昨日、レカネマブという認知症の新薬が日本で承認されました。
これで認知症が少しでも改善される。
ご本人やご家族にとって待望の薬が承認されたと明るいニュースとして扱われていました。
ただ、そんなに安易に飛びついてほしくないです。
この薬の効果に対して異論を唱える研究者は結構いるのです。
レカネマブとは・・・
認知症患者の脳内に「アミロイドβ」が増え過ぎ、その結果、脳の萎縮が起こるという仮説から、その「アミロイドβ」を取り除けば進行を抑えられると考え開発された薬です。
しかし、2006年に発表された「アミロイドβ仮設」に基づいた治療戦略は連敗続き。次々と開発中止に追い込まれる。そもそも「アミロイドβ仮説」が謝りだったのではないかという疑念を持つ研究者が次々と出てくる。
2022年に「Science」で、半年間の調査の結果、アルツハイマー病の原因を「アミロイドβ」とする論文での画像や数値に捏造の疑いがあることを発表。仮説を唱えた研究者に意見を求めても回答はなかった・・・この研究者が執筆した合計20本の論文が「疑わしい論文」と特定されている。当初、この論文を掲載した「Nature」はこの論文に関する疑惑を「調査中」としている。
どうでしょうねぇ~かなり疑わしいですよね。
私も調べましたが、この件に関する記事はたくさんありました。
この薬の評価ですが、18か月後、認知機能の低下が27%少なかったそうです。
副作用は・・・脳の腫れと脳出血
治験で、約13%の脳の腫れ、約17%に脳出血が見られた。
3人の死亡例あり。
飲んだことで、別の病気になる可能性がある。
長期的な安全は未確認。
対象者は、軽度のアルツハイマー病ですが、アルツハイマーと診断された30%は誤診だそうです。
増えたアミロイドβを除去はできても、増え続けることには変わりません。
レカネマブは年間約380万円だそうです。
保険診療ができたとしても、約100万円。
そもそも抗認知症薬の効果は・・・10人に1人、有害な副作用→12人に1人
様々な医師が効果に対してリスクが高すぎると主張しているそうです。
今回承認した厚労省の専門部会でも、副反応を懸念する意見はあったようです。
これを知ってどれほどの方が試してみたいと思われるのでしょうか・・・
世界の製薬会社が治験の最終段階で治療薬の中止を公表しています。
現在使われている薬が「効果不十分」として「保険適用外」になったりしています。
世界では、薬にたよらない考えになってきています。
卓上療法、運動療法、食事療法、整体、生き方・・・etc
私が今、目指し勉強しているのもその方向性です。
実際に薬よりも非薬物療法の方が効果があると検証結果もでています。
認知症になる原因は「脳」だけではないという考えも広がりつつあります。
日本は「薬」に飛びつきがちです。
保険診療なので、治療代も薬代もそんなにかからないですからね。
病気になったら、まずは病院へ行き、薬を処方してもらって・・という方が多いと思います。
薬は即効性がありますし、どうしても頼りがちにはなると思います。
でも、弊害も・・・
高齢者で病院で処方されるままにたくさん薬を飲んでいる方がいますが、これは明らかに「処方のカスケード」が起きています。

ひとつの薬を飲んで副作用がでて、新たな症状を誤認され、新たな薬が処方される。それにより新たな副作用が起こり、また別の薬が処方されるのが・・・「処方のカスケード」
こうなると、どの薬が効いているのかどうかもわからなくなりますよね。
ある認知症の患者さんは、1日40錠の薬を飲んでいたそうです。
本人も家族もそれがなんの薬なのかわからなくなってしまっている。
病院で処方されたのだからと飲んでいる。
病院を回り、最終的には1日4錠になり、薬が減ったことで体調が改善されたそうな。
認知症の薬を止めただけでも、改善される方は結構いるようです。
医師というのは、他の医師が処方した薬について意見を言いにくいそうです。
違う病院なら尚更。同じ病院でも起こるそうです。
家族が動かないと薬はなかなか減らない。
「優先順位が低いのを減らしたと思いますがどうでしょうか?」とか?提案という形で聞いてみるといいそうです。
文句はダメだそうです。
私は決して、薬否定派ではありません。
薬は、病気を治すために、一番、即効性があるものだと思っています。
でも、自分の体に入れるものですからね。
本当にその薬が必要なのか・・・その効果と副反応はどうなのか・・・
問題意識を持ち、安易に使うことのないようにしたいと思っています。