昨日の朝日新聞に、「オピニオン 貴女の「婚活」では結婚できませんよ 日本の家族を研究している中央大教授の山田昌弘さん」という記事がありました。
「婚活」(結婚活動)が盛んですが、どうして「婚活」が必要な時代になったのか、解説したコーナーです。
「婚活」という言葉は、2007年に生まれたのだそうです。
山田昌弘さん(中央大学教授、家族社会学専門)が、雑誌AERA(2007年11月5日号)で白河桃子さん(ジャーナリスト)の取材を受ける中で、「婚活」という言葉が生まれました。
山田さんと白河さんの共著『「婚活」時代』(2008年)もヒットし、言葉として定着しました。
Q.「なぜ、婚活が必要になったんですか?」の問いに、
構造的に結婚しにくい時代になっているからです。
バブル崩壊以降、自由化と規制緩和が進み、日本社会は劇的に変わりました。
若年層の非正規雇用が増え、若い夫の収入だけでは家計を支えるのが難しくなっている。
ところが、親にパラサイト(寄生)して暮らしてきた日本の未婚者は、とりあえず寂しくないし、お金の心配がないから、昔ながらの意識を変えない。
厳しい現実に触れようとせず、恋人はおろか異性の友人さえいない人が多すぎる。
だから、私と白河さんは、婚活を提唱したんです。
外へ出よう、動こうという運動です。
Q.当人は、格別結婚したいとは思っていないのでは?
未婚者の9割は、結婚したいと思っています。
Q.バブル前の結婚事情は、今とは違っていた?
かつては、未婚者がいれば、周りが結婚に向けておぜんだてをしてくれた。
1980年代に入ると、結婚は、就職と同様、自由化の波にさらされます。
自己責任で、いつ、だれと結婚してもいいことになると、理想と現実が離れて、かえって結婚しにくいというパラドックスが起こります。
Q.今どきの婚活実践者は何がいけないのでしょうか?
『「婚活」時代』でも書いたのですが、「男は仕事、女は家庭」という従来型の結婚観では、もう相手が見つからないですよ、と言いたいです。
Q.少数派になっていると思いますが?
最近、また増えているんです。
内閣府が実施した世論調査で「夫は外で働き、妻は家庭を守るべきである」という考えに賛成な人が、未婚者では、2002年の30.5%から、2007年の37.3%に上がっています。
既婚・未婚を合わせた数値でも、20代は33.2%から40.2%に、30代でも32.9%から35.0%に増えています。
Q.彼女たちのターゲットとなるのは?
安定した職業に就いている、高収入の男性です。
私のインタビュー調査でも、キャリア女性であろうと、フリーター女性であろうと、いつか高収入男性に見初められて結婚することを想定しています。
Q.男性のほうの婚活は、どうですか?
男性の意識は、この10年で大きく変わった。
専業主婦を望む声はぐっと減りました。
自分の収入だけでは豊かな生活を築く自身がなくなったことが大きいんでしょうけど。
ただし、受け身の男性はますます自分から動かなくなっている。
最初から現実の中で動くのをあきらめ、2次元や虚構の世界に行きがちです。
Q.主夫になる手もありそうですが?
主夫になっている男性を調べてみたこともあります。
とにかくみんな見た目がカッコいい。
コミュニケーション能力も高いし、考え方も柔軟。
普通の男性は、自助努力で社会的な能力を身につけ、定職について収入を上げていくほうが、むしろ簡単かもしれません。
Q.就職は義務ですけれど、結婚は義務じゃないですが?
フロイトは、愛することと働くことは、大人の基本的なあり方だと言っています。
私も同感です。
結婚の意義は、自分を大切に思い、必要としてくれる人を得る手段いや保証書みたいなものです。
この保証部分が恋愛と違う。
現代では、結婚は恋愛よりも格段に難しくなっているのです。
----------------
「婚活」が必要になり、でもなかなか結婚できない事情が分かりました。
女性の立場からは、個人的に聞く範囲では、
「何しろ仕事がきつい。これで子育てをしたら、ちゃんと子どもの相手をできずに育ててしまうことになる。
だから、子どもができたら、専業主婦になれる相手が欲しい。
上の世代の人を見ても、やはり、子どもはきちんと話を聞き、十分に時間を割いて相手をしてあげることが、子どもの情緒の安定のためにも必要だと実感したから。」 という理由から、高収入の男性を探すことになるということでした。
「婚活」(結婚活動)が盛んですが、どうして「婚活」が必要な時代になったのか、解説したコーナーです。
「婚活」という言葉は、2007年に生まれたのだそうです。
山田昌弘さん(中央大学教授、家族社会学専門)が、雑誌AERA(2007年11月5日号)で白河桃子さん(ジャーナリスト)の取材を受ける中で、「婚活」という言葉が生まれました。
山田さんと白河さんの共著『「婚活」時代』(2008年)もヒットし、言葉として定着しました。
Q.「なぜ、婚活が必要になったんですか?」の問いに、
構造的に結婚しにくい時代になっているからです。
バブル崩壊以降、自由化と規制緩和が進み、日本社会は劇的に変わりました。
若年層の非正規雇用が増え、若い夫の収入だけでは家計を支えるのが難しくなっている。
ところが、親にパラサイト(寄生)して暮らしてきた日本の未婚者は、とりあえず寂しくないし、お金の心配がないから、昔ながらの意識を変えない。
厳しい現実に触れようとせず、恋人はおろか異性の友人さえいない人が多すぎる。
だから、私と白河さんは、婚活を提唱したんです。
外へ出よう、動こうという運動です。
Q.当人は、格別結婚したいとは思っていないのでは?
未婚者の9割は、結婚したいと思っています。
Q.バブル前の結婚事情は、今とは違っていた?
かつては、未婚者がいれば、周りが結婚に向けておぜんだてをしてくれた。
1980年代に入ると、結婚は、就職と同様、自由化の波にさらされます。
自己責任で、いつ、だれと結婚してもいいことになると、理想と現実が離れて、かえって結婚しにくいというパラドックスが起こります。
Q.今どきの婚活実践者は何がいけないのでしょうか?
『「婚活」時代』でも書いたのですが、「男は仕事、女は家庭」という従来型の結婚観では、もう相手が見つからないですよ、と言いたいです。
Q.少数派になっていると思いますが?
最近、また増えているんです。
内閣府が実施した世論調査で「夫は外で働き、妻は家庭を守るべきである」という考えに賛成な人が、未婚者では、2002年の30.5%から、2007年の37.3%に上がっています。
既婚・未婚を合わせた数値でも、20代は33.2%から40.2%に、30代でも32.9%から35.0%に増えています。
Q.彼女たちのターゲットとなるのは?
安定した職業に就いている、高収入の男性です。
私のインタビュー調査でも、キャリア女性であろうと、フリーター女性であろうと、いつか高収入男性に見初められて結婚することを想定しています。
Q.男性のほうの婚活は、どうですか?
男性の意識は、この10年で大きく変わった。
専業主婦を望む声はぐっと減りました。
自分の収入だけでは豊かな生活を築く自身がなくなったことが大きいんでしょうけど。
ただし、受け身の男性はますます自分から動かなくなっている。
最初から現実の中で動くのをあきらめ、2次元や虚構の世界に行きがちです。
Q.主夫になる手もありそうですが?
主夫になっている男性を調べてみたこともあります。
とにかくみんな見た目がカッコいい。
コミュニケーション能力も高いし、考え方も柔軟。
普通の男性は、自助努力で社会的な能力を身につけ、定職について収入を上げていくほうが、むしろ簡単かもしれません。
Q.就職は義務ですけれど、結婚は義務じゃないですが?
フロイトは、愛することと働くことは、大人の基本的なあり方だと言っています。
私も同感です。
結婚の意義は、自分を大切に思い、必要としてくれる人を得る手段いや保証書みたいなものです。
この保証部分が恋愛と違う。
現代では、結婚は恋愛よりも格段に難しくなっているのです。
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「婚活」が必要になり、でもなかなか結婚できない事情が分かりました。
女性の立場からは、個人的に聞く範囲では、
「何しろ仕事がきつい。これで子育てをしたら、ちゃんと子どもの相手をできずに育ててしまうことになる。
だから、子どもができたら、専業主婦になれる相手が欲しい。
上の世代の人を見ても、やはり、子どもはきちんと話を聞き、十分に時間を割いて相手をしてあげることが、子どもの情緒の安定のためにも必要だと実感したから。」 という理由から、高収入の男性を探すことになるということでした。