2019年11月にリュウグウを出発した「はやぶさ2」は、現在、順調に飛行している。
2019年11月にリュウグウを出発した「はやぶさ2」は、現在、順調に飛行している。
北海道大学・JAXA宇宙科学研究所などの研究者からなる国際研究グループは、金星探査機「あかつき」によって取得された観測データに基づき、長年謎だった金星大気の高速回転(スーパーローテーション)がどのように維持されているのかを明らかにした。
金星の分厚い大気は、自転の60倍ほどにも達する速さで回転していることが知られている。これをスーパーローテーションと呼ばれている。
スーパーローテーションは、何らかの加速機構がなければ維持できないことが知られているが、それがどのような機構であるかは、わかっていなかった。
今回、「あかつき」で得られた画像と温度データの詳細な分析より、この加速機構を担うのが、「熱潮汐波」であることが明らかになった。
地球の潮の満ち干に関わる海の潮汐波は、月の引力によって生み出されるが、大気中には昼間熱せられて夜冷却されることによる潮汐波が地球にも金星にも存在し、熱潮汐波と呼ばれている。
金星では、この熱潮汐波が、低緯度で大気の加速を担うことが重要であることが明らかになった。
これまで、大気中に存在する潮汐波以外の波や乱れ(乱流)も加速を担う候補として考えられてきたが、むしろその逆に働いていることも明らかになった。なお、それらは赤道を離れた中緯度において重要な役割を果たしていると考えられる。
これらの組み合わせにより、子午面循環によるゆっくりとした極向きの熱輸送と、スーパーローテーションによる速い夜側への熱輸送が両立するシステムが形成されて、太陽からの熱が効率的に分配されいる。
この研究により、「あかつき」計画の当初からの大きな目標が達成された。
宇宙航空研究開発機構(JAXA)および欧州宇宙機関(European Space Agency, ESA)は、国際水星探査計画「ベピコロンボ(BepiColombo)」の水星磁気圏探査機「みお」の地球スイングバイ後の軌道計測と計算を行い、「みお」が目標としていた軌道上を順調に航行していることを確認した。
「みお」は、地球スイングバイにおいて、地球の重力を利用して目標どおり約5km/sの減速を行いながら、2020年4月10日(金)13時24分57秒(日本時間)に地球に最接近し、南大西洋上空の12,689kmを通過した。
ESA深宇宙ネットワーク局の探査機運用により、現在「みお」の状態は正常であることを確認している。
「みお」に搭載した低エネルギー電子観測器(MPPE/MEA)によって太陽風および磁気圏の観測も行った。
今後は定期的な機能確認に加えて、2020年10月15日に予定している金星スイングバイのような惑星スイングバイや惑星間空間巡航時の科学観測運用を実施していく予定。
宇宙航空研究開発機構(JAXA)は、2019年12月16日に成功した小惑星探査機「はやぶさ2」からのX帯信号の受信(8GHz帯)に引き続き、2020年4月8日 午前3時15分頃(日本時間)に、Ka帯(32GHz帯)信号の受信に成功した。
Ka帯による深宇宙探査機信号の受信は国内で初めて。
Ka帯の利用により、探査機からのデータ伝送量をX帯に比べて増加させることが可能な見込みであることから、今後の探査機運用に大きく寄与することが期待されている。
今回、はやぶさ2からの電波を捉えたのは、JAXAが長野県佐久市で建設を進めている美笹深宇宙探査用地上局の直径54mのアンテナ。
今後は、新規開発中の固体電力増幅装置を用いたX帯(7GHz帯)による指令信号等の送信確認となる。 この確認を経て、美笹局は2021年4月からの本格稼働を予定している。
宇宙航空研究開発機構(JAXA)などの研究チームは、小惑星探査機「はやぶさ2」による小惑星「リュウグウ」の探査活動に基づく研究成果をまとめた論文が、イギリスの科学雑誌「Nature電子版」に2020年3月16日(日本時間3月17日)に掲載されたと発表した。
論文の内容は次の通り。
小惑星探査機「はやぶさ2」到着前の予測に反し、小惑星リュウグウは隙間だらけの物質でできた天体であることがわかった。
リュウグウのようなC型(炭素質)に分類される小惑星は46億年前の太陽系形成時の始原的物質を保存している「化石」と考えられる。しかし、どんな物質がどのように集まって形成した天体なのかは、ほとんどわかっていない。
同研究チームは「はやぶさ2」に搭載された中間赤外線カメラ(TIR)を用いて、史上初のC型小惑星の全球撮像を連続1自転分実施し、取得されたデータを解析した。
その結果、表層の岩塊も周辺土壌もほぼ同じ温度であることがわかった。また、温度の日変化は小さいこともわかった。このことから、リュウグウ表面は温まりやすく冷めやすい(熱慣性が極めて低い)物質で覆われていることがわかる。すなわち、リュウグウ地表の岩塊も周辺土壌も多孔質な物質だということを示唆している。
地球のような岩石天体は、太陽系初期にふわふわのダストが集まって成長し形成したと考えられている。
しかし、マイクロメートルサイズのふわふわとした(密度の低い)ダスト粒子から、密度の高い岩石天体へとどのように成長するのかは、解明されていない。同研究成果から、リュウグウはふわふわのダストから稠密な天体が形成する過程の途中にある天体かもしれないことがわかった。
宇宙航空研究開発機構(JAXA)は、地球に帰還中の惑星探査機「はやぶさ2」の状況を明らかにした。
これによると、イオンエンジンの1回目の運転を2019年12月にに終え、2020年5月ごろに2回めの運転を予定している。
そして、2020年末に、小惑星「りゅうぐう」で採取した資料入りのカプセルを、地球に持ち帰る予定。
宇宙航空研究開発機構(JAXA)は、小惑星探査機「はやぶさ2」が11月13日10時05分(日本標準時)に小惑星「リュウグウ」を出発したことを確認した。
今後は地球帰還に向けてイオンエンジンなどの搭載機器類のチェックを行う予定。
宇宙探査機「はやぶさ2」は、11月13日に小惑星「りゅうぐう」を出発し、地球へ向かい、2020年末地球へ到達する予定。
宇宙航空研究開発機構(JAXA)と春日電機は、共同で従来の真空除電技術と比べて100倍以上の速度で真空中の帯電した物体を除電することができる除電器の開発に世界で初めて成功した。
さらに、春日電機は、この共同研究の成果である技術を利用し、宇宙技術を活用したスピンオフ製品として「マイクロ波プラズマ除電処理システム」を開発した。
今後、JAXAは、将来の持続的な宇宙探査活動の実現を見据え、同成果を用いて静電気による真空下でのダスト制御の研究を進めて行く。
春日電機は、国内外に高機能フィルム材の真空蒸着装置をはじめとした様々な高真空産業機器用の除電器として同システムの販売を行う予定。