畠中恵 著
新宿にある「酒場」という名の酒場。
とっても入りにくくて常連ばかりが集うが、料理がおいしく調度品もいい。
ある日この店に持ち込まれたのが100円ショップで売られていたという
「とっても不幸な幸運」という名の缶詰だった。
これを開けたとき、その人にとって文字通り“とっても不幸な幸運”の
物語が始まる。
この缶は量産されているらしく、個性ゆたかな店の常連たちが次々と
持ち込んでくる。今の暮らしを少し変えたい、満足できないという
ささやかな欲望にとても見合っているようなのだ。
缶が開いた時に見えるものは人それぞれ。そこから始まるものも
人それぞれ。6つの物語がオムニバス形式で語られる。
常連は男ばかりなのだが、マスターの娘・のり子が加わることで
若さと華やかさがプラスされ、男たちの行動にもやや遠慮がみえる。
何しろ遠慮のないときのこの人たちときたら、アンティーク家具は
崩壊し、グラスはかけらとなり、殴り合いなど日常茶飯事なのだ。
最後をしめくくるのは「酒場」のルーツの物語。
ちょっと切なく、そして微笑ましい過去を知るともっと酒場が好きになる。
新宿にある「酒場」という名の酒場。
とっても入りにくくて常連ばかりが集うが、料理がおいしく調度品もいい。
ある日この店に持ち込まれたのが100円ショップで売られていたという
「とっても不幸な幸運」という名の缶詰だった。
これを開けたとき、その人にとって文字通り“とっても不幸な幸運”の
物語が始まる。
この缶は量産されているらしく、個性ゆたかな店の常連たちが次々と
持ち込んでくる。今の暮らしを少し変えたい、満足できないという
ささやかな欲望にとても見合っているようなのだ。
缶が開いた時に見えるものは人それぞれ。そこから始まるものも
人それぞれ。6つの物語がオムニバス形式で語られる。
常連は男ばかりなのだが、マスターの娘・のり子が加わることで
若さと華やかさがプラスされ、男たちの行動にもやや遠慮がみえる。
何しろ遠慮のないときのこの人たちときたら、アンティーク家具は
崩壊し、グラスはかけらとなり、殴り合いなど日常茶飯事なのだ。
最後をしめくくるのは「酒場」のルーツの物語。
ちょっと切なく、そして微笑ましい過去を知るともっと酒場が好きになる。