ルーツな日記

ルーツっぽい音楽をルーズに語るブログ。
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ノラ・ジョーンズ探検隊 その10

2013-11-09 12:45:42 | SSW
VINICIUS CANTUARIA / INDIO DE APARTAMENTO

現在来日中のヴィニシウス・カントゥアリア。1951年ブラジルに生まれる。70年代後半からカエターノ・ヴェローゾのバンドでその才能を開花させ、80年代にはソロ・キャリアをスタート。94年にニューヨークへ渡り、かの地でアート・リンゼイ、坂本龍一、ビル・フリゼール達と濃密なコラボレーションを続けてきた才人。

そんな彼が昨年リリースした最新ソロ作が写真の「INDIO DE APARTAMENTO」です。ここで1曲ながらノラ・ジョーンズがピアノを弾いています。ヴィニシウスがアコギを弾き語り、そこにノラがピアノの美しい音色を添えるというデュオで録音された約1分40秒の小曲「Quem Sou Eu」。ノラのあの声を聴けないのは残念と言えば残念ですが、1音目からノラらしいタッチのピアノは流石の存在感。その何処かノスタルジックな響きがとても美しく、ヴィニシウスの優しく揺れるような歌とギターに見事に溶け合っています。これはただただ“素敵”としか言いようがありません。

他にも坂本龍一、ビル・フリゼール、ジェシー・ハリス、ダヂ、マリオ・ラジーニャなどがゲストで参加。ヴィニシウスは歌とギターはもちろん、ドラムス、パーカッション、作曲、プロデュースと、マルチな才能を見せながらも、「アパート暮らしのインヂオ」というタイトルから連想させられる、例えば異国情緒の中の孤独感のような感性と、何所か思索に満ちたトーンが秀逸。ブラジルの深いところからニューヨークの先鋭を詩的な歌心で繋ぎ合わせるような、繊細且つ冒険心に溢れた1枚。ノラ・ジョーンズ側から観れば、ジェシー・ハリス、ビル・フリーゼルというお馴染みのニューヨーク人脈がヴィニシウスの作品上で相見えているというのがまた興味深いところ。






*ヴィニシウス・カントゥアリアと言えば、今年の5月、ジェシー・ハリス、ダヂと共にトリオ・エストランジェイロスで来日したばかりですが、今回は丸の内コットンクラブにてアントニオ・カルロス・ジョビンの名曲をソロで綴るステージを披露してくれるそう。公演は今日11月9日まで。 ちなみに、それとは別にジェシー・ハリスもこの11月に来日し、都内各所でイベントを行うようです。




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