五月の日射しは新緑に映えて、眩しい。
連休はどこへもお出かけしなかった。
お客さんが何組も来訪された。
ちょっぴり、人が動いているんだなあ、と感じた。
妻がブックオフから長谷川町子さんの「意地悪ばあさん」を
買ってきた。105円。「それは、いい」
ゴールデンウィークは、これでいこう。
意地悪ばあさんは、「そんなことは人として許されない」という
ようないたずらをカラッとする。
「していいことと、悪いことがある」という、ぼくらのなかにある
許容範囲をものの見事にぶちやぶっちゃってくれる。
こころのどこかに一抹モヤーとあるものを「あらら」と思う間に
白日に晒してくれる。
おもわず笑いが生じる。これって、どんな笑い?
ふだん子どもには、してあげたいという気持ちが出てくる。
まさか、子どもに意地悪なんて、とってもできないとおもっている。
ところが、どっこい。子どもがブランコ乗りたいと待っているのに
ああーなんということを・・・
あとで、グルグル目が回る。
女ごころは、分からない。
こんなのが、実際かどうかは、分からなくとも、人のこころの
奥、内面に関心がいかなかったら、面白さはでてこないだろう。
誰もが、ちっとは、こころあたり、ありそうな。
子どもだからって、容赦はしない。
立派に、同じ気持ちをもった人間として対している。
「子どもだから・・・」とかいう回りくどいものがない。
あとで、「しまった」とおもうのが、意地悪ばあさんの真骨頂。
ああ、なんという孤独!
にもかかわらず、なにかギスギスしていない。
親しい人たちでつくる、しみじみとした味わいが余韻に残る。
ふだん、当たり前としている世界が「あれあれ、そんなことあり?」
という世界に触れると、こころが動く。
意地悪ばあさんの言動には、なんでかじぶんのこころの奥に照明
があたる、なにかがある。
「意地悪ばあさん」
ブックオフで105円。いいねえ。
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