春のからだ

　朝、熟睡感がないまま、目が覚めた。
　夜は、乾いた咳を何回もしていた。
　
　布団から出てみると、ぐしょぐっしょの洟水がおさまっている。
　出ることは出るけど、ここ数日の激しさはない。

　洟水が出てくると、息苦しい。不快。
　洟をかむと、いっときスッキリする。
　とおもっているそばから、また湧いてくる。
　テイッシュをまるめたのが、ごみ箱に山になる。

　一昨年ぐらいから、縁あって東京からきてくれる整体師さんに
二か月に一回、整体を施術してもらっている。
　今月は21日にやってもらった。
　「痛かったらいってください」と声をかけながら、両足を片方づつ
ねじったり、いつもより動きが大きかった。
　終わって、「どうでしたか？」と尋ねた。
「いいですよ、冬から春のからだになってきていますよ」
　へえー、”春のからだ”とういのがあるんだ。

　整体をやっているから、こういう成果があるという自覚はない。
　じゃあ、なんで続けているの？
「うーん、そうだね、二か月に一回だけど、じぶんのからだの
隅々をさわってもらう。気持としたら、整体師さんの前に投げ出す。
煮るなり、焼くなり、どうぞ。どんなことが、からだに起きているか、
見てください、ってなとこかな」

　野口整体の本を買ってあるが、どうも最後まで読む根気がない。
　理屈はあるのだろうし、それにそってやることもあるのだろう。
　いつか、本気になったとき、読んでみたいぐらいには、おもって
いる。

　からだには、無理乱暴をしてきた。
　20年前に前立腺肥大になり、10年前に心不全で入院して、つくずく
反省したはずだけど、その程度では追いつかないのかも。

　ここ一週間あまり、脱力して熟睡するときあり、急に下痢と
吐き気で寝込む日があり、洟水でぐしょぐしょの日々ありだった。
　不快な感じから、逃れたい一心だったようにも感じる。

　整体では、風邪は病気ではなく、歪んだからだをもとに戻す
体内のはたらきだというらしい。
　風邪は、治すのではなく、経過を観察するらしい。

　いまも、経過しているのだろうか。
　経過を観察・・

　今朝は春の陽気になりそうな気配。
　お日様もまぶしいくらい。
　乾いた咳は、ときどき出てくる。
　どんなふうに、いまを経過していくのだろう。
　よわっちいながら、なんとか観察しながら、やっていけるかな。