始末に困る人

講談全集は、第三巻の大久保彦左衛門の話を読みはじめた。この中に、彦左衛門の人柄を称したクダリがある。「西郷南洲先生のお言葉に『名も要らず、命も要らず、金も要らない者程、世の中に始末にならないものは無い』とありますが、彦左衛門もまさにその始末にならない者でございます」――あはははは。まったくである。名声や名誉、命も金も要らない人ならば怖いもの無しである。一休さんや良寛さんなど始末にならない坊さんは、そんな境地に達したからだと思う。私も還暦までの五年くらいでそんなふうになりたいとと思う。ちなみに、上記の西郷さんの遺言は上記を含めてこんな文章になっている。「命もいらず、名もいらず、官位も金もいらぬ人は、始末に困るものなり。この始末に困る 人ならでは、艱難(かんなん)を共にして国家の大業は成し得られぬなり」 .

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