ルーツな日記

ルーツっぽい音楽をルーズに語るブログ。
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フジロック・ベストアクト第4位!

2011-09-19 20:50:24 | フジロック
WILCO / WILCO (THE ALBUM)

フジロック・ベストアクト第4位! ウィルコです!!

フジロック最終日、グリーンズテージでは大トリのケミカル・ブラザーズがドムドム、バキバキ言わせていた興奮の時間帯、裏のホワイト・ステージにトリとして登場したのがウィルコでした。オルタナ・カントリーの先鞭を付けたバンドであり、現在はアメリカン・ロックの至宝とまで賞されるウィルコ。私にとってはこのウィルコが夢の3日間を締めるメイン中のメインでした!

ステージが始まる前、独特の静けさに包まれるホワイト・ステージ。そこにウィルコのメンバー6人が登場。フロントはもちろんジェフ・トウィーディ。1曲目は耳馴染みのない曲ながらウィルコらしい緊張感が感じらる曲。そしてその緊張感に溶け込むようなジェフの声。これぞウィルコ! 2曲目は最新作「WILCO (THE ALBUM)」収録曲の中でも最もアヴァンギャルドな「Bull Black Nova」。個人的には今回のステージのハイライト的な曲になるのでは?と秘かに期待していただけに、まさかの序盤の登場に早くも大興奮。終盤になると奇才ギタリスト、ネルス・クラインが引き攣るように体をくねらせながら、ノイジー&フリーキーなギター・ソロで空間を切り裂いていいく。ただこのギターの音量が小さく感じられたのはちょっと残念。それでもある種の狂気のような感性が濃密に伝わってきて圧巻でしたけどね。

そしてその狂気に続いて演奏されたのが、名作「SKY BLUE SKY」からのスロー・ナンバー「Side With The Seeds」。ジェフがこの曲を歌い出した瞬間、空気がフワッと変わりましたね。繊細且つ抑制の効いた歌声からエモーショナルが滲み出てくるよう。私この曲大好きなんですよ~。こういう曲を歌うジェフ・トウィーディっていうのは、ホント素晴らしいシンガーだなって思います。しかも苗場の森の中で聴けた喜び。ソウルフルでした!!

前半は、彼らのターニングポイントにもなった傑作「Yankee Hotel Foxtrot」からの曲も交えながら、その多彩な楽曲はもちろん、ある時は内省的な憂いを滲み出し、ある時は混沌としたうねりを引き起こし、またある時は和やかな暖かさを醸し出す。そしてそれらを職人的且つ繊細な感性で編み上げていきながら、巨大なスケール感のロックを描き出していく。ホントに凄いライヴ・バンドですよ! そしてそんな前半のハイライトは「Via Chicago」でしょう!

3rd作「SUMMER TEETH」収録の「Via Chicago」。まあ、凄かったですよ!何が凄いって、グレン・コッチェのドラム!フォーキーな美しい曲なんですが、途中、突然グレン・コッチェが暴れ出す。リズムも無視(しているように私には聴こえました…。)してドカドカ!ガッチャンガッチャン!みたいに叩きまくる訳ですよ! そのあまりの音圧と乱れっぷりに、私は一瞬目が点になり、何?壊れた?みたいにただ呆然。しかしジェフ・トウィーディは何事もないようにフォーキーにアコギを刻み、優しいトーンで歌い続ける。すると、フッとドラムも元のテンションに戻る。今の何だったの?みたいな。そしてしばらくフォーキーな世界が続きまた油断をしていると、突然グレンがそれをぶち壊すかの如くに叩き出す。まるで鬼神のような乱れ打ち。ネルス・クラインもノイジーに弾きたおす。そしてやがて全てが一カ所に終息するかのように元のテンションに戻る。その瞬間の高揚感たるや! もう、反則すれすれの格好良さ! いや~、ウィルコ凄い!って言うかグレン・コッチェ凄い!!

そして「Impossiblle Germany」。この曲はギター・ソロが圧巻でしたね。ネルス・クラインが情緒溢れるソロを展開する横で、ジェフ・トゥイーディとパット・サンソンがまるで「ホテル・カリフォルニア」のように向かい合ってツインギターのハモリを決めていく。ウィルコ流のトリプル・ギターですよ! この絡みが瑞々しい程に格好良い! そして美しい! それにしてもウィルコの引き出しの多さと、それら全てをウィルコのトーンで包み込むような懐の深さには恐れ入りましたね。もうこの時点でかなり感動!


後半になると、さすがはオルタナ・カントリーの旗手と言われただけのことはある、開放感たっぷりのロック・ナンバーを並べてくる。特に「Heavy Metal Drummer」は格好良かったですね~。あの打ち込みのビートが流れた瞬間、観客も「ウォー!!」と盛り上がりましたからね。あとネルス・クラインがダブル・ネックのギターを弾いた新曲もポップで良かった! さらに「I Got You(At The End Of The Century)」とか。2ndアルバムからの曲ですからね~。こういう選曲は嬉しい!! そしてラストはロッキンな「I’m A Wheel」で締め。それにしてもこの後半の幸福感って言うのは堪らないものがありましたね~。まったく飾ることのない6人衆でしたが、彼等が奏でるサウンドはなんかキラキラしてましたよ! あの空気感、最高でしたね。これを野外で観ることが出来たのもホント幸せでした。

ただ、難を言わせて頂ければ、ネルス・クラインのギターは、やっぱりもっと爆音でも良かったんじゃないかな~、と思ったり。


下のリストはsetlist.fmというサイトで見つけたフジロックでのセットリスト。私は細かい曲順等はもう記憶の彼方ですが、このような感じだったようですね。あらためて見ると新旧取り混ぜたバランスの良い選曲ですね。でもラスト前に3曲続けて2nd作からの曲が演奏されてるところが凄い。ちなみに新曲は、1曲目、10曲目、13曲目の計3曲。

01. I Might
02. Bull Black Nova
03. Side With The Seeds
04. I Am Trying To Break Your Heart
05. One Wing
06. Ashes Of The American Flags
07. War On War
08. Via Chicago
09. Impossiblle Germany
10. Born Alone
11. Handshake Drugs
12. Jesus, etc.
13. Dawned On Me
14. A Shot In The Arm
15. Heavy Metal Drummer
16. I’m The Man Who Loves You
17. The Late Greats
18. Red-Eyed and Blue
19. I Got You(At The End Of The Century)
20. Outtasite
21. I’m A Wheel