かたつむり・つれづれ

アズワンコミュニテイ暮らし みやちまさゆき

風友の悲しみ

2012-12-06 16:44:51 | 家族あれやこれや

 パパが帰ってしまった。

 パパには いつもそばにいてほしいのに。

 パパは行ってしまった。

 

 その夜、ジジのところに夕食をもってきてくれた。

 ジジの目の前の差し出して、「食べて」と言った。

 ジジのフェイスブックの写真を変えるといって、

 デジカメをいじりはじめた。

 ババが来て、「ジジと風友で撮ってやる」と言った。

 ババは「風友、もっと笑って・・」と何回か撮り直した。

 

 風友は、ソファーに座って居間でテレビを見ていた。

 見ているけど、なにかうつろだった。

 隣にママがいて、「パパが帰るとき、泣いたのよ」と耳うち。

 風友は、「あした学校へ行かない」とポツリ。

 「どうしたの?」とママ。

 風友は、こみあげてくるものをおしころしている。

 「いいよ・・・」とママ。

 

 ああ、なにか得体のしれない悲しみのようなもの、

 風友のなかで なにが起きているのだろう、

 その悲しみのようなものは どこからわいてくるのだろう?

 

 

 翌日の夜、娘は風友と晴空をつれて、お風呂に入りに来た。。

 風友は その日、学校へ行かなかった。

 ママが「泣きたいなら、おもいきり泣いたらいいよ」というと

 風友は「ママもいっしょに泣いて」と・・・

 娘はいっしょに泣いたらしい。

 「そしたら、風友のほうは泣きやんじゃった・・・」

 

 風友は、その夜お風呂には入らなかった。

 お風呂からあがってきたママや弟、そしてジジ・ババと

 テレビを見ながら、柿やリンゴを食べた。

 「学校へ行きたくない」と風友がポツリ。

 

 ほんとのほんとの気持ちはパパがそばにいてほしい。

 それができないってことが 風友には分からないではない。

 そんなことわかってるけど、あとからあとからわいてくる

 そういうものは なに?

 風友のなかで なにが起きているのだろう?

 

 ママもジジもババも、そういう風友の隣で柿の皮をむく。

 ババが「ほら、こんなにつながった!」

 

 次の日は学校へ行ったらしい。

 行ってよかったとはおもわなかった。

 風友のなかで どんな方向にむかっていく ものが

 培われつつあるのだろう?

 

 ママが「衣類入れの整理をしてほしいなあ」と言ったら

 「いまは やりたくない!」とかえってきた。

 ママは、いつもなら「なにをいってるの」と反応していたのが、

 風友の気持ちをうけとろうとしたらしい。

 「そのあとじぶんで片付けをしていた」とママ。

 

 時々刻々、おこってくることのなかで、人は

 どういうところから、それをうけとめ、

 どういうところに舵取りをしていくのだろう?

 

 風友よ、悲しみの湧いてくる源泉を感じとっておくれ・・・ 

 

 

 

 

 

 

 


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