英国ではEU離脱を巡る混乱が続いている(メイ政権だから、メイ走=迷走中!?)。英国の下院は10日ほど前、首相のEU離脱協定案を、賛成202票/反対432票という圧倒的な差で否決した。私はもともとブレグジットについては楽観していたのだが(英国を懲らしめたいEUの気持ちは分かるが、ドイツなどのEU諸国だってハード・ブレグジットだと困るだろうに)、このまま「合意なき離脱」に突入するリスクが高まって来たように思えて、決して他人事とは言い切れない状況だけに、心配になってしまう。
今さら言っても仕方ないのだが、そもそもこんな大事なことを国民投票に諮ったこと自体が問題だったと、嘆かわしくなる。キャメロン元首相の罪は重い。何故、今またそう思うのかと言うと、英国の調査会社ユーガブが今月8~9日に実施した調査によると、この期に及んで「合意なき離脱」の意味を「明確に理解している」との回答は30%しかなく、「概ね理解している」44%、「聞いたことはあるが意味は分からない」16%、「聞いたこともない」1%、「分からない」9%という結果が明らかになったからだ。ここで「概ね理解している」44%は、一体、どこまで「明確に理解している」のだろうか。英国人気質に詳しい訳ではないが、こうした設問での回答という性格上、「明確に理解している」のではない「概ね理解している」とは甚だ怪しく思えてしまう(苦笑)。「ハード・ブレグジット」や「ソフト・ブレグジット」などの用語を「明確に理解している」との回答となると、それぞれ24%、18%と一段と低くなる。本当に英国は大丈夫だろうか・・・
いくら歴史が進歩してきたとは言え、EUという枠組み、すなわち国家主権の一部を放棄する統治のありようは、現段階において本当に良いのか?という議論は大いにあり得ると思うが、だからと言って正確に理解していたわけではないであろう英国・国民がなんとなく(場合によってはフェイク・ニュースに騙されて)選んだ安易な方向に突き進んでよいものかは疑問がある(だからと言って、こんな状況ではもう一度国民投票に諮るという選択肢にも疑問がある)。国民投票で民意を問う、とは如何にも民主主義的で聞こえがよいが、そもそも直接民主制なるものは古代ギリシャの都市国家のような小規模で単純な場合にこそ成り立つものだ。高度化し複雑化した現代社会にあって、国民の一人ひとりが政治的な事象を正確に理解していると期待するのは幻想でしかない。甚だ誤解を招く言い方になるが、代議制民主主義という仕組みによってプロの政治家やプロの官僚に任せた方がよい局面が多いのは事実だろう(政治家や官僚のレベルがどうかは、ここでは問わないことにする)。
第二次世界大戦のときのエピソードだと記憶するが、言わばエスニック・ジョークの類いなので、話半分・・・最も強い軍隊は、アメリカ人の司令官と、ドイツ人の下士官と、日本人の兵卒で構成される、とは、実によく出来ていて感心する(苦笑)。こう言っちゃあなんだが、身の危険を晒して国という抽象的な実体を守る軍人という職業につく人のレベルは、世界標準では決して高くない。そんな世界で、日本の自衛隊のレベルの高さは際立っていると言われる。
ことほど左様に、日本のように国民の純度が高く、教育が行き届き、しかもその教育は、よく言われるように、エリートを育てるのは苦手かも知れないが平均点を高める、要は落ちこぼれをなくす類いのものであればこそ、分厚い中間層が「おもてなし」をはじめとする日本の高品質を支えていると言える(最近は以前ほどではないにせよ)。しかし、そんな日本でも、世論調査を見る限り、モリ・カケ問題といい、安保法制問題といい、およそ国民一人ひとりが事象を正確に理解しているとは思えず、朝日新聞や毎日新聞や東京新聞のような、日本的な意味での所謂リベラルなメディアの影響を受けて、ムードに流されていそうな気配を濃厚に感じるのは私だけではないだろう。
まこと政治は一筋縄では行かない。私がひねくれているだけなのだが、日本的な意味での所謂リベラルがナイーブに信頼するようには民主主義なるものを信頼出来ない。ブレグジットの「メイ走」を見ていると、余計にそう思う。今さらなのは百も承知で、(民主主義は最悪なシステムだが、歴史上の他のどの政体よりもマシだと言った)チャーチルが生きていたら、さて、どんな言葉を尽くして嘆いただろうかと、思わざるを得ない。
今さら言っても仕方ないのだが、そもそもこんな大事なことを国民投票に諮ったこと自体が問題だったと、嘆かわしくなる。キャメロン元首相の罪は重い。何故、今またそう思うのかと言うと、英国の調査会社ユーガブが今月8~9日に実施した調査によると、この期に及んで「合意なき離脱」の意味を「明確に理解している」との回答は30%しかなく、「概ね理解している」44%、「聞いたことはあるが意味は分からない」16%、「聞いたこともない」1%、「分からない」9%という結果が明らかになったからだ。ここで「概ね理解している」44%は、一体、どこまで「明確に理解している」のだろうか。英国人気質に詳しい訳ではないが、こうした設問での回答という性格上、「明確に理解している」のではない「概ね理解している」とは甚だ怪しく思えてしまう(苦笑)。「ハード・ブレグジット」や「ソフト・ブレグジット」などの用語を「明確に理解している」との回答となると、それぞれ24%、18%と一段と低くなる。本当に英国は大丈夫だろうか・・・
いくら歴史が進歩してきたとは言え、EUという枠組み、すなわち国家主権の一部を放棄する統治のありようは、現段階において本当に良いのか?という議論は大いにあり得ると思うが、だからと言って正確に理解していたわけではないであろう英国・国民がなんとなく(場合によってはフェイク・ニュースに騙されて)選んだ安易な方向に突き進んでよいものかは疑問がある(だからと言って、こんな状況ではもう一度国民投票に諮るという選択肢にも疑問がある)。国民投票で民意を問う、とは如何にも民主主義的で聞こえがよいが、そもそも直接民主制なるものは古代ギリシャの都市国家のような小規模で単純な場合にこそ成り立つものだ。高度化し複雑化した現代社会にあって、国民の一人ひとりが政治的な事象を正確に理解していると期待するのは幻想でしかない。甚だ誤解を招く言い方になるが、代議制民主主義という仕組みによってプロの政治家やプロの官僚に任せた方がよい局面が多いのは事実だろう(政治家や官僚のレベルがどうかは、ここでは問わないことにする)。
第二次世界大戦のときのエピソードだと記憶するが、言わばエスニック・ジョークの類いなので、話半分・・・最も強い軍隊は、アメリカ人の司令官と、ドイツ人の下士官と、日本人の兵卒で構成される、とは、実によく出来ていて感心する(苦笑)。こう言っちゃあなんだが、身の危険を晒して国という抽象的な実体を守る軍人という職業につく人のレベルは、世界標準では決して高くない。そんな世界で、日本の自衛隊のレベルの高さは際立っていると言われる。
ことほど左様に、日本のように国民の純度が高く、教育が行き届き、しかもその教育は、よく言われるように、エリートを育てるのは苦手かも知れないが平均点を高める、要は落ちこぼれをなくす類いのものであればこそ、分厚い中間層が「おもてなし」をはじめとする日本の高品質を支えていると言える(最近は以前ほどではないにせよ)。しかし、そんな日本でも、世論調査を見る限り、モリ・カケ問題といい、安保法制問題といい、およそ国民一人ひとりが事象を正確に理解しているとは思えず、朝日新聞や毎日新聞や東京新聞のような、日本的な意味での所謂リベラルなメディアの影響を受けて、ムードに流されていそうな気配を濃厚に感じるのは私だけではないだろう。
まこと政治は一筋縄では行かない。私がひねくれているだけなのだが、日本的な意味での所謂リベラルがナイーブに信頼するようには民主主義なるものを信頼出来ない。ブレグジットの「メイ走」を見ていると、余計にそう思う。今さらなのは百も承知で、(民主主義は最悪なシステムだが、歴史上の他のどの政体よりもマシだと言った)チャーチルが生きていたら、さて、どんな言葉を尽くして嘆いただろうかと、思わざるを得ない。
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