一刻も早くこの極悪政権から解放されることを願っているのである
もしキム独裁政権が倒れたら、日本は即座に北朝鮮の人々の救済に駆けつけるし(日本人が大好きな韓国人と同民族なんだし)、経済投資もどんどん行ってゆくだろう
日本人は北朝鮮に対して、友愛と援助の手を差し伸べたいと思っているのである
その暗示的メッセージが、この鳩山元首相のイラン訪問のニュースから北朝鮮の人民に伝わっていたのである

このことは北朝鮮政府が望んでいたこと―北朝鮮人民の結束を、まさに打ち崩すものとなる
北朝鮮の人民だって、北朝鮮の狂った独裁政権などに結束したくないのである
もし逆らったらただちに家族もろとも殺されるから、仕方なく従っているだけなのだ
その彼らに鳩山元首相の「友愛」友好のメッセージは一つの「救い」のように映るはずである
「日本は敵ではない。実はわれわれ北朝鮮民衆の味方なんだ。われわれに同情し、手を差し伸べようとしているんだ」
そう思っただけで、北朝鮮人民の結束は大きく崩れてゆくのである
とりわけこのメッセージに気づいたのが北朝鮮の上層階級であることも大きい。彼らこそが北朝鮮体制の要石であるからだ
また彼らは世界の誰よりもこのミサイル関係のニュースに注目していたはずである。命がけで見守っていたと言ってもいい(無関心でいたら即座に強制収容所に叩き込まれるのだから、当然である)。その彼らの目に、このメッセージが刻み込まれたのである。その効果は計り知れないものとなるだろう

もちろんメディアの検閲によって、このイラン訪問のニュースが北朝鮮の人民に伝わらないケースも考えられる
もしこのニュースに込められた隠れたメッセージを北朝鮮メディアが事前に気づいていたら、このニュースは完全に削除されていただろう
しかし鳩山元首相たちは、そのケースも想定していたようである
民主党の政府関係者が鳩山元首相のイラン訪問を「おバカな」「困った」こととして繰り返し喧伝していたのは、そのためだったのだ
このニュースを日本の元首相の「バカ丸出し」の行為にしてしまえば、北朝鮮メディアもそういうものと受け取り、「またあのおバカ首相がバカなことを始めた。みんな あざ笑ってやりな」と喜んでニュースを北朝鮮人民に流すからである
そうしてニュースを一度流してしまえば、あとで気づいてももう手遅れ
北朝鮮人民にこのメッセージは刻み込まれてしまったのである

北朝鮮のミサイルと鳩山の再迷走 2

2012-04-15 20:04:06 | 日本文学の革命
たしか十日ほど前のことだったと思うが、いつも立ち寄るコンビニでたまたま新聞コーナーに目をやると、ある新聞のトップ面に「普天間返還 米軍の嘉手納基地統合」といったニュースが出ていた
驚いて読んでみると、新しい基地は作らずに普天間を返還し、沖縄の米軍は嘉手納に統合するという案を、今行われている米軍再編についての日米交渉に日本側が出すというものであった
それを読んだとき、ああ ここまで来たか、ここまで具体的交渉が進展してきたのかと非常にうれしい思いをした
これが実現したら、まさに画期的なことで、戦後の日米関係が大転換することになる。戦後ずっとアメリカの占領国扱いされていた日本が、そのくびきをようやく脱っすることができる。またアメリカと日本の関係を、真に対等で、新しい意味で良好な、新たなパートナーシップに発展させることもできる。日本は二重の意味で発展してゆくことができる
やった!日本の前に新たな発展の道が開けた!これも鳩山首相のおかげだ!
と快哉をあげたものだった

しかしこの成り行きを面白く思っていない国がある
中国である
中国共産党にとって日本をつぶすことは国家的な悲願である
今までも日本の国力を奪うために、あの手この手の手段をつくしてきた
漁船追突事件を起こしたのも、手下の小沢を使って民主党政権を内側からつぶそうとしたのも、すべてそのためである
今回日米の交渉がうまくまとまって、基地が返還され、日本の国力がさらに伸びるような事態はなんとしても食い止めたい
そこでまずしたのが、この事態をもたらした張本人・鳩山元首相をコケにすることだった。わざわざ自分の国に招いたあげく、ダブルブッキングして、面子をつぶしてやったのである
ついで画策したのが、北朝鮮を使ってのミサイル発射である
日米交渉は今交渉の真っ最中であり、日本とアメリカの間で国益をかけた熾烈な綱引きを演じている最中である
そこにミサイル発射問題を起こす
北朝鮮がミサイルを日本上空に発射する。こんな危険な国が日本のすぐそばにあるのである。米軍がいなければ、いつなんどき大被害をこうむるか分からない。米軍はぜひとも必要なのである。基地返還などはもっての他、逆に新しい基地が必要なくらいだ。そう思わせたいのである
しかもミサイルを飛ばすのは、問題の地・沖縄上空なのである。これはまさに恫喝であり、沖縄県民さらには日本国民を恐怖で萎縮させ、基地返還も仕方ないものとして諦めさせる、そういう狙いも持っていたのだろう

交渉についているアメリカ側も、本音でいえば基地返還などしたくないのである
鳩山首相によって“針のむしろ”に置かれてしまい、また議会上院からの突き上げもあって、しぶしぶ交渉のテーブルについているが、本音では基地はいくらでもあった方がいい。日本もいつまでも軍事的に占領しておきたいのである
だから中国・北朝鮮によるミサイル発射騒動は、アメリカにとって渡りに船なのだ。これで交渉をアメリカにとってグッと有利なものにしてゆくことができる。普天間を返還して狭い嘉手納に閉じ込められることも防げるし、うまくいったら辺野古かどこかにもう一つ基地を作れるかもしれない
中国のおかげでアメリカは日本との交渉を有利に運ぶためのカードを手にすることができたのである

またミサイル発射の当事者である北朝鮮にとっても、このミサイル騒動は渡りに船だった
新しい政権への移行期にある北朝鮮にとって、なによりも重要なのは人民の結束を維持することである。国や政権がバラバラにならないように締め付けを強めたいのである
国際社会を敵に回すミサイル発射の強行は、逆に国内の結束の強要にもつながる。軍事力を誇示し、先軍政治を堅持することを示し、国内の人民にも容赦しない態度を示すことができる
恐怖政治に怯える人民をさらにもう一度強力に締め付けることができるのである

このようにミサイル発射騒動は、中国、北朝鮮、さらにはアメリカをも巻き込んで、日本包囲網のタッグを組ませることになり、日本の基地返還交渉を失敗に終わらせるものになり得たのである
このとき動いたのが鳩山元首相である
突然イラン訪問を強行したのである
いったいこれは何を狙ったものなのか
どのようなメッセージを世界にもたらすことになったのだろうか
それは、なぜ「イラン」だったのか、を考えてゆくとだんだん明らかになってくる

北朝鮮のミサイルと鳩山の再迷走 1

2012-04-15 19:57:51 | 日本文学の革命
最近日本を騒がしていたニュースに北朝鮮のミサイル問題がある
北朝鮮がキム・ジョンウン体制に移行する際の祝賀行事としてミサイルを(北朝鮮は衛星と称しているが)発射すると言い出したのである
沖縄上空を通過するとあって、日本でも大騒ぎ、イージス艦が出動するわ、PAC3が配備されるわ、と連日トップニュースとなった
何週間にも渡って「撃つぞ、撃つぞ」と脅したあげく、つい先日の土曜日発射されたのだが、ちょっとあがって、すぐ爆発して、情けないほどおバカな大失敗に終わってしまった
僕もニュースを見ながら大笑いしたものだが、北朝鮮とその背後にいる中国(このミサイル発射を北朝鮮にやらせたのは、間違いなく中国である)は全世界に対して赤っ恥をかいてしまったのである

この騒動の最中、気になる動きがあった
鳩山元首相が突然イランを訪問したのである
いったいなぜこの時期にイランを訪問するのか、民主党の政府関係者も「意向がよく分からない」「できれば行かない方が…」「二重外交になって困る」と戸惑いや苦言を述べ、自民党議員からは「羽交い絞めしてでも止めてください」などと言われ、まるで鳩山元首相が乱心したかのような扱いだった
実際にイランに行って、帰ってきてからも迷走が続く。「IAEAが不当なことをしている」うんぬんのIAEA批判をした、いやしていない、イラン側が報道したじゃないか、いやあれはねつ造だ、などとゴタゴタが続き、「イランことをして」とジョークまで飛び出して、なんだかよく分からない混乱した状態が続いたのである

これを見た国民は、「またやっちゃったよ」と思ったに違いない
2年前に鳩山首相が起こした沖縄迷走が記憶に蘇ったのである
「またもやおバカな迷走ぶりが始まったよ」「誰だよ、鳩山を外交の最高顧問なんかにしたのは」などという声が巷やネットのあちこちであがったに違いない

しかしここで待てよ、と思う
あの沖縄迷走は、実はたいへんな政治的外交的勝利を日本にもたらしたのである
今回の迷走の裏にも、何かあるに違いない
そこでこの北朝鮮のミサイル騒動と鳩山元首相のイラン迷走の裏で、実際に何が起こっていたのかを推察してみようと思う