「惜しい」と「大切」

新年のお墓参りに来た檀家さんの娘に聞いた。「お父さんはどう?」「母を亡くして二年間は『もうすぐ俺も逝く』と弱気になっていた父が、去年から薬や体に良いという健康食品を積極的に飲むようになったんですよ」「へぇ。お年寄りが健康管理を自分でしてくれるのは、子どもとして助かるね」「ええ、年を取ると命を大切にしようと思うようになるんですね」――驚いた!涙が出そうになった。私なら「いざ年を取ったら、命が惜しくなったんでしょう」と言ってしまうところだ。「○○が惜しくて仕方がない」は「○○を大切にしようと思っている」と言い換えができる。「惜しい」よりも「大切に」のほうが人生はずっと豊かになると思った。いい年のスタートだ。写真は、お友達のパステル画家、泉孝江さんの煉瓦絵『ハートの翼』。泉さん、勝手に引っ張ってきてごめんなさい。

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