STEVIE WONDER / CHARACTERS
今年のサマーソニック、メインステージであるマリン・スタジアムの大トリを務めたスティーヴィー・ワンダー。まさか夏フェスでスティーヴィー・ワンダーが観れるとは! これは本当に素晴らしかったです!
グラウンド前方、期待を膨らませつつスティーヴィーを待つ。ふと後ろを見渡せばスタンド席はほぼ満席状態。そして予定開演時刻よりおよそ20分遅れでバンドのメンバーがステージ上に姿を現わしセッティングを始める。いよいよ始まるぞというざわざわとした雰囲気の中、ただハーモニカの音がステージに響いている。これ吹いてるのスティーヴィーなんじゃない?なんて思っていると、ステージ左側からスティーヴィーがハーモニカを吹きながら登場! どよめく観客。
このサプライズな登場の仕方からして夏フェス気分を盛り上げてくれましたが、この後の展開もまさにフェスティヴァル・モード! 「CHARACTERS」からの「My Eyes Don’t Cry」という意外な曲からスタートし、2曲目「Master Blaster (Jammin')」以降はキラー・チューンのオン・パレード!! スティーヴィーの歌声は衰え知らずの艶やかさと伸びやかさで響き、まさにワンダーな弾力とグルーヴ感を持った歌唱が夏の夜空を駆け巡りました。
序盤のハイライトは「We Can Work It Out」と「If You Really Love Me」でしょう! それぞれ70年代初頭の曲。いや「We Can Work It Out」はもちろんビートルズのカヴァーですけどね。でも私、このスティーヴィー・ヴァージョンの「We Can Work It Out」が大好きなんですよ~!躍動感たっぷりで。これを生で、しかも野外で聴ける喜び!! そして躍動感たっぷりと言えば「If You Really Love Me」ですよ!この曲は女性コーラスの1人を側にを呼び、密着しつつなんかいちゃいちゃしながら歌っていました。ワンダーさんって意外と濃いです。そんなことも含めてサビの高揚感は堪らないものがありましたね。
前回の単独来日公演では珠玉のスロー・ナンバーを5曲ぐらい続けて披露して濃密な世界を堪能させてくれましたが、今回は持ち時間の短いフェスということもあり、バラードは「Ribbon In The Sky」~「Stay Gold」~「Lately」をメドレーで。これはこれで贅沢ですよね~。 こういったフェス仕様の展開も見事ですが、もちろん聴かせるところはしっかり聴かせてくれる。特に「Lately」はね~。もうスティーヴィー以外ありえないエモーショナルな歌声が素晴らしかったですね~。感動でした。
極上のスローを聴かせた後は、なんとジェイ・Z の「Empire State Of Mind」を歌い出して観客にサビを促したりなんていう、いかにもフェスらしい一面があったりしつつ「Higher Ground」に傾れ込む。この地を這うようなファンク・ナンバーから怒濤の濃密空間が展開されます。つづいて「Don’t You Worry ‘Bout A Thing」。けっして激しい曲ではないのですが、この曲の持つラテンのリズムが強力。
今回のバックメンバーは、ドラムス×1、パーカッション×2、キーボード×2、ギター×2、ベース×1、さらにコーラス隊3名、ホーン隊2名がつくという大所帯。前回の単独来日より確実に増えてるんですよ。特にパーカッションが1名増えてることが大きい!ドラム・セットの両隣に大きなパーカション群が鎮座している様だけでも迫力満点でしたが、彼らの 繰り出すリズムが熱いこと熱いこと!! この「Don’t You Worry ‘Bout A Thing」や、終盤のハイライトとなった「Free」とか「Another Star」といったラテン色の濃い曲でのリズムはもう圧巻の極致でしたね。しかもリズムそのものの熱気が、夏の夜の空気を介して伝わってくるんです。まさに空気そのものが高揚してる感じ。この感覚は決っしてホールでは味わえません! しかもグラウンドはフェスならではの心地よいぎゅうぎゅう状態による一体感に包まれてる。これは指定席のコンサートでは絶対に堪能出来ませんよ!そしてそれらをさらに鼓舞するかのように躍動するスティーヴィーの歌声!これが夏フェスのスティーヴィーですよ!!
心地よい一体感と言えば、和やかな「I Just Called To Say I Love You」では、大勢の観客がゆっくりと左右同じ方向に揺れてましたからね。もちろんグラウンドに居た観客全員がって訳ではないですよ。そんな予定調和ではなく、各々リズムに身をゆだねながらも、それがそこかしこで大きな揺れという一体感を生み出してる感じ。「Living For The City」、「Sir Duke」といった名曲での盛り上がり具合も最高でしたね。でも一番盛り上がったのはやはり「Superstition」ですかね。個人的には「Signed, Sealed, Delivered And I’m Yours」が嬉しかったですけどね。ファンク化する前のスティーヴィーの曲には純粋無垢な躍動感がありますよね。それがまた野外の空気に映えるんですよ!
日本人によるクワイアが登場し壮大なスケール感を産み出した「Free」も感動的でしたね。「CHARACTERS」に収録されてる曲ですけど、クールな質感のスタジオ・ヴァージョンより断然素晴らしかったです!やっぱりリズムが強烈だったのと、生のクワイアには何か迫るものがありましたね。もちろんスティーヴィーの訴えかけるような歌声も素晴らしかったです。そしてこの曲が終わったあと、観客と「フリー、フリー、フリー!」と和気あいあいなコール&レスポンスを繰り広げ、それを「ラ~ラ~ラ~」と「My Cherie Amour」に繋げる粋な展開。そしてこの「My Cherie Amour」では息子のムンタズが現れ一節を歌うという親子共演が実現。良い感じでした。
そしてラストを締めた「Another Star」はもう凄まじかった! バックにはさらに多国籍なパーカッション隊が加わって一層ディープなリズム空間へ。ジェンべを叩くアフリカ人の前でインド人がタブラ叩いてたり、その後ろには太鼓を叩く日本人も居るという、総勢6~7人程のパーカッション隊。さらに先ほどのクワイアも参加しての祭モード。これは本当に凄かった!なんか音楽の素晴らしさというか、人間のパワーみたいなものを感じましたね。大団円にふさわしい迫力でした。しかもだめ押しのように「Happy Birthday」へ続くという。もう高揚の極み。ただただ飛び跳ねてました。
そして観客へ挨拶をしながらステージを去っていくスティーヴィー。熱演を繰り広げたバック・メンバーも演奏を終え、夢のようなステージは終了。しかし多国籍パーカッション隊達はその残り香を楽しむがごとくステージに残り響宴を続けている。それぞれソロを回しながら見せ場を作り、その都度観客はやんやの喝采を浴びせる。最後の最後まで楽しませてくれるステージ。そして最後の最後まで楽しもうとする観客達。あ~、これでフェスも終わりか…。という寂しさが込み上げるげる中、ド~ン!と花火があがり、私の夏は終わりました…。
いや~、ホント、フェスで観るスティーヴィーは最高でした。ですが20分押した割には終演予定の9時にはきっかり終わったことなど、その演奏時間の短さ、多分70分ぐらいでしたかね? はちょっぴり残念ではありましたけどね。ですがフェス最終日のトリという時間帯ですから、個人的には自分の疲労度も考えるとかえってこれぐらいでちょうど良かったかも?なんて思ってます。とにもかくにも、スタンディングの野外でスティーヴィーを体感出来た喜び!これに勝るものはありません。まさにあれは音楽の体感でしたよ! さいたまスーパーアリーナや武道館で観た時とはまったく異なる臨場感を味わえました。こんな体験もう出来ないんだろうな…。
サマソニに感謝です!!!
セットリストはこんな感じでしょうか? メドレーやさわりしか演らなかった「Empire State Of Mind」なんかを1曲と数えるかどうかで曲数は変わってきますけどね。
01 My Eyes Don’t Cry
02 Master Blaster
03 We Can Work It Out
04 If You Really Love Me
05 Medley : Ribbon In The Sky ~ Stay Gold ~ Lately
06 Empire State Of Mind
07 Higher Ground
08 Don’t You Worry ‘Bout A Thing
09 Living For The City
10 Sir Duke
11 Signed, Sealed, Delivered And I’m Yours
12 Free
13 My Cherie Amour
14 I Just Called To Say I Love You
15 Superstition
16 Another Star ~ Happy Birthday
*既に記憶が曖昧だったりしますので、曲目等、間違いがあったらごめんなさいね。
今年のサマーソニック、メインステージであるマリン・スタジアムの大トリを務めたスティーヴィー・ワンダー。まさか夏フェスでスティーヴィー・ワンダーが観れるとは! これは本当に素晴らしかったです!
グラウンド前方、期待を膨らませつつスティーヴィーを待つ。ふと後ろを見渡せばスタンド席はほぼ満席状態。そして予定開演時刻よりおよそ20分遅れでバンドのメンバーがステージ上に姿を現わしセッティングを始める。いよいよ始まるぞというざわざわとした雰囲気の中、ただハーモニカの音がステージに響いている。これ吹いてるのスティーヴィーなんじゃない?なんて思っていると、ステージ左側からスティーヴィーがハーモニカを吹きながら登場! どよめく観客。
このサプライズな登場の仕方からして夏フェス気分を盛り上げてくれましたが、この後の展開もまさにフェスティヴァル・モード! 「CHARACTERS」からの「My Eyes Don’t Cry」という意外な曲からスタートし、2曲目「Master Blaster (Jammin')」以降はキラー・チューンのオン・パレード!! スティーヴィーの歌声は衰え知らずの艶やかさと伸びやかさで響き、まさにワンダーな弾力とグルーヴ感を持った歌唱が夏の夜空を駆け巡りました。
序盤のハイライトは「We Can Work It Out」と「If You Really Love Me」でしょう! それぞれ70年代初頭の曲。いや「We Can Work It Out」はもちろんビートルズのカヴァーですけどね。でも私、このスティーヴィー・ヴァージョンの「We Can Work It Out」が大好きなんですよ~!躍動感たっぷりで。これを生で、しかも野外で聴ける喜び!! そして躍動感たっぷりと言えば「If You Really Love Me」ですよ!この曲は女性コーラスの1人を側にを呼び、密着しつつなんかいちゃいちゃしながら歌っていました。ワンダーさんって意外と濃いです。そんなことも含めてサビの高揚感は堪らないものがありましたね。
前回の単独来日公演では珠玉のスロー・ナンバーを5曲ぐらい続けて披露して濃密な世界を堪能させてくれましたが、今回は持ち時間の短いフェスということもあり、バラードは「Ribbon In The Sky」~「Stay Gold」~「Lately」をメドレーで。これはこれで贅沢ですよね~。 こういったフェス仕様の展開も見事ですが、もちろん聴かせるところはしっかり聴かせてくれる。特に「Lately」はね~。もうスティーヴィー以外ありえないエモーショナルな歌声が素晴らしかったですね~。感動でした。
極上のスローを聴かせた後は、なんとジェイ・Z の「Empire State Of Mind」を歌い出して観客にサビを促したりなんていう、いかにもフェスらしい一面があったりしつつ「Higher Ground」に傾れ込む。この地を這うようなファンク・ナンバーから怒濤の濃密空間が展開されます。つづいて「Don’t You Worry ‘Bout A Thing」。けっして激しい曲ではないのですが、この曲の持つラテンのリズムが強力。
今回のバックメンバーは、ドラムス×1、パーカッション×2、キーボード×2、ギター×2、ベース×1、さらにコーラス隊3名、ホーン隊2名がつくという大所帯。前回の単独来日より確実に増えてるんですよ。特にパーカッションが1名増えてることが大きい!ドラム・セットの両隣に大きなパーカション群が鎮座している様だけでも迫力満点でしたが、彼らの 繰り出すリズムが熱いこと熱いこと!! この「Don’t You Worry ‘Bout A Thing」や、終盤のハイライトとなった「Free」とか「Another Star」といったラテン色の濃い曲でのリズムはもう圧巻の極致でしたね。しかもリズムそのものの熱気が、夏の夜の空気を介して伝わってくるんです。まさに空気そのものが高揚してる感じ。この感覚は決っしてホールでは味わえません! しかもグラウンドはフェスならではの心地よいぎゅうぎゅう状態による一体感に包まれてる。これは指定席のコンサートでは絶対に堪能出来ませんよ!そしてそれらをさらに鼓舞するかのように躍動するスティーヴィーの歌声!これが夏フェスのスティーヴィーですよ!!
心地よい一体感と言えば、和やかな「I Just Called To Say I Love You」では、大勢の観客がゆっくりと左右同じ方向に揺れてましたからね。もちろんグラウンドに居た観客全員がって訳ではないですよ。そんな予定調和ではなく、各々リズムに身をゆだねながらも、それがそこかしこで大きな揺れという一体感を生み出してる感じ。「Living For The City」、「Sir Duke」といった名曲での盛り上がり具合も最高でしたね。でも一番盛り上がったのはやはり「Superstition」ですかね。個人的には「Signed, Sealed, Delivered And I’m Yours」が嬉しかったですけどね。ファンク化する前のスティーヴィーの曲には純粋無垢な躍動感がありますよね。それがまた野外の空気に映えるんですよ!
日本人によるクワイアが登場し壮大なスケール感を産み出した「Free」も感動的でしたね。「CHARACTERS」に収録されてる曲ですけど、クールな質感のスタジオ・ヴァージョンより断然素晴らしかったです!やっぱりリズムが強烈だったのと、生のクワイアには何か迫るものがありましたね。もちろんスティーヴィーの訴えかけるような歌声も素晴らしかったです。そしてこの曲が終わったあと、観客と「フリー、フリー、フリー!」と和気あいあいなコール&レスポンスを繰り広げ、それを「ラ~ラ~ラ~」と「My Cherie Amour」に繋げる粋な展開。そしてこの「My Cherie Amour」では息子のムンタズが現れ一節を歌うという親子共演が実現。良い感じでした。
そしてラストを締めた「Another Star」はもう凄まじかった! バックにはさらに多国籍なパーカッション隊が加わって一層ディープなリズム空間へ。ジェンべを叩くアフリカ人の前でインド人がタブラ叩いてたり、その後ろには太鼓を叩く日本人も居るという、総勢6~7人程のパーカッション隊。さらに先ほどのクワイアも参加しての祭モード。これは本当に凄かった!なんか音楽の素晴らしさというか、人間のパワーみたいなものを感じましたね。大団円にふさわしい迫力でした。しかもだめ押しのように「Happy Birthday」へ続くという。もう高揚の極み。ただただ飛び跳ねてました。
そして観客へ挨拶をしながらステージを去っていくスティーヴィー。熱演を繰り広げたバック・メンバーも演奏を終え、夢のようなステージは終了。しかし多国籍パーカッション隊達はその残り香を楽しむがごとくステージに残り響宴を続けている。それぞれソロを回しながら見せ場を作り、その都度観客はやんやの喝采を浴びせる。最後の最後まで楽しませてくれるステージ。そして最後の最後まで楽しもうとする観客達。あ~、これでフェスも終わりか…。という寂しさが込み上げるげる中、ド~ン!と花火があがり、私の夏は終わりました…。
いや~、ホント、フェスで観るスティーヴィーは最高でした。ですが20分押した割には終演予定の9時にはきっかり終わったことなど、その演奏時間の短さ、多分70分ぐらいでしたかね? はちょっぴり残念ではありましたけどね。ですがフェス最終日のトリという時間帯ですから、個人的には自分の疲労度も考えるとかえってこれぐらいでちょうど良かったかも?なんて思ってます。とにもかくにも、スタンディングの野外でスティーヴィーを体感出来た喜び!これに勝るものはありません。まさにあれは音楽の体感でしたよ! さいたまスーパーアリーナや武道館で観た時とはまったく異なる臨場感を味わえました。こんな体験もう出来ないんだろうな…。
サマソニに感謝です!!!
セットリストはこんな感じでしょうか? メドレーやさわりしか演らなかった「Empire State Of Mind」なんかを1曲と数えるかどうかで曲数は変わってきますけどね。
01 My Eyes Don’t Cry
02 Master Blaster
03 We Can Work It Out
04 If You Really Love Me
05 Medley : Ribbon In The Sky ~ Stay Gold ~ Lately
06 Empire State Of Mind
07 Higher Ground
08 Don’t You Worry ‘Bout A Thing
09 Living For The City
10 Sir Duke
11 Signed, Sealed, Delivered And I’m Yours
12 Free
13 My Cherie Amour
14 I Just Called To Say I Love You
15 Superstition
16 Another Star ~ Happy Birthday
*既に記憶が曖昧だったりしますので、曲目等、間違いがあったらごめんなさいね。