この流れで・・・
けん太が通った通信制高校と、どちらに行こうか、最終候補まであがっていた高校のことを書きます。
北海道、H学園。余市にある高校です。
以前、在学していて後に教師として戻ってきたヤンキー先生が注目を浴びたことがあります。
私は関東での説明会に参加したことがあります。
H学園は、いろいろな問題を抱えている子を受け入れている高校。
日本で初めて中退者を受けいれた高校で、年齢もさまざま。
当初は高校を退学されられた、不良とよばれる若者ばかりだったようですが、今ではリスカなど心の傷を負っている子、発達障害の子、いろんなタイプの子がいて、今ではやんちゃ系よりおとなしいタイプの方が多いようです。
不登校経験者は6割を占めるとのこと。
多くの生徒を救ってきた学校です。
全国各地から集まるので、9割以上が下宿生活を送っています。
いろんな子がいるので、本当にいろんなことが起きるそうです。
1年の時は問題も多く、なかなかまとまらないのだけど、
3年生になると皆落ち着いてくるそうです。
普通、ドラマの中でしか起きないような出来事に、
自分に火の粉が飛び散らなければいいと傍観している生徒も、
最後には何があっても驚かなくなるとか(笑)
ABCもまともに書けない子もいるけど、赤点になれば補習。
赤点で進級できない子はひとりもいないそうです。
大学進学を目指す子には受験対策もしてくれるようで、6割が進学しているようです(当時の数字です)
この学校は先生の評判がとてもいいところ。
いろんな生徒が「先生は本物」と言っています。
先生と生徒の距離が近い学校で、職員室はいつも生徒の溜まり場になっているらしいです。
子どもは信頼できない大人には近づかない。
いかに先生達が信頼されているのかがわかります。
まして、大人を信頼することが出来ず、非行に走ってしまった子もたくさんいる学校。
だからこそ、偽りは見抜いてしまいます。
そこには「本物」しかないのだろうと思います。
先生が生徒をどんな状態でも受け入れてあげる。
それを感じるから信頼関係も生まれて、生徒も最後には落ち着いてくる。
やはり子どもは大人の接し方で変われるんだなと感じました。
個別相談もさせていただきました。
不登校のきっかけの部活の顧問の話には、
「突き放すのもいいけれど、突き放すなら、その後のフォローをいくつか考えて
突き放さなければならない。何も考えていないなら、突き放すべきではない」とバッサリ。
この先生だったら・・・と思わず・・・
生徒に信頼されるのが分かる気がしました。
会場には、その学校を卒業した生徒の保護者がたくさんいらしていました。
講演会の後の個別相談の前後に話しかけてくださり、3名の方にお話聞けました。
子どもが学校の中で成長していく様子を時折涙ぐんで話されている姿に私ももらい泣き。
保護観察がついていて進路のことを全く決めていなくて、3月の末ギリギリに入学希望をだして、どうにか入学式に間に合ったとか。卒業した今では、先生や後輩に会いに文化祭や後輩の卒業式など、何回も学校に顔を出しているそうです(飛行機に乗ってですよ~)
「とにかく先生が違う」「先生は本物」と皆さんが言っていたのが印象的でした。
帰ってきてけん太に報告をすると「凄くいい学校じゃん!」と。
「俺の一人暮らしの夢に近付ける」とか。
「料理は下宿のおばちゃんに頼んで台所貸してもらおうかな」とか。
N学園の「寮下宿」は、町内に15軒あるそうで、一般町民の方々が運営しています。
生徒達の親代わりとなり、学校とも連携をとり、生徒達のサポートをしているそうです。
以前、けん太が気に入った関西の全寮制の高校ですが、スマホの制限もあり、大部屋でパーティションで仕切られた空間がそれぞれのスペースで、プライバシーが確保されていないことがけん太にとってはネックでした。皆がいるので、寝過ごすことがないのはいいんですけどね。
その点、H学園は、ホームステイ型で、個人部屋が与えられ、自由があるので、魅力だったようです。
この学校の生徒の年齢は様々のようです。
1年、2年遅れは普通にいます。
25を過ぎても、高校をやり直したくて入ってくる人もいるようです。
ケン太がもし・・・
その可能性がないわけではない・・・
当時は、この先どうなるのかが全く見えてなかったのです。
いつからでもやり直せる場所がある。
それを知った時は、とても心強かったです。