風来庵風流記

縁側で、ひなたぼっこでもしながら、あれこれ心に映るよしなしごとを、そこはかとなく書き綴ります。

アジア太平洋の旅(上)

2015-06-28 00:00:23 | 永遠の旅人
 海外出張で、月曜の夜行便でオークランド経由ウェリントン(NZ)へ、次いで水曜日一日かけてバンコクへ、更に金曜朝にジャカルタへ移動して、今朝は4時に起きて一日かけて戻って来た。僅か三ヶ所だが、飛行機に乗ったのは6回、延べ36時間、旅好きの私も歳には逆らえず、さすがに金曜日の朝は身体が重く、心がどんより沈んでしまって、奮い立たせるのにかなり気合いを入れる必要があった。
 毎度のことながら、仕事以外は空港とホテルとオフィスを移動するばかりで、食事以外の楽しみを見つけるのは難しい。路地裏を歩いたり・・・といった楽しみはもとより、現地人と触れ合ったり・・・といったチャンスも少ない。食事にしても、いずれも初めての場所ではないので、現地の駐在員まかせにすると、バンコクでは韓国料理と日本食、ジャカルタでは日本風の居酒屋といった塩梅で、ブログに書くような刺激的な話にはなりようがない。
 というわけで、言い訳がましい前置きが長くなったが、ま、つれづれなるままに。
 36時間の飛行時間は、資料を持ち込んで次の仕事の予習をしなければならず、また時間が限られた中でホテルでメール・チェックするせいで寝不足が続き、睡眠をとる貴重な時間でもあり、映画は僅かに2本見ただけ、あとは音楽を聴きながら夢うつつの状態だった。
 行きのNZ航空で、なんと「マジソン郡の橋」を見つけて、話題になったけれども見ていなかったなあと思って、気紛れについ見てしまった。かれこれ20年前の作品で、まだ若いメリル・ストリープが、田舎の主婦ながらも4日間の切ない恋にときめくあたりをうまく演じている。アメリカ・アイオワ州の片田舎というシチュエーションも、美しくていい。クリント・イーストウッドは、いかすけど、淡々と演技していて、結局、テーマがテーマだけに、あるレベル以上は観る者に委ねている作品なんだと思った。この作品がヒットしたということは、受け手側の問題、つまり観る者がこの作品を補って余りある思い入れを持っていたということか。
 Diana Krallという歌手の最新作Wallflowerというアルバムを聴いたところ、”Alone Again”(1972年リリース)というギルバート・オサリバンの名曲が出て来て、つい泣けてしまった。学生時代なので1970年代後半のことになるが、大阪・朝日放送の「ヤングリクエスト」というラジオの深夜放送に「たむたむタイム」という素人のDJコーナーがあって、しらやまえいこさん通称白い猫が、最終回だったか、想い出の曲として流したのがこれで、今も記憶に残っている。まあ、あの年代なので、この曲ばかりではなく、リクエストがかかった曲はよく覚えていて、今、振り返ると、受験勉強などと称して、深夜放送を聞きながら勉強する所謂「ながら族」で、結局、20%からひどい時には50%も時間をロスしていた(つまりラジオに聞き入っていた)のではないか。そんなこと言ったら、今だって、以前何かの調査で読んだことがあるが、E-Mailの40%は仕事以外のジャンクなのだそうな。20/80の法則があるが、さしずめ20%は自分が直接関わる業務に関すること故、真面目に返信するなどして仕事し、40%は情報共有と称する参考メールで、流し読むだけで終わり、残りの40%はジャンクに近いお楽しみメールなのではないだろうか。
 人生の時間というのは、その程度のものかも知れないと、この歳になって思う。
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