ゆっくり家の周りを歩くこともない現在。
小さな明るいピンクがあることに気づいた。
もう絶えてしまっていたのかと淋しく思っていた。
この花は、亡くなった私の友達が私に内緒で植えてくれていた花。
松の木の根元に植えてくれていたのだが、いつの間にか無くなっていた。
彼女の面影が薄くなるようで、淋しい気持ちと、ちゃんとお世話していなかったなと思う少しの後悔の念を持ったのは、花がなくなっていたことに気づいた春。
残骸を探してみたけど無かった。
その花が、3メートルほどの砂利道で隔てられた松の木とは反対側の場所にひと株咲いていた。
彼女は、どうしても私に着せたいと、この花と同じ色のセーターをくれたことがあった。
いつも地味な色の服を着ているから、たまにはこんな色着なくちゃって。
私と2歳しか違わないのにお母さんのようだった彼女。
いつもいっぱい気にかけてもらった。
そんな彼女の楽しそうな笑い声が、頭の中で聞こえた。
あ~・・、まだ練習できてないよ。
彼女のピアノと合わせる予定の二胡。
気持ちに余裕が持てないときは、雰囲気だけでも余裕を持ってみないとね。
形から入るってことも 大事だ。