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チェロ・ジャズへの思い入れ Oscalypso / Erik Friedlander

2018-11-08 17:34:12 | チェロ無難


チェリスト、エリク・フリードランダーはロックであったり、フォークであったり、ジャズ、前衛といろいろなスタイルでチェロを弾くのだけれどその許容量の広さからニューヨークでは引っ張りだこだそうです。チェロを弾く人であればどこかの部分で必ず面白いと思うだろう。
もっと聴きたくて、今回3枚を注文したけれど、1枚は日本に在庫があってすぐに届いた。
2015年のアルバムで、副題が「Tribute to Oscar Pettiford」となっている。タイトル曲“Oscalypso”も含めすべて、ペティフォードの曲を演奏している。
このアルバムはジャンルは完全なジャズ、残念ながらメンバーは知らなかったけれど、ジョン・ゾーン関係の実力者たちと思う。
フリードランダーが58才で最年長、テナーが54才ドラムスが53才、ベースが50歳と(3年前だから三歳引くこと)まさに我が音を持った人たちという感じです。チェロの実力をわかっていたけれど、ウエストストコーストのサウンドを今風に、しっかりしたアレンジのとても良い作品になっています。
ダブルベースをメンバーにして、低温のリズムを安定させたうえで、サックスとベースとの音域でチェロがメロディとリズムで行き来する面白い演奏。マイケル・ブレイクという人はsaxophonesとしか表記がありませんが、バリトンのようにきこえたり、ハーモニックにふいたり音色も多彩です。テナーやソプラノも吹いていて、非常に厚みのあるサウンドを作っています。
ダブルベースが安定したビートをきざむので、チェロがピチカートにするとダブル・ベースのような効果があったり、チェロがアルコでメロディに入ると、二管のようにひびいたりでとても面白い。




この人ピッチカートで半分ぐらい演奏するのはジャズとしては良くわかる。チェロを演る人でピッチカートが得意ですとか好きという人は少ないかもしれない。かくいう私も大の苦手で、(左利きで右手の早い動きが苦手なのです)本当は好きでない。弓弾きで歌うのが一番好きだけれど、この人の技量だからいろいろ演ってしまう。
1曲目はアルコで最初イントロしてピチカートでリズム、テーマ・メロディはアルコでサックスとユニゾン、サウンドが多彩になって4人ではないようなサウンドです。チェロのピッチのソロからベースのソロにつながっていくところなどもとても厚みのあるサウンドです。
2曲目もホーン・セクションがいるのかと思うサウンドです。4曲目ではアルコで哀愁あるメロディを弾いてくれてこれはいい。これを試聴して買を決めました。
7曲目も同じようにアルコ度が強い。

オスカー・ペティフォードは1950年代に活躍したベーシストでモンクとところあたりできいていますが、実はチェロという楽器を初めてジャズに用いた人なのです。
音量などの問題でしょう、ビ・バップなどの当時の状況にはチェロはあわなかったのでしょう。その後もしばらくはチェロ・ジャズは少なかったのですが1955年のチコ・ハミルトンの「ブルーサンズ」では Fred Katzのチェロをいれて、我々世代には(?)懐かしいジャズです。
最近は音楽ジャンルの幅も広がり、音も拾えるようになって、ジャズのチェリストもかなりいます。(ラース・ダニエルソンなどチェロ度が増しているような気がする)
そんな中でのジャズ・チェロ創始者へのトリビュートということでこのアルバムとなったのでしょうがエリク・フリードランダーのチェロ・ジャズへの思い入れなのでしょう。
ペティフォードのチェロ・演奏場面は見つかりませんが、演奏はありました。



今回は完全にジャズだったけれど、次のこの人のチェロはどのようなことをしているのでしょう。


Oscalypso / Erik Friedlander

Erik Friedlander – cello
Michael Blake - saxophones
Trevor Dunn - bass
Mike Sarin - drums
All compositions by Oscar Pettiford.

1."Bohemia After Dark"
2."Oscalypso"
3."Cello Again"
4."Two Little Pearls"
5."Pendulum at Falcon's Lair"
6."Tricotism"
7."Tamalpais Love Song"
8."Cable Car"
9."Sunrise Sunset"


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