息をするように本を読む

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と、なんだかだらだら日常のことなども

天皇家の健康食

2014-07-20 10:15:33 | 著者名 や行
横田哲治 著

「御料牧場」という言葉は時々耳にする。
皇族方の食事を調達するところ、という漠然とした知識はあったのだが、
今回はオーガニックを調べていてこの言葉に出会った。

御料牧場とは明治の食医・石塚左玄の「食養生」の思想をもとにつくられ、
完全有機農法を行っている日本有数の農場だったのだ。

最高の環境で十分手をかけて育てた野菜や動物を、新鮮なうちに
シンプルな調理法で食べる、という究極の贅沢がここにある。
天皇家の食事は塩分控えめで健康的である、ということは聞いたことがあるが、
それはこんな食材があってこそ実現しているのだ。
安く大量につくられた材料にさまざまな添加物や工程を加えてつくる
ジャンクフードの対極ともいえる。

興味深かったのは、伊勢神宮の「神田」「御園」だ。
有機栽培でコメをつくり、原始的な方法で火をおこし、調理して神に捧げる、
という伝統が脈々と守られているという。
それは古いものを伝えるという素晴らしさのみならず、日本人の原点を残す
という意味でも、その方法でコメをつくることがまだ可能だという証明としても
大切な役割を果たしていると思う。

気になることはなんとなくブレがあること。
いくつかの健康法や考え方がミックスされて、どっちつかずになっている。
あるいはまとめ方がそう取れるかたちになっている。
とてもよいことが書かれているだけに、そんな読みづらさが残念。

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