息をするように本を読む

初めて読んだ本も、読み返した本も、
ジャンルも著者もおかまいなしの私的読書記録
と、なんだかだらだら日常のことなども

切れない糸

2011-06-02 10:48:14 | 坂木司
坂木司 著

ほのぼのと読める坂木作品。

大学を卒業を間近に控えた主人公。
落ち続ける就職試験にうんざりしているところに、突然の父親の死が襲う。
家業のクリーニング屋を継がざるを得ない状況に陥り、小さな商店街での
暮らしが始まる。

困った人や動物をほうっておけない。
これが主人公の根っこにある。
だから、急な運命の変化に戸惑っていても、接客の方法を知らなくても、
みんなに助けられてどうにかしていく。
その合間に、ちょこちょこと謎を解決していくのだ。

連作ミステリではあるが、おおげさではなく小さな謎に人間模様が絡む感じ。
こういうの好きだなあ。
坂木司の書くものって、やさしい人が多くて、これで大丈夫?
世の中渡れるの? こんな人ほんとにいるの?と思うことが多い。
でも、読み重ねていくと、その中の強さが見えてくる気がする。
芯が強いから、傷つくことを恐れない。だからやさしい。

主人公の成長とともに、自分も少しだけ成長できる気がする作品だ。

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