哲学とワインと・・ 池田晶子ファンのブログ

文筆家池田晶子さんの連載もの等を中心に、興味あるテーマについて、まじめに書いていきたいと思います。

日めくり池田晶子 49

2011-10-24 22:11:11 | 哲学
 歴史とは何かということについて、池田晶子さんは、世間において根本的な勘違いがあるという。歴史認識に関する中国から日本に対する批判から話を始めているが、そのような批判にも、またその逆にも与しない謂いである。しかし、どちらの側にもすぐには理解できないかもしれない。以下で言っている「自分」とは、何者でもない自分だからだ。





49 歴史とは、現在において自分がそれを思い出すという行為以外の、何ものでもないのである。



 「歴史」というものについての、根本的な勘違いがある。何かそういったものが、客観的な事実として、どこかに実在していると思っているのだ。しかし、どこに? 過去はいったいどこに実在しているというのか、ちょっと考えてみればよい。今やどこにも実在していない過去は、現在の自分の「頭の中」にしか存在していないとは、たちまちに気がつくことではないか。(『勝っても負けても』「自分で歴史を思い出せ」より)