かたつむり・つれづれ

アズワンコミュニテイ暮らし みやちまさゆき

雨の椿大社

2012-09-26 18:34:01 | アズワンコミュニテイ暮らし

 目が覚めたら、雨が降っていた。先週土曜日の朝。

 けっこう、寝たなあとおもって起きたけど、からだが重い。

 瞼がたれている、顔が腫れている感覚。むくんでいる。

 

 今朝は、はたけは、行かんとこ・・・でも、こんなうっとうしい感じで

部屋にいるのはいややなあ・・・

 ふと、鈴鹿山麗にある椿大社の巨木の下でぼーっとしたい

衝動が・・・

 妻小浪に「椿大社に散歩に行かないか?」

 意外や「うん、行こうかな」

 

 雨は降りつづいている。寒い。上着に防水服をはおる。

 神社の入り口に、樅の大木。

 参道も杉の巨木が両側にたちならび、雨が霧状になって、

たちこめている。

 古代人の神話の世界が、巨樹の年輪にきざまれている。

 

 参道の途中に神の憑代となる石がある。

 椿大社は、 国つ神と言われるサルタヒコ大神が主神。。

天孫ニニギノミコト一行が降臨する際、高千穂の峰に

ご案内したと伝えられる。

 その徳をもって、地上に生きとし生けるものの平安と

幸福を招く、「みちびきの祖神」とも言われる。

 なにか、親しみを感じる神様ではある。

 

 アメノウズメがサルタヒコと向き合っている絵が雨のなかに

立っていた。

 降臨するニニギノミコト一行の道筋に立ちはだかる巨人に

アマノウズメが、「何者か」と問いにやらされた。

 

 ーーその胸をひらいて乳をあらわにかきいで、腰の紐を

    へその下までおしたれて、笑いをうかべて相手の前に

    立った。

     わかれ道にたたずむ巨人、

    「アメノウズメよ、どうしてそんなまねをするのか」

    アメノウズメは問い返す。

    「アマテラスオオミノカミの子孫のいでます道をふさいで

    立っている、そなたは何ものか」

    「アマテラスオオミノカミの子孫が今こちらにこられるときいて、

    このゆえに、おむかえしようとして、待っているのだ。

    わたしの名は、これ、サルタヒコノオオカミ」

 

  アマノウズメも、なにか親近感がある。

 

  参道を歩いていても、息切れがする。

  本殿では、「みそぎの修法会」なるものが、参拝者と神主さんが

 たくさん集まって、行われていた。

  本殿の軒下に雨宿りしながら、背中から聞こえてくる祝詞の

 合唱のリズムに身をまかす。

  祝詞の合唱は、妙にあかるく、軽快に耳に入ってきた。 

  本殿の前は立ち木が払われていて、雨雲のうえからもうろうと

 だけど、弱い光が広場を明るくしていた。

  遠くに目をやったり、近くの石を見たり。

  小浪が「あの石、イルカみたい」という。「たしかに」

 

  しばらくして、鈿女本宮椿岸神社に移る。

  雨宿りして、ぼんやりするスペースはなかった。

  アメノウズメが祀られているのが、なにかたのしいものが

 出てくる。

 

 --天の岩戸の場面。

     ・・・(アマテラスが)何事と思って、いささかに戸をあけて

    みそなわすと、アメノタヂカラオがその戸をあけて、上座に

    彼女をすえた。

      この時にあたりて、天上はじめて晴れてもろもろともに、

    あい見るにおもてみなあきらかに白し。

    手をのべて(伸べて)、うたいたまいてあいともにいいていわく。

 

     あはれ、            洞穴から出てきて空が晴れた

     あなおもしろ、         神々の顔面が明るくみえる

     あなたのし、          「たのし」は「手伸し」 手をのべて舞う

     あなさやけ           竹の葉がさやさや  清くあかるい

     をけ              手にもったホコでヲケ(覆槽)をついた

 

   実際のぼくらは、傘をさして、雨のなかにいる。

   「茶室に行こう」と小浪がすすめてくれた。

   だんだんからだが億劫になっていた。

   「帰ろう・・」とぼく。

 

  結局、その日の午後は布団を敷いて、ぐったり寝てしまった。

  「あ、晴れ」どころではない。

  夕方、小浪が「大丈夫?」とたずねてくれた。

  めまいのようなものは残っていたが、起きることができた。

 

  あとで、おかめとひょっとこ、お正月の福笑いなど、おもいだして、

 いた。

  

 雨は上がっていた。

 

  

 

 

 

    

 

 

 

 

    

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


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