LOS LONELY BOYS / ROCKPANGO
フジロック予習企画第6弾、ロス・ロンリー・ボーイズです!!
今年2月に待望の初来日を果たしたテキサス生まれのラテン系ブルース・ロック3兄弟、ロス・ロンリー・ボーイズ。東京一夜限りのライヴはWOWOWで生中継されたので、テレビ越しに彼らのステージを生体験された方々も沢山いらっしゃったことでしょう。実はかく言う私もテレビ組でした…。画面から溢れんばかりのテハーノ流テキサス・ブルース・ロックに、ああ~やっぱり行っとけば良かった~!っと後悔しきり。ですがそこへフジロック出演決定の報! 願ったり叶ったりですよ!
私が初めてロス・ロンリー・ボーイズを意識したのは05年のグラミー賞。もちろんヒット曲の「Heaven」ぐらいは聴いたこと有ったと思いますけど、なんて言いますか、いわゆる“売れ線”のバンドだと思ってさほど注目してなかったんですよね。で、この時のグラミー賞でロス・ロンリー・ボーイズは栄えあるオープニング・パフォーマンスの大役を果たしたんです。とは言えこの年のオープニングは5アーティストのメドレーによるパフォーマンスだったんですけどね。ちなみにその5アーティストとは、ブラック・アイド・ピース、グウェン・ステファニー&イヴ、ロス・ロンリー・ボーイズ、マルーン5、フランツ・フェルディナンドの5組。ロス・ロンリー・ボーイズはブラック・アイド・ピース、グウェン・ステファニー&イヴに続いて3番手で登場。客席中程に作られた小さなステージで「Heaven」を披露しました。
ポップな曲調と爽やかなメロディーが印象的なこの曲ですが、やはり“売れ線”のイメージながら、乾いた音色でゴリゴリとしたブルージーなカッティングを決めるギターが格好良かった!このギターはただ者ではないと思いましたね。一見爽やかなヴォーカル・ハーモニーも聴けば聴く程に男臭い骨太さを感じさせる。そして芯の強いグルーヴ。これはただの“売れ線”ロック・バンドではないと、俄然興味が沸いたんです。
メンバーは、テキサス州サン・アンジェロ出身のメキシコ系アメリカ人、ヘンリー(vo、g)、ジョジョ(vo、b)、リンゴ(vo、cho、ds)の、ガルザ3兄弟。彼らの父親エンリケ・ガルザはテックス・メックス系のグループで活躍するミュージシャンだったそうで、3兄弟も10代の頃から父のバンドに加わり鍛え上げられたそうです。やがて3兄弟は独立しロス・ロンリー・ボーイズを名乗り、自主制作での作品リリースを経て04年に「LOS LONELY BOYS」でメジャー・デビュー。その1stアルバムがいきなり大ヒットし、その翌年のグラミー賞では主要部門である『最優秀新人賞』を含む4部門でノミネート。そして「Heaven」で見事『最優秀ポップ・グループ』部門を受賞しました。先のオープニング・パフォーマンスを披露したのもこの時でした。
やはりロス・ロンリー・ボーイズの魅力と言うのは、まず骨太なブルース・ロック・バンドであることと、グラミー賞のポップ部門を受賞しオープニングに抜擢される程の、メインストリームなメロディー・センスが両立していること。そしてそのバック・ボーンにテックス・メックスがあることでしょうね。テックス・メックス系のバンドでこれ程までにメジャー感を打ち出せるバンドはそうそうないですし、しかもブルース・ロックとしての骨太さを失わずにですからね。彼らの音楽からは、何やら熱いスピリッツを感じさせられずには居られません。
そんなロス・ロンリー・ボーイズの最新作が、昨年リリースされた「ROCKPANGO」(写真上)です。彼らにとって4枚目のスタジオ作(クリスマス・アルバムを除く)で、初の単独セルフ・プロデュースだそう。タイトルの「ROCKPANGO」とは、“Rock”と、パーティーを意味する“Pango”を掛け合わせた彼らの造語だそうです。つまりロック・パーティーですね。
1曲目「American Idle」からヘンリー・ガルザのテキサス・スタイルなギター・リフが炸裂。このストラトから鳴らされる太い音色とファンキーな感覚はスティーヴィー・レイヴォーンからの影響を感じさせられますね。ラテンな感覚とヘヴィーなブルース・フィーリングが交わる「Love In My Veins」、ローカル色豊かな独特のグルーヴを醸す「16 Monkeys」、スクラッチ音やラップなどヒップホップ風味を覗かせる「Porn Star」など、テキサスならではのミクスチャーなブルース・ロックに嬉しくなります。なかでもタイトル曲「Rockpango」でのジミヘンばりのギター・リフがグイグイと突き進んでいく感じは痺れますね。実は“Pango”にはパーティーの他に、メキシコのダンス・ミュージックであるファパンゴ(Huapango)の意味も含ませているようで、この曲「Rockpango」はそのファパンゴのリズムをベースにしているとか。
さらにアコースティックな質感がポップに弾ける「Fly Away」、メロウなメロディと兄弟のハーモニーが秀逸な「Road To Nowhere」などは、彼らのソング・ライター/メロディー・メイカーとしての魅力を存分に味合わせてくれます。ストリングスが印象的なスロー・ナンバー「Smile」も良い曲ですね~。それにしても、こういったメロディアスな曲を散りばめつつ、ラテン、カントリー、ハードロック、ヒップホップなどジャンルの垣根を容易く越えながらロス・ロンリー・ボーイズというパワフルなブルース・ロックに集約させてしまうあたりは、さすが天晴なバンドですよね!
そんなロス・ロンリー・ボーイズのフジロック、楽しみですね~。野外で聴く彼らのライヴはまた格別でしょうね。もちろん先の東京一夜限りのステージも最高でしたけどね(私はテレビ観戦でしたが…)。あれはクラブクアトロという小さな箱で、ゲスト無しのトリオだけというスタイルが逆に濃密でしたね。ギター&ベース&ドラムスが織りなすアグレッシヴなうねり。心地良いメロディー・ラインとハーモニー。兄弟なので息もぴったりですしね。で、やはりヘンリー・ガルザのギターですよ!!ホント切れ味抜群でした。哀愁溢れる泣きのギターにも痺れました。さらにベースのジョジョ・ガルザもかなりのテクニシャン。6弦ベースで早弾きも含めてヘンリーに負けず劣らずの存在感でしたね。そしてその2人のテンションをグイグイと押し上げるようにパワフルなリズムを叩くリンゴ。強烈です!! きっとフジロックでもエネルギッシュなライヴを見せてくれることでしょう!
LOS LONELY BOYS / LOS LONELY BOYS
グラミー受賞曲「Heaven」を収録した彼らのデビュー・アルバム。04年リリース作品。
~関連過去ブログ~ お時間有ったらぜひ!
12.06.12 フジロック予習:上原ひろみ ザ・トリオ・プロジェクト(その2)
12.06.06 フジロック予習:上原ひろみ ザ・トリオ・プロジェクト(その1)
12.05.30 フジロック予習:マイケル・キワヌカ
12.05.25 フジロック予習:トゥーツ&ザ・メイタルズ
12.05.08 フジロック予習:ギャラクティック
12.03.20 フジロック予習:チェ・スダカ
12.06.07 フジロック第8弾&ステージ割!!
12.06.01 フジロック第7弾!
12.05.15 フジロック第6弾!
12.05.02 フジロック第5弾&日割り!!
12.04.19 フジロック第4弾!!
12.03.30 フジロック第3弾!
12.03.15 フジロック第2弾!!
12.03.01 フジロック第1弾!!
フジロック予習企画第6弾、ロス・ロンリー・ボーイズです!!
今年2月に待望の初来日を果たしたテキサス生まれのラテン系ブルース・ロック3兄弟、ロス・ロンリー・ボーイズ。東京一夜限りのライヴはWOWOWで生中継されたので、テレビ越しに彼らのステージを生体験された方々も沢山いらっしゃったことでしょう。実はかく言う私もテレビ組でした…。画面から溢れんばかりのテハーノ流テキサス・ブルース・ロックに、ああ~やっぱり行っとけば良かった~!っと後悔しきり。ですがそこへフジロック出演決定の報! 願ったり叶ったりですよ!
私が初めてロス・ロンリー・ボーイズを意識したのは05年のグラミー賞。もちろんヒット曲の「Heaven」ぐらいは聴いたこと有ったと思いますけど、なんて言いますか、いわゆる“売れ線”のバンドだと思ってさほど注目してなかったんですよね。で、この時のグラミー賞でロス・ロンリー・ボーイズは栄えあるオープニング・パフォーマンスの大役を果たしたんです。とは言えこの年のオープニングは5アーティストのメドレーによるパフォーマンスだったんですけどね。ちなみにその5アーティストとは、ブラック・アイド・ピース、グウェン・ステファニー&イヴ、ロス・ロンリー・ボーイズ、マルーン5、フランツ・フェルディナンドの5組。ロス・ロンリー・ボーイズはブラック・アイド・ピース、グウェン・ステファニー&イヴに続いて3番手で登場。客席中程に作られた小さなステージで「Heaven」を披露しました。
ポップな曲調と爽やかなメロディーが印象的なこの曲ですが、やはり“売れ線”のイメージながら、乾いた音色でゴリゴリとしたブルージーなカッティングを決めるギターが格好良かった!このギターはただ者ではないと思いましたね。一見爽やかなヴォーカル・ハーモニーも聴けば聴く程に男臭い骨太さを感じさせる。そして芯の強いグルーヴ。これはただの“売れ線”ロック・バンドではないと、俄然興味が沸いたんです。
メンバーは、テキサス州サン・アンジェロ出身のメキシコ系アメリカ人、ヘンリー(vo、g)、ジョジョ(vo、b)、リンゴ(vo、cho、ds)の、ガルザ3兄弟。彼らの父親エンリケ・ガルザはテックス・メックス系のグループで活躍するミュージシャンだったそうで、3兄弟も10代の頃から父のバンドに加わり鍛え上げられたそうです。やがて3兄弟は独立しロス・ロンリー・ボーイズを名乗り、自主制作での作品リリースを経て04年に「LOS LONELY BOYS」でメジャー・デビュー。その1stアルバムがいきなり大ヒットし、その翌年のグラミー賞では主要部門である『最優秀新人賞』を含む4部門でノミネート。そして「Heaven」で見事『最優秀ポップ・グループ』部門を受賞しました。先のオープニング・パフォーマンスを披露したのもこの時でした。
やはりロス・ロンリー・ボーイズの魅力と言うのは、まず骨太なブルース・ロック・バンドであることと、グラミー賞のポップ部門を受賞しオープニングに抜擢される程の、メインストリームなメロディー・センスが両立していること。そしてそのバック・ボーンにテックス・メックスがあることでしょうね。テックス・メックス系のバンドでこれ程までにメジャー感を打ち出せるバンドはそうそうないですし、しかもブルース・ロックとしての骨太さを失わずにですからね。彼らの音楽からは、何やら熱いスピリッツを感じさせられずには居られません。
そんなロス・ロンリー・ボーイズの最新作が、昨年リリースされた「ROCKPANGO」(写真上)です。彼らにとって4枚目のスタジオ作(クリスマス・アルバムを除く)で、初の単独セルフ・プロデュースだそう。タイトルの「ROCKPANGO」とは、“Rock”と、パーティーを意味する“Pango”を掛け合わせた彼らの造語だそうです。つまりロック・パーティーですね。
1曲目「American Idle」からヘンリー・ガルザのテキサス・スタイルなギター・リフが炸裂。このストラトから鳴らされる太い音色とファンキーな感覚はスティーヴィー・レイヴォーンからの影響を感じさせられますね。ラテンな感覚とヘヴィーなブルース・フィーリングが交わる「Love In My Veins」、ローカル色豊かな独特のグルーヴを醸す「16 Monkeys」、スクラッチ音やラップなどヒップホップ風味を覗かせる「Porn Star」など、テキサスならではのミクスチャーなブルース・ロックに嬉しくなります。なかでもタイトル曲「Rockpango」でのジミヘンばりのギター・リフがグイグイと突き進んでいく感じは痺れますね。実は“Pango”にはパーティーの他に、メキシコのダンス・ミュージックであるファパンゴ(Huapango)の意味も含ませているようで、この曲「Rockpango」はそのファパンゴのリズムをベースにしているとか。
さらにアコースティックな質感がポップに弾ける「Fly Away」、メロウなメロディと兄弟のハーモニーが秀逸な「Road To Nowhere」などは、彼らのソング・ライター/メロディー・メイカーとしての魅力を存分に味合わせてくれます。ストリングスが印象的なスロー・ナンバー「Smile」も良い曲ですね~。それにしても、こういったメロディアスな曲を散りばめつつ、ラテン、カントリー、ハードロック、ヒップホップなどジャンルの垣根を容易く越えながらロス・ロンリー・ボーイズというパワフルなブルース・ロックに集約させてしまうあたりは、さすが天晴なバンドですよね!
そんなロス・ロンリー・ボーイズのフジロック、楽しみですね~。野外で聴く彼らのライヴはまた格別でしょうね。もちろん先の東京一夜限りのステージも最高でしたけどね(私はテレビ観戦でしたが…)。あれはクラブクアトロという小さな箱で、ゲスト無しのトリオだけというスタイルが逆に濃密でしたね。ギター&ベース&ドラムスが織りなすアグレッシヴなうねり。心地良いメロディー・ラインとハーモニー。兄弟なので息もぴったりですしね。で、やはりヘンリー・ガルザのギターですよ!!ホント切れ味抜群でした。哀愁溢れる泣きのギターにも痺れました。さらにベースのジョジョ・ガルザもかなりのテクニシャン。6弦ベースで早弾きも含めてヘンリーに負けず劣らずの存在感でしたね。そしてその2人のテンションをグイグイと押し上げるようにパワフルなリズムを叩くリンゴ。強烈です!! きっとフジロックでもエネルギッシュなライヴを見せてくれることでしょう!
LOS LONELY BOYS / LOS LONELY BOYS
グラミー受賞曲「Heaven」を収録した彼らのデビュー・アルバム。04年リリース作品。
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