いつまでたっても

母から電話がかかってきた。

・・「今日、おいで。」



何事かと思い午後から行った。



いつも出入りする裏口の上がりかまちにザルに入った無花果（いちじく）とメモが置かれていた。


無花果が好きな私のために取っておいてくれたのだ。

私は、無花果がとりわけ大好物というのではない。ウドナと一緒でその時期に食べないと損をした気分になる。

無花果は当たりはずれが大きいのだが、実家の畑になる無花果は濃縮された味がしてとってもおいしい。粒はお店で売っているものの半分くらいの小さな物なのだが味はくらべものにならないほどイケル。


それを覚えてくれている母が電話してくれたのだ。

ありがたいことです。

「畑に行っています。」・・・という書き置きを読みながら元気でいてくれることに感謝した。


こんな私でも母にしたらいつまでも気に懸かる子どもなのだ。

元気でいてくれるならいつまでも気に懸けてほしい・・・そう思いながら秋の味をいただいた。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　・・・