「ルーツな日記」的フジロック・ベストアクト企画。今回は惜しくもベスト5から漏れてしまったアーティスト特集のパート2。ではどうぞ!
KENSINGTON HILLBILLYS@木道亭 7/30, @GYPSY AVALON 7/31
土曜の午後、グリーンでG. ラヴ&スペシャル・ソースを観たあと、ボードウォークを使って奥へ向かう途中、偶然、木道亭で出くわしたケンジングトン・ヒルビリーズ。な~んて感じだとフェスっぽくて良いんですけどね、私の場合はもちろんタイムテーブル片手の計画的偶然です…。さて、このケンジングトン・ヒルビリーズ、カナダはトロントで結成されたカントリー・バンドだそうですが、私はまったく知らないバンドでした。フジロック・オフィシャル・サイトのプロフィールには、彼等がクラッシュをトリビュートした事を中心に書かれている印象なので、もう少しパンキッシュなのかと思っていましたが、これがもうカントリー、ド真ん中! ギタリストは多少ロッキンなキレを見せてくれますが、それも至ってカントリー的。ヴォーカリストのちょっぴりやさぐれた声もアウトロー感たっぷり。そして何と言ってもスティール・ギターですよ! これは気持ちよかった!まさに森の木々に溶け込むようなサウンドでしたね。そして翌日の最終日にも、今度はアヴァロンで彼等を観ました。最初はまばらだった観客達もライヴが進むにつれ集まってきて、ステージ前方ではみんな楽しそうに踊りまくってましたね。最後に演ったジョニー・キャッシュで知られる「Cocaine Blues」は格好良かった!!
JOJO SWING QUINTET@CAFE DE PARIS 7/30
フジロック再奥の小屋、カフェ・ド・パリで観たジョジョ・スウィング・カルテット。これもまったく知らないバンドでした。ジャズ・マヌーシュ/ジプシー・スウィングのバンドという事でしたが、フジロックが呼ぶぐらいですから、エグ味のあるミクスチャーかと思いきや、これが思いの他、正統派のスウィングを聴かせてくれました。おそらくこのバンドの中心人物であろうドラマーのジョジョ・ゴミス、彼は曲によってはウォッシュボードをチャカチャカやるんですが、これが上手い! ニューオーリンズやジャグバンドのスタイルとはちょっと違う切れ味でしたね。そして二人のギタリストがまた凄かった! 両人ともジャンゴ・ラインハルトに影響を受けてるそうですが、 驚異的なテクニックによるジプシー・スタイルのギターを思う存分に堪能させ頂きました。また紅一点の女性シンガーも、ジャジー&スウィンギーな素晴らしい歌声を聴かせてくれました。途中、ステージ前方のお立ち台へ歩を進ませ、小屋内の観客全員を巻き込んでのダンス・レッスンからのダンス大会へと雪崩れ込むエンターテイナー振りも流石でした! こういうステージを観るとフジロックって奥が深いな、と思いますよね。しかもこの後、カフェ・ド・パリは、セクシーなテキーラ・ガール達のポール・ダンス、さらに猥雑極まりないビッグ・ウィリーズ・バーレスクのステージへと続いた訳ですからね~。
なぎら健壱&OWN RISK@ORANGE COAT 7/31
意外な程に大盛況だった、なぎら健壱&OWN RISK。3日間雨模様だった天気も何故かこの時だけ快晴。歌い終わった後、自ら『フジロックの歴史を変えた』と賞した「いっぽんでもニンジン」とか、決して放送出来そうも無い「与作」の替え歌とか、フジロックとは思えない瞬間の連続に観客も沸きまくる。他には「労無者とはいえ」とか、「東スポ博士」とか、「風にふかれた頃」とか歌ってたのかな。なんて言いますか、なぎら健壱と言えばやはりフォークな印象が強い訳ですが、これが案外カントリー・テイスト濃厚だったりで嬉しかったですね。なにせ、なぎらさんを中心にフロントの3人はテンガロン・ハットで決めてましたからね。で、ここでもスティール・ギターの響きが良かった! あと優し気ななぎらさんの歌声も、苗場の森にぴったりな心地良さでしたね。でもって、曲間にさりげなく呟く毒もまた気持ち良い! 最後は「夜風に乾杯」で『酒飲め!酒飲め!酒を飲んで忘れちまえ~!』と憂いの全てを吹き飛ばすように終了。天晴でした!
TINARIWEN@FIELD OF HEAVEN 7/31
ついにフジロックに襲来した砂漠のブルース、ティナリウェン。サハラ砂漠に住むトゥアレグ族によるグループ。紺や紫など鮮やかな色彩の民族衣装に、白や黒のターバンで顔を覆うという独特のスタイルで登場。明らかに他のロック・アクトとは雰囲気からして違います。パーカッションとギター2本&ベースという編成ながら、それぞれが曲ごとに楽器を持ち替えたり。そしてそのサウンドはとにかくジワジワと来る。ギターが爪弾くベロベロとした反復フレーズはなるほどミシシッピ・ブルースに通じるものがあるものの、リズムの持つドロリとした連続性はやはりアフリカ。さらに吟ずるような歌声と共にそれらは複雑に絡み合いながらトリップ感を醸す。まるでジワジワと砂漠に取り憑かれていくような感覚。たいした盛り上がりがあった訳でもないのに、“なにか凄い体験をした”感満載の砂漠のブルース!!
とまあ、こんなところですが、他にも、60歳代とは思えない元気なパフォーマンスで“ポップ・ミュージックの魔術師”ぶりを見せつけてくれたトッド・ラングレンとか、たった2曲程しか観れなかったけど、貫禄の歌声を聴かせてくれたサム・ムーアとか、内田勘太郎をバックに向かえて憂歌団時代の曲を歌った木村充揮とか、そんなあたりも印象的でした。まあ、とにかく今年も素晴らしいライヴの目白押しでしたね~。なんてしんみり…。
さて、これで当ブログのベストアクト企画も残すところベスト2の発表のみとなった訳ですが、もう、どうでも良い感じですかね? とりあえずその前に「何でもベスト5」的な企画をやろうかな? だって、まだまだフジロックのこと書きたいし~、みたいな。
~関連過去ブログ~ お時間有ったらぜひ!
11.09.29 フジロック・ベストアクト 番外編 その1
11.09.23 フジロック・ベストアクト第3位! アマドゥ&マリアム
11.09.19 フジロック・ベストアクト第4位! ウィルコ
11.09.17 フジロック・ベストアクト第5位! マーク・リボーと偽キューバ人達
11.08.05 フジロックの10曲!
KENSINGTON HILLBILLYS@木道亭 7/30, @GYPSY AVALON 7/31
土曜の午後、グリーンでG. ラヴ&スペシャル・ソースを観たあと、ボードウォークを使って奥へ向かう途中、偶然、木道亭で出くわしたケンジングトン・ヒルビリーズ。な~んて感じだとフェスっぽくて良いんですけどね、私の場合はもちろんタイムテーブル片手の計画的偶然です…。さて、このケンジングトン・ヒルビリーズ、カナダはトロントで結成されたカントリー・バンドだそうですが、私はまったく知らないバンドでした。フジロック・オフィシャル・サイトのプロフィールには、彼等がクラッシュをトリビュートした事を中心に書かれている印象なので、もう少しパンキッシュなのかと思っていましたが、これがもうカントリー、ド真ん中! ギタリストは多少ロッキンなキレを見せてくれますが、それも至ってカントリー的。ヴォーカリストのちょっぴりやさぐれた声もアウトロー感たっぷり。そして何と言ってもスティール・ギターですよ! これは気持ちよかった!まさに森の木々に溶け込むようなサウンドでしたね。そして翌日の最終日にも、今度はアヴァロンで彼等を観ました。最初はまばらだった観客達もライヴが進むにつれ集まってきて、ステージ前方ではみんな楽しそうに踊りまくってましたね。最後に演ったジョニー・キャッシュで知られる「Cocaine Blues」は格好良かった!!
JOJO SWING QUINTET@CAFE DE PARIS 7/30
フジロック再奥の小屋、カフェ・ド・パリで観たジョジョ・スウィング・カルテット。これもまったく知らないバンドでした。ジャズ・マヌーシュ/ジプシー・スウィングのバンドという事でしたが、フジロックが呼ぶぐらいですから、エグ味のあるミクスチャーかと思いきや、これが思いの他、正統派のスウィングを聴かせてくれました。おそらくこのバンドの中心人物であろうドラマーのジョジョ・ゴミス、彼は曲によってはウォッシュボードをチャカチャカやるんですが、これが上手い! ニューオーリンズやジャグバンドのスタイルとはちょっと違う切れ味でしたね。そして二人のギタリストがまた凄かった! 両人ともジャンゴ・ラインハルトに影響を受けてるそうですが、 驚異的なテクニックによるジプシー・スタイルのギターを思う存分に堪能させ頂きました。また紅一点の女性シンガーも、ジャジー&スウィンギーな素晴らしい歌声を聴かせてくれました。途中、ステージ前方のお立ち台へ歩を進ませ、小屋内の観客全員を巻き込んでのダンス・レッスンからのダンス大会へと雪崩れ込むエンターテイナー振りも流石でした! こういうステージを観るとフジロックって奥が深いな、と思いますよね。しかもこの後、カフェ・ド・パリは、セクシーなテキーラ・ガール達のポール・ダンス、さらに猥雑極まりないビッグ・ウィリーズ・バーレスクのステージへと続いた訳ですからね~。
なぎら健壱&OWN RISK@ORANGE COAT 7/31
意外な程に大盛況だった、なぎら健壱&OWN RISK。3日間雨模様だった天気も何故かこの時だけ快晴。歌い終わった後、自ら『フジロックの歴史を変えた』と賞した「いっぽんでもニンジン」とか、決して放送出来そうも無い「与作」の替え歌とか、フジロックとは思えない瞬間の連続に観客も沸きまくる。他には「労無者とはいえ」とか、「東スポ博士」とか、「風にふかれた頃」とか歌ってたのかな。なんて言いますか、なぎら健壱と言えばやはりフォークな印象が強い訳ですが、これが案外カントリー・テイスト濃厚だったりで嬉しかったですね。なにせ、なぎらさんを中心にフロントの3人はテンガロン・ハットで決めてましたからね。で、ここでもスティール・ギターの響きが良かった! あと優し気ななぎらさんの歌声も、苗場の森にぴったりな心地良さでしたね。でもって、曲間にさりげなく呟く毒もまた気持ち良い! 最後は「夜風に乾杯」で『酒飲め!酒飲め!酒を飲んで忘れちまえ~!』と憂いの全てを吹き飛ばすように終了。天晴でした!
TINARIWEN@FIELD OF HEAVEN 7/31
ついにフジロックに襲来した砂漠のブルース、ティナリウェン。サハラ砂漠に住むトゥアレグ族によるグループ。紺や紫など鮮やかな色彩の民族衣装に、白や黒のターバンで顔を覆うという独特のスタイルで登場。明らかに他のロック・アクトとは雰囲気からして違います。パーカッションとギター2本&ベースという編成ながら、それぞれが曲ごとに楽器を持ち替えたり。そしてそのサウンドはとにかくジワジワと来る。ギターが爪弾くベロベロとした反復フレーズはなるほどミシシッピ・ブルースに通じるものがあるものの、リズムの持つドロリとした連続性はやはりアフリカ。さらに吟ずるような歌声と共にそれらは複雑に絡み合いながらトリップ感を醸す。まるでジワジワと砂漠に取り憑かれていくような感覚。たいした盛り上がりがあった訳でもないのに、“なにか凄い体験をした”感満載の砂漠のブルース!!
とまあ、こんなところですが、他にも、60歳代とは思えない元気なパフォーマンスで“ポップ・ミュージックの魔術師”ぶりを見せつけてくれたトッド・ラングレンとか、たった2曲程しか観れなかったけど、貫禄の歌声を聴かせてくれたサム・ムーアとか、内田勘太郎をバックに向かえて憂歌団時代の曲を歌った木村充揮とか、そんなあたりも印象的でした。まあ、とにかく今年も素晴らしいライヴの目白押しでしたね~。なんてしんみり…。
さて、これで当ブログのベストアクト企画も残すところベスト2の発表のみとなった訳ですが、もう、どうでも良い感じですかね? とりあえずその前に「何でもベスト5」的な企画をやろうかな? だって、まだまだフジロックのこと書きたいし~、みたいな。
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