ルーツな日記

ルーツっぽい音楽をルーズに語るブログ。
現在、 フジロック ブログ と化しています。

ジョン・オーツ@新宿タワーレコード

2012-04-08 16:51:06 | インストアイベント
インストア・イベント観覧記その6 JOHN OATES@新宿タワーレコード


4月7日、ブルーノート公演のため来日中のジョン・オーツが、なんと新宿タワーレコードでインストア・ライヴを行ないました。あのホール&オーツのジョン・オーツですよ!!

実は私、中学生の頃ホール&オーツが大好きだったんですよね~。ちょうど「Private Eyes」や「Maneater」の頃です。ですが当時は圧倒的にダリル・ホールの方が好きでした。子供心にもあのダリルの歌声っていうのは痺れるものがありましたし、背が高くて格好良かったですからね。で、ジョン・オーツはと言いますと、そのダリルの後ろでちょろちょろギターを弾いてる人(「Private Eyes」のPVの印象が強い…。)というイメージ。すいません…。でもそんなお子様だった私も様々なフィーリングが分かる大人になって、あらためてホール&オーツを聴き返してみると、意外とジョン・オーツのソウルフルな歌声に耳を奪われるんですよ。「She's Gone」、「How Does It Feel To Be Back」、「Back Together Again」、「When Sometimes Is Wrong With My Baby」など、ジョンのねっとりとした黒いソウルネスにやられまくりです。このホール&オーツにおけるジョンの黒いフィーリングって言うのは、あの子供の頃には分かりませんでしたね~。

そんなジョン・オーツが昨年リリースした最新ソロ作「MISSISSIPPI MILE」は、まさにジョン・オーツ流のブルース・アルバムといった趣きで、我々ルーツ好きの間でもかなり話題になったアルバムでした。正直、若い頃のホール&オーツしか知らない私なんかには、ジョン・オーツがこれ程までに土臭いブルース・フィーリングを持った作品を作ったのは意外でしたし、ジョンの歌声そのもののざらついた質感にも驚きました。でもこれは凄く良いですよ! そして今年になってその世界をそのままライヴ盤としたような「THE BLUESVILLE SESSIONS」をリリース。さらにそれらを引っさげてのソロ来日公演が実現と、ノリにノッてるジョン・オーツなのです!


さて、ようやく本題。この日のインストア・イベントです。ほぼ定刻に拍手で迎えられて登場したジョン・オーツ。いたってカジュアルな雰囲気でアコースティック・ギターの弾き語り。サポートにはおそらくバック・バンドのドラマーさんと思われる方が、タンバリンやマラカスだったかな?とにかく手で振る系のパーカッションでリズムとコーラスを添えるだけ。そんな2人だけによるアコースティック・ミニ・ライヴ。

てっきり新作からの曲でブルージーな世界を聴かせてくれるのかと思いきや、いきなりホール&オーツ時代の初期曲「Las Vegas Turnaround」でスタート。超意外! そう来たか!って感じ。そう言えばこの曲もジョンの歌声が印象的な曲でしたね。サラッとした美しいメロディ・ラインに、ジョンならではのソウルが染み入ります。やはりジョンの歌声っていうのは味わい深いですね。そして「How Does It Feel To Be Back」。ホール&オーツ曲の中でもジョン・オーツの歌唱が光る屈指の名曲ですね。ホール&オーツのポップな感じとはまったく違う、アコギのコード感を活かしたフォーキーなアレンジがまた秀逸でした。ラストは大ヒット曲「Maneater」。子供の頃にさんざん聴いたこの曲、なんか感慨深かったです。よりブルージーなアレンジとジョンの黒いフィーリングが格好良く、今の私には断然こっちの方が好み!

たった3曲だったとは言え、全てホール&オーツ時代の曲というサービス振りもさることながら、インストアという明るく狭い空間だったこともあり、妙にアットホームな雰囲気で楽しいライヴでした。ジョンも終始上機嫌のように見えました。しかもこの日はジョンの誕生日だったんですよ。なのでMCでは自分が今日誕生日なことを強調したりしてて、なんか可愛かったです。今夜のブルーノートにはケーキを持って来て!みたいなジョークも言っていたような。あと途中でラグタイム調の短いインスト曲を弾きはじめ、華麗な弦捌きを披露してくれたりもしました。

そしてライヴの後はお楽しみのサイン会。もちろん私もサインを頂きました。そしてテーブルの上には誕生日プレゼントが積み上げられてました。私も何か用意して行けば良かったかな~。



JOHN OATES BAND / THE BLUESVILLE SESSIONS
こちらはサインを頂いた最新ライヴ盤。バンド名義になっているだけのことはあり、スタジオ作に比べてライヴならではのバンド感に溢れています。決して派手ではないですが、アダルトな渋みを伴うタイトなグルーヴ感が心地良い。もちろんブルージー且つソウルフル。エモーショナルに唸るように歌うジョンの歌声にも痺れます。オリジナルの「Mississippi Mile」、コースターズの「Searchin'」、インプレッションズの「It's All Right」、プレスリーの「All Shook Up」、ミシシッピー・シークスで知られる古典「Sittin' On Top Of The World」など。クリス・ケナーのニューオーリンズR&B「Something You Got」が取り上げられているのも嬉しい。さらにインストア・イベントでも演ったホール&オーツの「Maneater」。この曲って元々はジョンのアイデアから出来た曲なんですよね~。