息をするように本を読む

初めて読んだ本も、読み返した本も、
ジャンルも著者もおかまいなしの私的読書記録
と、なんだかだらだら日常のことなども

バベル島

2011-06-01 14:32:54 | 著者名 わ行
若竹七海 著

怖い。
ドロドロでもなく、舞台設定がどうとかでもなく、絡まりあうごく普通の要素が怖い。
日常的な物語が進み、そこに小さなエピソードがちりばめられる。
それはパズルのピースであったり、たくさんの扉のうちのひとつのカギであったり。
一つずつは何の意味ももたないのだ。
でも、それがすべてそろい、役割を果たしたとき、それは恐怖の物語となる。

うまいなあ。
11編それぞれがこんな話なのだから。
それも読みやすく面白く、さらっと読めてしっかり怖い。

表題作は最後にあるが、きれいにまとまる。
そうきたか、という感じで。

あまり本を読みなれていない人にも、おすすめしやすいかも。

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