「奇跡のドア」とは桑田佳祐の『明日晴れるかな』の歌詞の中に出てくる言葉で、おそらく開くことができたら「奇跡」みたいなドアという意味で作られた言葉なのだろう。まさにこの「ドア」こそがすべての前進を阻んでいるのであり、多くの人々が沈黙や絶望に落ち入っているのはまさにこの「ドア」を突破できないからなのである
たしかにこの「奇跡のドア」を突破することは実に難しいことで、絶望的に不可能なことでさえあるのだが、しかし一つの大きな希望があるのだ。それは日本文学であり、日本文学は明治以来伝統的にこの「奇跡のドア」の突破に挑んできて、実はその大半をすでに成し遂げているのだ。とりわけ夏目漱石はあともう一歩で開ける!というところまで追い込んでいたのである。この伝統を復活させ、ふたたび前へと前進させてゆけば、「奇跡のドア」を開くというこの「奇跡的」なことさえ出来てしまうのである!
僕も94年以来「反外国主義運動」に身を投じていた一人だが、この間主として行っていたものが日本文学の研究であり「日本文学の復活」活動だったのである。とりわけ夏目漱石の研究に励んでいた。これから『こころと太平洋戦争』という漱石の『こころ』を論じる大きな評論を書くことになるが、実はこれはシリーズとして書いているものであり、『坊ちゃんと薩長藩閥政治』とか『三四郎と東京の文化』とか『彼岸過迄と漱石とユング』とかさまざまな評論をすでに書いていて、『こころ』以前の漱石文学はもう全部論じているのである。『明暗』と『文学論』という漱石の最も重要な未完成作品も知り尽くしており、今からこれを土台として「新しい文学」「則天去私の文学」を生み出そうともしている。そんなこんなで岩波版で30巻近くなる漱石全集のすべてを今や一行一行のレベルから知り尽くしてしまった。そしてこれを原動力にして今から「奇跡のドア」の突破を成し遂げるその挑戦を行うのである
桑田佳祐もこれまでたいへんな辛酸を舐めてきたが、僕もこの長い年月の間じつにひどい目に遭い続けてきた。会社員になることを拒んだおかげで(そんなことをしたら文学の仕事ができなくなる!)、長年に渡って貧窮生活に苦しみ続け、会社からはさんざんに首にされ、社会からはアホバカ扱いされ、女性からは『フーテンの寅さん』なみに振られ、惨めで悲惨とも言える人生を送ってきたのである。しかしそれでも挫けなかったのは、なんとしてもこれを成し遂げる!という熱い思いがあったのと、桑田佳祐たち伴に戦ってきた仲間たちから鼓舞され続けてきたそのおかげだろう
今から「奇跡のドア」を押し開けることに着手する。1、2年もあれば出来てしまうかも知れない。遅くとも数年以内には成し遂げられるだろう
今や日本は明治の文明開化や戦後の高度経済成長のときのような「外国主義的発展」ができなくなっているのである。それが今日本を衰退させている大きな原因なのだ。どうしてもそれに代わる「内発的発展の道」を切り開かねばならない。そのためにもこの「奇跡のドア」、なんとしても今ここで押し開いてしまおう!
たしかにこの「奇跡のドア」を突破することは実に難しいことで、絶望的に不可能なことでさえあるのだが、しかし一つの大きな希望があるのだ。それは日本文学であり、日本文学は明治以来伝統的にこの「奇跡のドア」の突破に挑んできて、実はその大半をすでに成し遂げているのだ。とりわけ夏目漱石はあともう一歩で開ける!というところまで追い込んでいたのである。この伝統を復活させ、ふたたび前へと前進させてゆけば、「奇跡のドア」を開くというこの「奇跡的」なことさえ出来てしまうのである!
僕も94年以来「反外国主義運動」に身を投じていた一人だが、この間主として行っていたものが日本文学の研究であり「日本文学の復活」活動だったのである。とりわけ夏目漱石の研究に励んでいた。これから『こころと太平洋戦争』という漱石の『こころ』を論じる大きな評論を書くことになるが、実はこれはシリーズとして書いているものであり、『坊ちゃんと薩長藩閥政治』とか『三四郎と東京の文化』とか『彼岸過迄と漱石とユング』とかさまざまな評論をすでに書いていて、『こころ』以前の漱石文学はもう全部論じているのである。『明暗』と『文学論』という漱石の最も重要な未完成作品も知り尽くしており、今からこれを土台として「新しい文学」「則天去私の文学」を生み出そうともしている。そんなこんなで岩波版で30巻近くなる漱石全集のすべてを今や一行一行のレベルから知り尽くしてしまった。そしてこれを原動力にして今から「奇跡のドア」の突破を成し遂げるその挑戦を行うのである
桑田佳祐もこれまでたいへんな辛酸を舐めてきたが、僕もこの長い年月の間じつにひどい目に遭い続けてきた。会社員になることを拒んだおかげで(そんなことをしたら文学の仕事ができなくなる!)、長年に渡って貧窮生活に苦しみ続け、会社からはさんざんに首にされ、社会からはアホバカ扱いされ、女性からは『フーテンの寅さん』なみに振られ、惨めで悲惨とも言える人生を送ってきたのである。しかしそれでも挫けなかったのは、なんとしてもこれを成し遂げる!という熱い思いがあったのと、桑田佳祐たち伴に戦ってきた仲間たちから鼓舞され続けてきたそのおかげだろう
今から「奇跡のドア」を押し開けることに着手する。1、2年もあれば出来てしまうかも知れない。遅くとも数年以内には成し遂げられるだろう
今や日本は明治の文明開化や戦後の高度経済成長のときのような「外国主義的発展」ができなくなっているのである。それが今日本を衰退させている大きな原因なのだ。どうしてもそれに代わる「内発的発展の道」を切り開かねばならない。そのためにもこの「奇跡のドア」、なんとしても今ここで押し開いてしまおう!